医療経済学
 Health Economics
 担当教員:杉野 誠(SUGINO Makoto)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科経済・マネジメントコース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
社会保障問題は、少子高齢化に伴い大きな社会問題として表面化している。特に、医療制度の問題は、安心・安全な生活を保障するためにも解決が必要である。そこで本授業では、経済学的に医療問題を取り扱う。また、授業の後半では、山形県が抱えている医療問題を取り上げる。

【授業の到達目標】
医療問題を理解し、説明できるようになる。【知識・理解】
医療経済学の基礎的知識を身につける。【知識・理解】
議論を通じて、身近な医療問題への解決方法を考察できるようになる。【知識・理解】

【授業概要(キーワード)】
医療問題 医療政策 情報の非対称性 逆選択

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:76~100%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:26~50%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は,医療・社会保障問題について経済学の観点から論理的に分析し,解決策を提案する力を身につけるために編成される科目である(人文社会科学部人文社会科学科のカリキュラム・ポリシー)。
なお,本授業を受講する前に,ミクロ経済学1やミクロ経済学2を受講しておくことが望ましい。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
テキストに基づいた講義を実施する。その際、パワーポイントで作成した資料をもとに進める。また、内容の理解度を深めるために、小テストを定期的に実施する。小テストを実施した次の講義に、小テストの解説を行う。さらに、少人数によるグループワークを通じて、必要とされる政策について議論を行う。
・日程
第1回 ガイダンス(医療経済学とは)
第2回 医療経済学と日本の医療
第3回 日本の医療保険制度
第4回 高齢者の生活保障:医療と介護
第5回 医療経済学の分析方法:ミクロ経済学の復習
第6回 医療サービスの需要:不確実性、保険、情報の非対称性
第7回 供給者誘発需要と情報の非対称性
第8回 医療供給体制:医療サービスの供給の仕組み
第9回 医療における競争と規制
第10回 薬価基準制度と医薬品産業
第11回 経済格差と健康・医療の経済分析
第12回 健康投資、健康支出、マクロ経済パフォーマンス
第13回 医師の労働市場と医師不足の問題
第14回 山形県の医療問題を考える
第15回 授業全体のまとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義を中心に授業を進めるが、授業を聴くだけではなく、問題点や制度的な疑問点に注意しながら授業にのぞんでください。また、積極的に発言などを行い、授業に参加してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
テキストや配布資料を読み、理解することに努めてください。学習中に出た疑問点などは、授業で積極的に質問できるようにまとめて置くことを心がけてください。

【成績の評価】
・基準
小テスト、グループディスカッション、課題および期末試験を実施し知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力)、参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて判定します。基準は、1)医療問題について興味を持ち、具体的事例や現状を説明し、問題点を明確に指摘できる。2)問題点に対する改善方法や改善の方向性を示すことができる。3)医療経済学に関する重要な用語を簡単な言葉で説明できる。4)授業に積極的に参加し、自分自身の姿勢を正当に自己評価できる。
・方法
平常点 10%、小テスト 20%、グループディスカッション 20%、期末試験 50%

【テキスト・参考書】
テキスト
細谷ほか『医療経済学 15講』、新世社、2018年 2400円+税
参考書
地域差研究会編『医療費の地域差』、東洋経済新報社、2001年

【その他】
・学生へのメッセージ
本講義では、日本の医療制度・社会保障制度について取り扱う。これらの問題への理解・関心を持つことが重要である。そのため、新聞を読んで最新の議論を把握することをお勧めします。また、発言・コメントを歓迎いたします。
・オフィス・アワー
火曜日 13時-14時30分 杉野研究室 その他時間については、メールにてアポを事前に取ってください。

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