環境経済学1
 Environmental Economics 1
 担当教員:杉野 誠(SUGINO Makoto)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科経済・マネジメントコース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
経済発展に伴い、環境問題が多様化・深刻化している。本授業では、経済学の枠組みを用いて環境問題を捉え、どの様な政策が必要であるかを理論的に考える。
この授業では、以下の2つを最終目的とする。
①環境問題の「本質」を理解し、様々な環境問題に応用できるようになる。
②排出量取引制度を疑似体験し、制度設計に必要な思考力を身に付ける。

【授業の到達目標】
経済学の基礎的な知識と環境問題に対する理解を深めることができる。【知識・理解】
また、環境問題を解決するために必要な政策の思考力を得ることができる。【知識・理解】

【授業概要(キーワード)】
応用ミクロ経済学 環境政策 公共財 外部性 排出量取引制度

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:76~100%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:26~50%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は,環境問題について経済学の観点から論理的に分析し,解決策を提案する力を身につけるために編成される科目である(人文社会科学部人文社会科学科のカリキュラム・ポリシー)。
なお,本授業を受講する前に,ミクロ経済学1やミクロ経済学2を受講しておくことが望ましい。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
【理論編】テキストに基づいた講義を実施する。その際、パワーポイントで作成した資料をもとに進める。また、内容の理解度を深めるために、小テストを定期的に実施する。小テストを実施した次の講義に、小テストの解説を行う。さらに公務員試験の問題を授業で取り扱う。
・日程
【理論編】
第1回 ガイダンス・環境経済学とは
第2回 ミクロ経済学①(余剰分析)
第3回 ミクロ経済学②(市場の失敗)
第4回 公共財
第5回 外部経済①(様々な費用)
第6回 外部不経済②(余剰分析)
第7回 外部不経済の内部化
第8回 コースの定理
第9回 政策による環境問題の解決
第10回 効率的な削減(ピグー税と排出量取引)
第11回 環境税と排出量取引の比較
第12回 ゲーム①:排出量取引制度を理解する
第13回 ゲーム②:排出量取引制度におけるプレーヤーを理解する
第14回 ゲーム③:排出量取引制度における費用軽減措置を理解する
第15回 まとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義を中心に授業を進めるが、授業を聴くだけではなく、問題点や制度的な疑問点に注意しながら授業にのぞんでください。また、積極的に発言などを行い、授業に参加してください。後半に行うゲーム(3回分)では、受講者がプレーヤーとして参加し、排出量取引制度の制度設計を考えてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
【予習】
指定されたテキスト・プリントを事前に読み、疑問点・問題点を見つけて授業にのぞんでください。また、授業の後半で扱う内容を事前に新聞などで情報を集めてください。
【復習】
授業内で実施した小テストの問題を再度解いてください。また、解答が間違っていた場合、授業で解説された内容を見ながら問題を正しく解けるようにしてください。ゲームを行ったあとは、考えを整理し、必要とされる政策について考えてください。

【成績の評価】
・基準
小テスト、ゲームおよび期末試験を実施し、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力)、参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて判定します。基準は、1)環境問題について興味を持ち、理論的な対策や実施されている対策を説明し、問題点を明確に指摘できる。2)問題点に対する改善方法や改善の方向性を示すことができる。3)環境経済学に関する重要な用語を簡単な言葉で説明できる。4)授業に積極的に参加し、自分自身の姿勢を正当に自己評価できる。
・方法
期末試験、小テスト、ゲーム、学習意欲
ただし、3分の1以上欠席した場合、評価対象外とします。

【テキスト・参考書】
テキスト:日引聡、有村俊秀『入門 環境経済学』中公新書、780円+税(2002)

【その他】
・学生へのメッセージ
環境経済学1は、ミクロ経済学を環境に応用した分野です。必ずミクロ経済学1およびミクロ経済学2の内容を事前に復習してください。また、練習問題や公務員試験の過去問題を解きますので、四則演算と微分を復習しておくことをお勧めします。なお、授業では受講者の主体的かつ積極的な参加が求められます。
・オフィス・アワー
火曜日 13時-14時30分 杉野研究室 その他時間については、メールにてアポを事前に取ってください。

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