公民科教育法
 Methodology of Civics Education
 担当教員:高 吉嬉(KO Kilhee)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
社会科教育法などの学習を踏まえて、さらに子どもの生活と知識に根ざす18歳主権者教育をはじめ、地球市民教育(GCED)とSGDsの視点から、現代社会の諸問題(貧困と市場経済、世界平和と人権、少子・高齢化社会の問題など)を深く考察し、自ら選択・判断する力を身に付けて、自立した主体としての国家・社会の形成に参画する力を育成することを目指し、教材研究、指導案作成をし、模擬授業を行う。

【授業の到達目標】
・シティズンシップ(市民性)教育の歴史を学習し、その現状と課題を把握する。
・グループでSDGsの視点から、公民分野の教科書内容から一つのテーマを決めて教育内容・教材研究をする。
・グループ活動を通して、資料の活用や他人とのコミュニケーション能力を高める。
・教材研究をした教育内容にもとづく模擬授業を行い、社会的事象の意味、意義を解釈すること、事象の特色や事象間の関連を説明すること、自分の考えを論述することをしっかり確立していく。

【授業概要(キーワード)】
SDGs、シティズンシップ(市民性)、教材研究、指導案作成

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
社会科教員免許取得必須科目、カリキュラム・ポリシーとの関係については、「カリキュラムマップ」を参照し、よく理解したうえで履修して下さい。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう
02.飢餓をゼロに
03.すべての人に健康と福祉を
04.質の高い教育をみんなに
05.ジェンダー平等を実現しよう
06.安全な水とトイレを世界中に
08.働きがいも経済成長も
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

【授業計画】
・授業の方法
本授業は、社会科教員として必要な資質・能力を身につけるため、教材研究、グループ活動、指導案の作成、模擬授業などを組み合わせて授業を行う。
・日程
第1回: オリエンテーション/講義のねらい及び進め方についての説明
第2回: 持続可能な開発のための教育(ESD)と地球市民教育(GCED)について
第3回: 学習指導要領における公民教育の体系とその歴史的展開
第4回: 東アジアにおける市民性教育-日本の公民教育の特質と課題を知る
*課題: 『ルポ 貧困大国アメリカII』の感想文
第5回: 貧困と市場経済の問題-グループ活動:『ルポ 貧困大国アメリカII』の討論と意見交換
第6回: 子どもの生活現実に根ざす主権者教育-『18歳までに育てたい力』①
第7回: 主権者教育と地域をつなぐ-『18歳までに育てたい力』②
第8回: 変貌する社会と市民性(シティズンシップ)-『18歳までに育てたい力』③
第9回: 模擬授業演習のグループ編成と主題の決定
第10回: 模擬授業演習の準備 グループ活動)
第11回:模擬授業演習「貧困と市場経済」-質疑応答と討論
第12回:模擬授業演習「世界平和と人権」-質疑応答と討論
第13回:模擬授業演習「少子・高齢化問題」-質疑応答と討論
第14回:模擬授業演習「環境・資源問題とESD」-質疑応答と討論(主題は変更の可能性あり)
第15回: 学習内容をふり返りつつ、シティズンシップ教育のための社会科教育の課題について話し合う。
*課題:教材研究の内容と模擬授業を踏まえて修正した指導案の最終版を提出。定期試験は実施しない。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
①受講者自らが授業での学習内容を深めていく姿勢を持つこと、②扱う内容について積極的に考え、コメントをよせるなど、授業に積極的な態度で臨むことが望まれる。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
①自分の問題意識をしっかり持ち、教材研究に励み、積極的な姿勢で模擬授業に望むこと。
②各内容で紹介された図書を読み、インターネットや図書館を利用するなど、授業で上げられた内容を深めていくこと。

【成績の評価】
・基準
以下の評価の観点に則り,レポート及び発表内容などを中心に総合的に評価する。
・授業の学習内容を理解し、自分の課題意識をきちんともって自主的に資料を調べ、学習に励んだか。
・レポートの作成の際に関連資料の収集方法や発表伝達の工夫などがみられたか。
・統計や資料を講読・分析するなど,指導案づくりに対する理解や授業に対する工夫等がみられたか。
・方法
以下の評価の観点に則り、レポート及び発表内容などを中心に、総合的に評価する。
・授業の学習内容を理解し、自主的に資料を調べ、学習に励んだか。(30%)
・レポートの作成の際に関連資料の収集方法や発表伝達の工夫などがみられたか。(30%)
・統計や資料を講読・分析するなど、指導案作成に対する理解や授業に対する工夫等がみられたか。(40%)

【テキスト・参考書】
【テキスト】・『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 公民編』2018年7月、東京書籍。
【参考書】・『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 社会編』2017年7月、東洋館出版社。
・坂井俊樹『18歳までに育てたい力』学分社、2017年。
他、授業の際に適宜指示する。

【その他】
・学生へのメッセージ
・どのような社会科教師になりたいのかを常に考えつつ、積極的な姿勢で授業に参加して下さい。
・オフィス・アワー
・事前に連絡をして下さい。互いの日程を調整し、できるだけいつでも学生の相談にのることができるように努めます。

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