道徳教育の理論と実践
 Theory and Practice of Moral Education
 担当教員:吉田 誠(YOSHIDA Makoto)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
本授業では、中学校の道徳科の授業を行うために必要な心構えと基本的な知識を習得した上で、適切な指導法を選択して道徳科の学習指導案を作成できるようになることを目的とする。

【授業の到達目標】
1.道徳教育の必要性、歴史、現状と課題について説明できる。
2.中学校の道徳科のさまざまな指導法の特徴と課題について説明できる。
3.適切な発問を構成し、道徳科の学習指導案を作成できる。

【授業概要(キーワード)】
道徳科の指導法 道徳教育の教材 道徳教育の歴史

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
教職に関する科目(中学校教員免許状取得のための必修科目)で教材研究力・授業構想力・授業実践力を身につけるためのものである。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
本授業は基本的に講義形式で行うが、毎回の授業の初めに考察課題を与え、授業内容を踏まえて自分の考えをコミュニケーションカードに記入してもらうことにする。記入内容から優れたものや課題の残るものについて次回の授業の最初に紹介するので自分とは異なる他者の考え方も参考にしながら多面的・多角的に思考できるよう主体的に取り組んでもらいたい。また、授業の最後の5回で与えられた教材についてグループで教材分析、発問検討、指導案作りを行った上で、指導案の発表会を行い、優れた指導案を作成したグループの代表者に模擬授業を行ってもらうので、グループワークに積極的に取り組んでもらいたい。
・日程
第1回:道徳教育における信念対立と正しさを決める四つのアプローチ(道徳とは何か)
第2回:道徳教育の歴史に通底する信念対立(道徳教育の歴史)
第3回:よい道徳教育とは何か(道徳とは何かを含む)
第4回:20世紀の道徳と21世紀の道徳(進化心理学と認知神経科学に基づく道徳観:心の成長と道徳性の発達を含む)
第5回:道徳授業のねらいに基づく8類型(多様な指導方法の特徴)
第6回:道徳授業の発問の構成法(道徳科の目標・内容とねらいに基づく発問構成)
第7回:道徳科の学習指導案の作成法(ねらいに沿った学習指導案の作成)
第8回:道徳科の評価(道徳科の特性を踏まえた評価のあり方)
第9回:各授業類型のねらいと発問の特徴(教材の特性を踏まえた教材分析の例示)
第10回:学校現場における道徳教育の取り組みの現状と課題(年間指導計画と教科等横断的な指導を含む)
第11回:教材分析の視点に基づく教材分析演習(いじめ及び情報モラルに関する教材を扱う)
第12回:発問構成演習(いじめ又は情報モラルに関する教材から選択して授業設計)
第13回:学習指導案作成演習(いじめ又は情報モラルに関する教材から選択して学習指導案づくり)
第14回:学習指導案発表会(作成した学習指導案の評価)
第15回:模擬授業と事後検討(授業改善の検討を含む)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
テキストを事前に読んだ上で授業での説明を基に内容を理解し、学習課題について授業内容を踏まえたうえで自分なりの考えを深めてコミュニケーションカードに記述すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
学習課題に記述した内容についてさらに自分の考えを深めたり、興味のある内容について自分なりに調べたりすること。また、テキストで講義中に理解が不十分だった部分を復習し、整理しておくこと。

【成績の評価】
・基準
以下の評価の観点により評価する。
1.道徳教育の必要性、歴史、現状について理解しているか
2.道徳の授業の指導法に応じたねらいと発問を構成できるか
3.生徒の実態を想定して評価可能なねらいを設定し、適切な発問と予想される反応を構成することができるか
・方法
毎回の授業で課す考察課題50%、最終課題の学習指導案50%。

【テキスト・参考書】
テキスト:吉田誠・木原一彰『道徳科 初めての授業づくり』大学教育出版、2018年
参考書:『中学校学習指導要領解説―特別の教科道徳編―』

【その他】
・学生へのメッセージ
教員を目指す学生であることを前提に、将来教壇に立つ者としてふさわしい行動を求めますので、遅刻、授業中の私語などについて厳格に対応します。
・オフィス・アワー
オフィスアワーについては初回授業の際に指示します。質問や連絡等はEメールでも受け付けます。

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