地歴科教育法
 Social Studies, Geography and History
 担当教員:高 吉嬉(KO Kilhee)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
中学校社会科(2学年前期)の学習を踏まえて、高等学校地理歴史科の各科目の特質と相互の関連性を理解し、習得した知識、概念や技能を活用して、世界や日本の歴史的事象や地理的事象についての見方や考え方を成長させるとともに、その授業づくりのための基礎的力量を身に付けることを到達目標とする。

【授業の到達目標】
高等学校地理歴史科は、平成32年度実施予定の次期学習指導要領による「歴史総合」「地理総合」等を念頭において、世界史(A、B)、日本史(A、B)、地理(A、B)を扱う。世界(東アジア)とその中における日本を広く総合的な視野から歴史を捉え、SDGsの視点から持続可能な社会づくりを目指して現代の地理的な諸課題を理解し、習得した知識、概念や技能を活用して、国際社会に主体的に生きる資質を培うため、地歴科のカリキュラムの目標と内容構成の分析、教材開発、授業事例の検討、模擬授業演習を行う。

【授業概要(キーワード)】
教材研究、社会科授業づくり、SDGs

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
学部・学科のカリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラム・マップ」を参照し、よく理解したうえで履修してください。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう
02.飢餓をゼロに
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
05.ジェンダー平等を実現しよう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

【授業計画】
・授業の方法
本授業は、社会科教員として必要な資質・能力を身につけるため、教材研究、グループ活動、指導案の作成、模擬授業などを組み合わせて授業を行う。
・日程
第1回: オリエンテーション/講義のねらい及び進め方についての説明
* 課題: 高等学校歴史地理科の各科目(世界史(A、B)、日本史(A、B)、地理(A、B))から、グループごとに模擬授業のテーマを設定し、教
材開発及び指導案作成に取り組む。(6週目から順次発表開始)
第2回: 教科としての「地理歴史科」の成立と「科目相互の関連」について
第3回: 韓国の『東アジア史』(高校)について-日本史と東アジア史の関連性を理解し、討論する。
第4回: 世界の歴史教科書:11ヵ国の比較研究について-日本史と世界史の関連性を理解し、討論する。
第5回: 東アジアの歴史対話と共通教材づくりについて-今の生徒たちに求められる歴史認識を理解し、討論する。
第6回: 世界史(A、B)グループの教育内容研究。質疑応答及び意見交換(指導案作成へ)
第7回: 日本史(A、B)グループの教育内容研究。質疑応答及び意見交換
第8回: 地理(A、B)グループの教育内容研究。質疑応答及び意見交換
第9回: 模擬授業演習にむけたグループ活動の時間。グループごとに、個別に指導を行う。
* 課題:『トットちゃんとトットちゃんたち 1997‐2014』(講談社)の感想文と、そのなかの一国ついて調べて、パワーポイントで発表の準備を
する。
第10回: 調べた国に対するパワーポイントを使った発表①「ウガンダと内戦」、質疑応答及び討論
第11回: 調べた国に対するパワーポイントを使った発表②「インドネシアとイスラム教」、質疑応答及び討論
第12回: 世界史(A、B)グループの模擬授業演習①、質疑応答と討論
第13回: 日本史(A、B)グループの模擬授業演習②、質疑応答と討論
第14回: 地理(A、B)グループの模擬授業演習③、質疑応答と討論
第15回: 授業のまとめと意見交換(模擬授業演習のふり返り含む)
* 課題: 教材研究の内容と模擬授業を踏まえて修正した指導案の最終版を提出。定期試験は実施しない。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
①受講者自らが授業での学習内容を深めていく姿勢を持つことが望まれる。
②扱う内容について積極的に考え、コメントをよせるなど、授業に積極的な態度で臨むこと。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
①自分の問題意識をしっかり持ち、教材研究に励み、積極的な姿勢で模擬授業に望むこと。
②各内容で紹介された図書を読み、インターネットや図書館を利用するなど、授業で上げられた内容を深めていくこと。

【成績の評価】
・基準
以下の評価の観点に則り、レポート及び発表内容などを中心に、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて判定します。基準は、①授業の学習内容を理解し、自分の課題意識をきちんともって自主的に資料を調べることができる。②グループ活動に主体的に、積極的に、意欲的に取り組むことができる。③報告やレポートの作成の際に関連資料の収集方法や発表伝達の工夫などができる。
・方法
以下の評価の観点に則り、レポート及び発表内容などを中心に、総合的に評価する。
・授業の学習内容を理解し、自主的に資料を調べ、指導案作成に意欲的に取り組んだか。(30%)
・発表内容が具体的で、質疑応答の時間に積極的な態度が見られたか。(30%)
・レポートや指導案の作成の際に関連資料の収集方法や発表伝達の工夫などがみられたか。(40%)

【テキスト・参考書】
【テキスト】・『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 地理歴史編』2018年7月、東洋館出版社。
【参考書】・石渡延男・越田稜『世界の歴史教科書-11ヵ国の比較研究』(明石書店)
・斉藤一晴『中国歴史教科書と東アジア歴史対話-日中韓3国共通教材づくりの現場から』(花伝社)
・黒柳徹子『トットちゃんとトットちゃんたち1997‐2014』(講談社)
・日本社会科教育学会『社会科教育の今を問い、未来を拓く』(東洋館出版社)

【その他】
・学生へのメッセージ
・どのような中学校や高等学校の社会科教師になりたいのか?これを常に考えつつ、積極的な姿勢で授業に参加して下さい。
・オフィス・アワー
・事前に連絡をして下さい。互いの日程を調整し、できるだけいつでも学生の相談にのることができるように努めます。

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