市場と組織
 Markets and Hierarchies
 担当教員:安田 均(YASUDA Hitoshi)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科経済・マネジメントコース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
日本型雇用に関する三つの側面(勤続昇給,長期雇用,働き方)にわたる解説を踏まえたうえで,学生は学んだ知識・理論をもとにどれか1つのテーマについて現状と課題,展望をレポートにまとめる。

【授業の到達目標】
1)日本の賃金制度の仕組みや特徴を適切に説明できるようになる。【技能】
2)勤続昇給を経済理論の枠組みで説明できるようになる。【知識・理解】【技能】
3)働き方が多様化したこんにちに相応しい賃金制度を考案できるようになる。【技能】

【授業概要(キーワード)】
日本型雇用,内部労働市場,勤続昇給,知的熟練

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
 この授業は,こんにちの大企業において一般的な勤続の長期化や勤続昇給の傾向について社会科学の観点からアプローチし,論理的な思考能力と分析力を身につけるために編成される科目である(人文社会科学部経済・マネジメントコースのカリキュラム・ポリシー)。
 なお,受講する際し,経済原論1,2,社会政策論1,2及び日本経済史で学んだことと照らし合わせると理解しやすい。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう
05.ジェンダー平等を実現しよう
08.働きがいも経済成長も

【授業計画】
・授業の方法
 スライドでテキスト解説します。配付資料を配り,冒頭でポイントを2点確認します。解説の後,ポイントに対応した確認問題を実施します。最後にレスポンスカードにその解答と質問・感想等を記して貰います(次回冒頭で回答)
・日程
ガイダンス--日本的雇用システム
I.勤続昇給
 欧米の賃金制度,日本の賃金制度,昇給,賃金制度史,人的資本理論,知的熟練論
II.長期雇用
 内部労働市場,雇用調整,非正規雇用
III.内部労働市場の内と外
 労働時間法制,裁量労働制,限定正社員,同一労働同一賃金

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
 3つの単元,テーマ毎のまとめシートの提出を念頭に講義に臨むこと。講義資料の該当箇所に重要な点,わからない点をマークし,レスポンスカードに記す。確認問題があれば,解いてみる。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
 事前にアップロードされた講義スライドと,できれば参考文献に目を通しておく。
確認問題に再トライして解けなければ,パワーポイントのスライド資料を読み直す。

【成績の評価】
・基準
 知識の修得,理解の度合い,汎用的技能(論理的思考力,文章表現力),参加の度合いを,毎回の確認問題や単元毎のまとめシートを用いてみる。
・方法
毎回の確認問題等レスポンスカード4割,まとめシート約6割の割合で相対評価します。

【テキスト・参考書】
参考書;小池和男『仕事の経済学(第3版)』東洋経済新報社,2005年
プリントに小池の対応章および関連文献を記す。

【その他】
・学生へのメッセージ
 90年代不況の果てに日本型雇用の終焉が叫ばれてきましたが,コロナ禍の到来によって図らずも勤続昇給する大企業正社員(内部労働市場)の堅牢さと,外部労働市場(非正規雇用や中小零細企業正社員)の不安定さの違いが際立つことになりました。内部労働市場の仕組みや特徴に焦点を当てることにより現代資本主義の一側面を考察します。
・オフィス・アワー
月曜日13:00-14:00。人文2号棟3階研究室にて。その他の場合は事前に連絡下さい(連絡先yasuda#human.kj.yamagata-u.ac.jp,#を@に)。

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