中小企業論b
 Small Business
 担当教員:吉原 元子(YOSHIWARA Motoko)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科経済・マネジメントコース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
大企業との対比から捉えられる中小企業は、その経営資源の制約から弱い存在と長らく見なされ、政策的支援の対象とされてきました。しかし近年、中小企業はその経営特質から大企業とは異なる強みを発揮することで新産業を創出し、雇用の重要な担い手として認識されるようになっています。講義の目的は、①中小企業に対する見方(中小企業観)の変化から中小企業研究や中小企業政策の潮流について基礎的な知識を得ること、②日本経済や産業発展の歩みと重ね合わせながら中小企業を理解すること、さらに、③人口減少・高齢化といった現代的課題に対して中小企業がどのような役割を担いうるのか展望をもつことです。

【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は、
(1)中小企業研究や中小企業政策がどのような問題意識で行われてきたのかについて、概ね説明できる。(知識・理解)
(2)現代的課題に対し、中小企業が果たす役割について意見を述べることができる。(知識・理解)
(3)身近な中小企業に関心を向けるとともに、中小企業に関する自分なりの問題意識をもつことができる。(態度・習慣)

【授業概要(キーワード)】
経済成長と中小企業、中小企業観、中小企業政策、地域と中小企業

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:76~100%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は経済・経営分野の高度な専門知を獲得し、論理的な思考力と統計・資料に基づく分析力を養う目的で編成される科目です(人文社会科学部経済・マネジメントコースのカリキュラム・ポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
08.働きがいも経済成長も
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
17.パートナーシップで目標を達成しよう

【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントと配布資料を使って講義を行います。中小企業について具体的なイメージを持つために、都合が付けば中小企業経営者や政策担当者からお話を伺う機会を設けることもあります。
・日程
1.オリエンテーション―中小企業の見方
2.中小企業の歴史的展開(1)―近代工業化における中小企業の役割
3.中小企業の歴史的展開(2)―高度成長期の中小企業
4.中小企業の歴史的展開(3)ー産業構造の変容と中小企業
5.中小企業研究の潮流
6.問題型中小企業認識論と貢献型中小企業認識論
7.中小企業の取引構造
8.国による中小企業政策
9.自治体による中小企業政策
10. 中小企業と産業集積
11. 中小企業の協同組織
12. 地域社会と中小企業
13. 現代社会の課題と中小企業(1)
14. 現代社会の課題と中小企業(2)
15. まとめと試験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業で示されるパワーポイントを参考に講義内容をノートに筆記してください。また、授業最後のミニレポートで議論すべき内容を考えながら、問題意識をもって授業にのぞんでください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本授業科目では、以下の課題等を課します。単位制度の実質化のため授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください。
1)準備学修に必要な学修時間の目安は、3時間/週です。
2)扱うテーマに関して、新聞や参考書等に目を通し、内容の適切な理解に努めてください。
3)ミニレポートは必ず提出するとともに、配布資料やノート、参考書を参考に、ミニレポートで出されたテーマにそって知識を再整理しておくといいでしょう。

【成績の評価】
・基準
毎回実施するミニレポート(記述式)とレポート、筆記試験によって、主体的な参加度、知識の習得度、理解度、汎用的技能の修得度合いについて判定します。
以下の通り、授業の到達目標で示した項目を満たしていることを、合格の基準とします。
1)中小企業に関する基礎的知識を理解し、適切に説明できる
2)現代的課題と中小企業の役割を関連付けることができる
3)中小企業に関する情報を集め、自分なりの問題意識を示すことができる
・方法
以下の合計点をもって評価します。
1)期末に行う筆記試験(60%)
2)毎回の授業で課すミニレポート(30%)
3)レポート(10%)

【テキスト・参考書】
特定のテキストは使用せず、プリントを配布します。ウェブクラスを使用しますので、登録してください。
参考書は以下の通りです。
・中小企業庁編『中小企業白書』各年版(中小企業庁ホームページで閲覧できます)
・関智宏編『よくわかる中小企業』ミネルヴァ書房、2020年。

【その他】
・学生へのメッセージ
地域を支える中小企業に対する見る目が変わり、身近に感じられるようになるでしょう。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答えるオフィスアワーは、人文1号館3階吉原研究室にて、木曜日12:30~14:30の間に設けます。 上記の時間以外でも在室時は質問などに対応します。

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