グローバル・プロブレマティーク基礎演習a
 Introductory Seminar on Global Problematique (a)
 担当教員:許 時嘉(HSU Shih-chia)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科グローバル・スタディーズコース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
本授業では、「グローバル・プロブレマティーク」という共通の枠組みの中で、各クラスで指定されたテーマに沿って授業を進めます。このクラス(基礎演習a)のテーマは、「東アジアの歴史認識の諸問題を考える」です。終戦から72年を迎えた今になっても、慰安婦や戦時中の強制連行、戦争責任をめぐる諸認識は、日本、中国、韓国、東南アジア諸国の間に大きな齟齬が存在しています。その原因とは何か。それを解決する方法とは何か。本授業はいくつかの歴史認識の議題を決め、グループを分けて各国の主張の論理を自主的に調査してもらいます。各グループは2回の発表(指定資料の論点整理及びロールプレイ)を課されています。最後は、学期中に調べた関心のある歴史認識を各自選び、個人構想発表を経て学期末レポートの形で解決策を提起してもらいます。

【授業の到達目標】
(1)日本、中国、韓国で議論された歴史認識の争点を説明できるようになる。
(2)戦後の国際情勢の変化から日本、中国、韓国の歴史観の生成背景と概況について基礎的な理解ができるようになる。
(3)授業で学んだ学問の基礎的手法に基づき、日韓中の歴史認識のズレに関して受講者自身で分析し、みずからの見解を提示できるようになる。

【授業概要(キーワード)】
歴史認識 日中関係 日韓関係

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は、国際的な視野や経験を持ち、グローバル化に柔軟に対応できる思考力と判断力を身につけるために編成される科目である(人文社会科学部GSコースのカリキュラム・ポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
10.人や国の不平等をなくそう
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
各クラスで指定されたテーマにしたがって、演習形式で授業を進めます。また、個人発表やクラス討論の作法、調査のやり方、レポートの書き方など、GSコースにおける学問の基礎的手法についても、合わせて学びます。
・日程
1.ガイダンス:歴史認識のズレの事例(日韓・日中問題)を紹介。
2~3.総論:東アジアの戦後を概観。発表当番を決定。
4~8.グループ発表と質疑
9.期末レポートとロールプレイに向けて:準備と討論
10~11.ロールプレイ発表
12~14.レポートの個人構想発表
15.総括と振り返り

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
発表とクラス討議が中心となるので、受講者はみずから進んで発言することによって、授業に参加しなければなりません。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
・予習のあり方:事前に定められた部分をきちんと読んだ上で、授業に参加してください。
・復習のあり方:最終的にはレポートによる評価が、成績決定の大きな要因となります。したがって、受講者は各回の授業で論じられる問題のうち、自分のレポートの材料として適当なものの発見に努め、また授業後はそれに関して自分で積極的に調査を進めてください。

【成績の評価】
・基準
評価の基準は以下の通りです。
(1)日本、韓国、中国の歴史認識の争議について、基礎的な理解ができているか。
(2)内政状態と国際関係の変化から諸国の歴史認識の形成要因を理解できているか。
(3)授業で学んだ学問の基礎的手法に基づき、東アジア諸国の歴史観のズレとその解決策に関して受講者自身で分析し、みずからの見解を提示できているか。
上記の3点について、人文社会科学部のガイドラインである、「主体的な参加の度合い」、「知識の修得の度合い」、「理解の度合い」、「汎用的技能の修得の度合い(論理的思考力、文法表現力)」の4つの観点から「授業の到達目標」の達成度を判定し、成績評価をおこない、合計で最低6割の得点率をもって合格と判断します。
・方法
授業参加(資料報告と質疑):30点、個人発表:30点、学期末レポート:40点

【テキスト・参考書】
授業中に適宜紹介します。

【その他】
・学生へのメッセージ
・グローバル・プロブレマティーク基礎演習は指定クラス制となっており、受講者の側でクラスを選択することはできません。クラス分けは、学期の初めに掲示します。
・GS基礎演習はGSコース学生のみを対象とした授業であり、他コースからの履修は原則として認めません。
・オフィス・アワー
火曜12時~13時(許研究室・人文一号館4階405号)。事前にメールにてご連絡ください。

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