社会科教育法
 Methodology of Teaching Social Studies
 担当教員:高 吉嬉(KO Kilhee)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
歴史的思考力、地理的技能・見方や考え方、人間としての在り方や生き方など、中学校社会科の意義と目的及び各分野の特質と相互関連性を理解し、SDGsの目標を念頭におきながら、社会科の究極のねらいである「グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎」を育成することについて考え、その授業づくりのための基礎的力量を身に付けることを到達目標とする。

【授業の到達目標】
中学校社会科の歴史的分野、地理的分野、公民的分野を扱う。それぞれの科目の特質と科目相互の関連性について理解し、日本の社会科の特質と課題について考え、学習指導要領や教科書の内容構成の分析、授業事例の検討、指導案の作成、模擬授業を行うができる。

【授業概要(キーワード)】
社会科カリキュラム、社会科授業づくり、模擬授業

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
社会科教員免許取得必須科目、カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラムマップ」を参照し、よく理解したうえで履修して下さい。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう
02.飢餓をゼロに
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
05.ジェンダー平等を実現しよう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

【授業計画】
・授業の方法
本授業は、社会科教員として必要な資質・能力を身につけるため、教材研究、グループ活動、指導案の作成、模擬授業などを組み合わせて授業を行う。
・日程
第1回: オリエンテーションと自己紹介,講義の概要説明
* 課題:「どのような社会科教員になりたいのか?」(レポート)
第2回: 教科としての「社会科」の変遷とSDGsの課題について
第3回: 韓国や中国の社会科カリキュラムについて(日本の社会科の特質と課題を知る)
第4回: 歴史的分野の目標及び内容構成について(学習指導要領と教科書)
第5回: 歴史実践①:「朝鮮時代・江戸時代の漂流民」の分析と討論
第6回: 歴史実践②:「江戸城に招いた朝鮮通信使」の分析と討論
第7回: 地理的分野の目標及び内容構成について(学習指導要領と教科書)
第8回: 地理実践①:「「食」から見る東アジア交流史-昆布と唐辛子を例に-」の分析と討論
第9回: 地理実践②:「東南アジアとASEAN」の分析と討論
* 課題:「『トットちゃんとトットちゃんたち 1997‐2014』(講談社)を読んで」(レポート)
第10回: 公民的分野の目標及び内容構成について(学習指導要領と教科書)
第11回: 公民実践①:「水俣病問題:環境問題と市民の役割」の分析と討論
* 課題:『山形県の国際化の現状』(報告書)を入手し,読んでくる。
第12回: 公民学習②:「多文化社会のための山形県の課題を考える」
『山形県の国際化の現状』(報告書)の検討,グループ活動及び検討内容の発表
第13回: 指導案づくりの指導
* 課題:指導案の作成
第14回: 指導案の「本時」部分の発表①,質疑応答及び討論
(全員の半数が各自の研究テーマについての発表。人数によって時間調整)
第15回: 指導案の「本時」部分の発表②,質疑応答及び討論
(残りの半数が各自の研究テーマについての発表。人数によって時間調整)
*課題: 指導案の最終版を提出する。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
①受講者自らが授業での学習内容を深めていく姿勢を持つことが望まれる。②扱う内容について積極的に考え、コメントをよせるなど、授業に積極的な態度で臨むこと。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
①自分の問題意識をしっかり持ち、教材研究に励み、積極的な姿勢で模擬授業に望むこと。②各内容で紹介された図書を読み、インターネットや図書館を利用するなど、授業で上げられた内容を深めていくこと。

【成績の評価】
・基準
以下の評価の観点に則り,レポート及び発表内容などを中心に,総合的に評価する。
・授業の学習内容を理解し,自分の課題意識をきちんともって自主的に資料を調べ,学習に励んだか。
・指導案づくりに主体的に,積極的に,意欲的に取り組んだか。
・レポートや指導案の作成の際に関連資料の収集方法や発表伝達の工夫などがみられたか。
・方法
以下の評価の観点に則り、レポート及び発表内容などを中心に、総合的に評価する。
・授業の学習内容を理解し、自主的に資料を調べ、指導案作成に意欲的に取り組んだか。(30%)
・発表内容が具体的で、質疑応答の時間に積極的な態度が見られたか。(30%)
・レポートや指導案作成の際に関連資料の収集方法や発表伝達の工夫などがみられたか。(40%)

【テキスト・参考書】
【テキスト】・『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』2017年7月、東洋館出版社。
【参考書】・『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 地理歴史編』2018年7月、東洋館出版社。
・社会認識教育学会編『中学校社会科教育』(学術図書出版社)
・石渡延男・越田稜『世界の歴史教科書-11ヵ国の比較研究』(明石書店)
・黒柳徹子『トットちゃんとトットちゃんたち 1997‐2014』(講談社)

【その他】
・学生へのメッセージ
・どのような中学校や高等学校の社会科教師になりたいのか?これを常に考えつつ、積極的な姿勢で授業に参加して下さい。
・オフィス・アワー
・事前に連絡をして下さい。互いの日程を調整し、できるだけいつでも学生の相談にのることができるように努めます。

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