法務実践演習e
 PBL Seminar (Law in Practice e)
 担当教員:池田 弘乃(IKEDA Hirono)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科総合法律コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
ジェンダー・セクシュアリティに関する実践的な法律問題には、長らく問題が指摘されていながら未解決なもの(夫婦同氏制度など)、対応の途上のもの(ドメスティック・バイオレンスなど)、ようやく訴訟が提起されはじめたもの(同性婚など)等々、法分野を横断して様々なものがある。
 本演習では、これらの法律問題について、参加者の興味関心も勘案しながら幾つかを選択した上で、問題点の把握と解決策の探求を行う。その際、基礎理論、実定法解釈学(特に憲法学)の視点を組み合わせてアプローチすることにより、今まで文字や文書を通じて学んできた法律が、人々の具体的な生活・人生に切実な形で関わっていることへの認識を深めていきたい。

【授業の到達目標】
ジェンダーと法の関りについての基本的事項を説明できる。ジェンダーとセクシュアリティに関わる差別の実相について深い理解に到達する。現実社会の課題を法的観点から分析する基礎的素養を養う。

【授業概要(キーワード)】
ジェンダー、セクシュアリティ、LGBTs、SOGI、差別、平等、個人の尊厳

【科目の位置付け】
この授業は、ジェンダー・セクシュアリティに関連する現代的問題について法学の観点からアプローチする科目である。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
05.ジェンダー平等を実現しよう

【授業計画】
・授業の方法
受講生の関心を勘案しながら幾つかのテーマを選定する。それぞれのテーマについて、受講生による調査と発表、教員からの補足・レクチャー、それらを踏まえた全体討議という形式で行う。ジェンダー・セクシュアリティという切り口から、現代社会における差別と平等の実相を深く理解し、法的思考を踏まえながら的確に対応していくための基礎的素養を培うことを目的とする。
・日程
イントロダクション(進め方について)

各テーマについて
グループワーク、調査・発表
補足・レクチャー
という形で複数回を充てる。

全15コマのうち何回かは2コマ連続で行う予定である。例えば、隔週で2コマ連続という形態になる期間がありうる。その場合も水曜7・8~9・10校時を予定しており、他の専門科目との重複の可能性は低いはずである。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
発表やレクチャーに対して積極的に質問することによって理解を深める。関連する基本文献を丁寧に読解する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
グループワークや発表のために、図書館やインターネットを活用して、充分な調査と事前準備を行う。
ニュースや映画、文学作品等に幅広く触れることによって時代精神を感受しつつ、それについて思考を巡らせる。

【成績の評価】
・基準
ジェンダーと法の関りについての基本的事項を的確に説明できるか、ジェンダーとセクシュアリティに関わる差別の実相について深く理解しているか、現実社会の課題を法的観点から分析することができるか、を総合的に評価する。
・方法
グループワークへの実質的参画の度合い(50%)、演習への積極的参加(発表や発言)の度合い(50%)

【テキスト・参考書】
テキストは指定しない。

参考書として、加藤秀一『はじめてのジェンダー論』(有斐閣、2017年)、石田仁『はじめて学ぶLGBT』(ナツメ社、2019年)、谷口洋幸他編『セクシュアリティと法』(法律文化社、2017年)などがある。授業内でも適宜紹介する。

【その他】
・学生へのメッセージ
本演習のテーマは、あらゆる人が何らかの形で関わる問題である一方で、それをどれだけ切実に感じているかには個人差が大きいテーマでもあります。「個人の尊厳と両性の本質的平等」という言葉の意味について皆さんと深く掘り下げて考えていければ、と思います。
・オフィス・アワー
火曜日10:30~12:00(これ以外でも研究室在室中は随時可能)/人文2号館3階、池田(弘)研究室。

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