博物館教育論
 Museum Education
 担当教員:山﨑 裕(YAMAZAKI Yutaka)
 担当教員の所属:人文社会科学部非常勤講師
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):山形大学附属博物館嘱託職員(職務内容:学芸員)
斎藤報恩会自然史博物館学芸員
理化学研究所研究員
 開講学年:3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
博物館における教育活動の基盤となる理論や実践に関する知識と方法を習得し,博物館の教育機能に関する基礎的能力を養う。欧州ならびに本邦の自然科学系の博物館での実践を例にとり,解説する。

【授業の到達目標】
博物館ならびに相当施設における資料の教育的意義が理解でき,その活用や教育活動を提案できるようになる。

【授業概要(キーワード)】
学校教育との博物館教育の相違点、博物館見学、個々の学びの多様性

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
本科目は,学芸員資格を取得する際に大学において修得すべき文部科学省令の定める博物館に関する科目のうち「博物館教育論」にあたります。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
05.ジェンダー平等を実現しよう
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
08.働きがいも経済成長も
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう

【授業計画】
・授業の方法
・主に講義形式で進めるが,随所に実習的要素を盛り込みながら授業を実施する。
・対面型講義が困難な当面は,各回の(資料や課題等)電子配信型で講義を進める。以下日程に変更の可能性もある。
・日程
第1回 : 学びの意義と博物館(人類の遺産とは何か)
第2回 : 博物館教育の意義と理念1(博物館の歴史と教育・世界)
第3回 : 博物館教育の意義と理念2(博物館の歴史と教育・日本)
第4回 : 博物館教育の意義と理念3(博物館の種類とその教育的意義,学芸員の役割)
第5回 : 博物館教育の意義と理念4(オリジナルとレプリカ)
第6回 : 博物館の利用と学び1(学校教育と学習指導要領における博物館,学校教育と博物館教育の違い)
第7回 : 博物館の利用と学び2(生涯学習における博物館)
第8回 : 博物館の利用と学び3(地域文化と博物館)
第9回 : 博物館の利用と学び4(生命・環境教育と博物館,動植物園や自然公園)
第10回: 博物館の利用と学び5(資料の保管と活用)
第11回: 博物館教育の実際1(博物館での教育活動の方法)
第12回: 博物館教育の実際2(博物館教材と教育展示のあり方)
第13回: 博物館教育の実際3(博物館における企画展)
第14回: 博物館教育の実際4(博物館における地域子ども教室運営)
第15回: 博物館教育の実際5(本邦における博物館の未来と受講生各員の博物館教育観)
*以上はあくまでも予定であり,時事の話題や学習理解度,受講生の要望に合わせ,変更することもある。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義中心に進めるが,実際の教材や子ども教室の実態を体験する機会も盛り込みたいと考えている。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
博物館を学ぶ上で,博物館体験が最も重要である。多くの博物館や相当施設(美術館・動植物園など)を見学することを推奨する。その際,運営者の意図を考えながら体験することは,本講義の理解に有効である。
当面の電子配信型講義では,配信資料をもとにした課題作成に要する時間は,事前事後学習も含め,各回あたり3-4時間を目安とする。

【成績の評価】
・基準
「知識の習得」「理解の度合い」「汎用的技能(企画力)」「参加の度合い」のそれぞれの項目について判定し,その合計点を用いて授業の到達目標の達成度を判定します。博物館ならではの教育とその意義についての理解,学芸員としての独創的かつ優れた教育機会の提案を評価基準とします。
・博物館教育の基礎知識とその歴史を学べたか
・学校教育と博物館教育の相違について理解できたか
・博物館展示(企画)に込められた教育性を読み取れるか,また博物館ならではの教育性に配慮した展示企画を作れるか
・講義への参加のみならず,講義で扱う話題について独自の見解を持つことができるか
・方法
進取の受講姿勢(20%),随所に課すレポート評価*(30%),試験*(50%)
試験には配布資料・ノートの持ち込みを認める。
*対面講義困難が続く当面は,試験に代えて学期末総合課題レポートを課す場合もある。その場合の評価配分は,各回のレポート(50%),総合課題レポート(30%)を目安とする。

【テキスト・参考書】
教科書は指定しない。参考書籍は必要に応じて紹介する。
教材は,随時資料を配布(配信)する。教材は講義レジュメや要点ではなく,自主学習のための参考資料である。可能な限り加工を加えない「生」の情報を重視したいため嵩張るが,趣旨を理解のうえ十分に活用願いたい。

【その他】
・学生へのメッセージ
「目的」でも述べたが,本講義は自然科学系学芸員の視点から博物館における教育について語る。そのため事例が自然科学分野に偏るが,博物館教育の本質は分野にかかわらずユニバーサルなものである。
・オフィス・アワー
講師(山崎裕)への連絡は, 講義前日まで以下にお願いします。
〒981-1295宮城県名取市ゆりが丘4-10-1 尚絅学院大学子ども学科 山崎研究室
(E-Mail: y_yamazaki@shokei.ac.jp 電話:022-381-3498)

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