【授業の目的】
新学習指導要領(平成29年3月公示)の「育成すべき資質・能力」の観点から、社会科の「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性」の特質について理解し、「主体的で対話的で深い学びの実現」を図る単元と授業構成の基本的スキルを身に付けることを目的とします。
【授業の到達目標】
・「育成すべき資質・能力」の点から、中学校社会科と高等学校地理歴史科のカリキュラム・デザインの特質と課題を理解できるようになる。 ・ワークショップ型授業などアクティブ・ラーニングの社会科の単元事例を検討し、単元の指導計画と1時間の授業を構成できるようになる。
【授業概要(キーワード)】
育成すべき資質・能力(コンピテンシー)、社会科、単元構成、授業づくり
【科目の位置付け】
中学校社会及び高校地理歴史科の免許取得に関わる「教科及び教科の指導法に関する科目」です。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
・社会科における「育成すべき資質・能力」について、三つの柱にそって講述します。 ・「民主制」「アブダクションと授業づくり」「探究型学習」「考える日本史」「社会科のICT活用」に関する具体的な単元と教材を、資質・能力の点から分析・検討します。ワークショップ型授業の事例を中心に、授業設計のレパートリーを広げられるようにします。 ・社会科の授業計画及び学習指導案を作成できるように、その要件と評価の基本、作成の勘所について講述します。 ・模擬授業演習を、歴史、地理、公民の主題にそくしたグループを編成して実施します。 ・各自で社会科授業づくりについての課題を省察し、まとめるようにします。
・日程
第1回:学習指導要領における社会認識教育の体系とその歴史的展開 第2回:コンピテンシー・ベイスからみた社会科教育のカリキュラム・デザインの特質と課題 第3回:「民主主義」概念の活用-議場のつくりと近代後半の議会政治家のランキングを中心に- 第4回:アブダクションと授業づくり-山形県東根市の人口増加及び縄文土偶の教材開発を例に- 第5回:探究型学習の実際と課題-昭和戦前期の社会を扱う歴史学習事例に- 第6回:高校地理歴史 考える日本史の実際 第7回:高校地理歴史 考える日本史における歴史学と歴史教育-絵画史料の教材かを中心に- 第8回:社会科・地理歴史科におけるICT活用の実際と課題 第9回:学習指導案作成の要件及び指導と評価の計画作成 第10回:模擬授業演習のグループ編成と主題の設定 第11回:模擬授業演習の準備、グループ活動 第12回:模擬授業演習1 歴史の単元 第13回:模擬授業演習2 地理の単元 第14回:学習評価の考え方と大学入試センター共通テストの問題分析(社会系教科を中心に) 第15回:講義内容の振り返りと社会科授業づくりの課題
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
中学及び高校時代の社会科や地理歴史科で学んだ教科書を持っていたら、持ってきてください。授業の後半は、グループ活動の比重が大きくなります。積極的に授業準備とその検討の議論に参加することが望まれます。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義での発表資料や事例の教材資料をファイリングして、各回の授業のテーマについての自分の見解をコメントとして自分のノートにまとめていくことを勧めます。
【成績の評価】
・基準
・コンピテンシー・ベイスの社会科の課題を理解し、1時間の学習指導案を作成できる(到達目標のC基準)
・方法
3回のレポートを次の評価割合で課します。コンピテンシー・ベイスの社会科カリキュラムデザインに関するレポート(30%)、学習指導案作成レポート(30%)、授業内容をふまえて総括・発展させるレポート(40%)。
【テキスト・参考書】
文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』東洋館出版、同『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 地理歴史編』東洋館出版。 奈須正裕¥江間史明編著『教科の本質から迫るコンピテンシー・ベイスの授業づくり』図書文化社
【その他】
・学生へのメッセージ
大学入試で新しく始める共通テストの試行問題をホームページで調べてみてください。用語の暗記や消去法で対応する社会科学習ではもはや対応できません。新しい時代の社会科の授業づくりを考えてください。
・オフィス・アワー
後期は水曜の9:00-10:00がオフィスアワーです。江間研究室は、地域教育文化学部2号館3階にあります。事前に連絡をください。
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