【授業の目的】
公会計について学ぶ。 公会計(public sector accounting)とは、政府、自治体といった公的セクターに属する組織が行う会計のことである。近年、様々な公会計改革が行われており、公会計に対する社会の注目は高まっている。本講義では特に自治体が行う公会計に焦点を当て、公会計が社会の中で果たす役割について学ぶ。
【授業の到達目標】
・地方自治体が公表している決算統計を理解できるようになる ・地方自治体が公表している新たな財務諸表を理解し,分析できるようになる ・地方自治体が内部管理目的で利用している会計手法を理解できるようになる
【授業概要(キーワード)】
公会計、決算統計、財務諸表、行政評価
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は,自治体の会計を理解し,分析できる力を身につけるために編成される科目である。 なお,本授業を受講する前に,会計学1や会計学2を受講しておくことが望ましい。
【授業計画】
・授業の方法
教員による講義を行う。問題演習として財務諸表の分析を行う。適宜受講者の理解を問うための小テストを行う。
・日程
第1回 公会計とは何か? 第2回 予算と決算統計① 第3回 予算と決算統計② 第4回 近年の地方公会計改革 第5回 自治体の財務諸表:貸借対照表 第6回 自治体の財務諸表:行政コスト計算書・純資産変動計算書・資金収支計算書 第7回 自治体の財務諸表:自治体の財務書類:財務書類の活用と分析・経年比較・自治体間比較較 第8回 行政評価:概要と普及の背景 第9回 自治体管理会計の骨格:総合計画・行政評価・予算管理(1) 第10回 自治体管理会計の骨格:総合計画・行政評価・予算管理(2) 第11回 自治体管理会計の骨格:総合計画・行政評価・予算管理(3) 第12回 自治体管理会計の展開 第13回 公営企業会計 第14回 全体のまとめ 第15回 試験と解説 講義の進み具合によっては予定を変更する。
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
オンデマンド遠隔方式で行う。本講義では教員が指定した自治体の財務諸表を学生に分析してもらう。積極的に問題演習に取り組んでほしい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義中に出された課題を復習すること。第7回までの講義では計算を理解する必要があるため、講義中に理解できなかった学生は特に復習に力を入れてほしい。
【成績の評価】
・基準
課題、期末試験を課し、知識の習得、理解の度合い、汎用的技能、参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その結果に基づいて評価する。
・方法
課題(30点)、期末試験(70点)で評価を行う。課題は、自治体の財務諸表分析をテーマにした課題を予定している。
【テキスト・参考書】
テキストは指定せず、配布資料を中心に講義を進める。以下の資料・書籍を参考文献としてあげる。
【参考資料・文献】 ・総務省「地方公会計の整備」 http://www.soumu.go.jp/iken/kokaikei/ ・有限責任監査法人トーマツ編(2015)『一番やさしい公会計の本:第一次改訂版』学陽書房 ・松尾貴巳(2009)『自治体の業績管理システム』中央経済社 ・鈴木豊・兼村髙文編著(2010)『公会計講義』税務経理協会 ・鈴木豊編著(2014)『ポイント解説 新地方公会計財務書類作成統一基準』ぎょうせい
【その他】
・学生へのメッセージ
公会計は、自治体でも現状はあまり活用されていませんが、これから活用される場面が増えてくると思われます。公務員を目指す学生や、自治体を顧客とする会計専門家を目指す人にとっては、将来役に立つ知識を得ることができると思います。
・オフィス・アワー
授業初回に提示する。
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