人間の「性」と現代の法(人間を考える)
 Contemporary issues in gender, sexuality and law (Humankind)
 担当教員:池田 弘乃(IKEDA Hirono)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科総合法律コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
人間の「性」に関わる社会的な論点について、特に法との関わりに焦点をあてて検討し、ジェンダー、セクシュアリティと法との関りについて基礎的な知識を得ることを目的とする。また、法が性に関わる差別や平等にどのように関わっているかについて理解を深めることを目的とする。

【授業の到達目標】
1、ジェンダーという概念について理解すること
2、人間の「性」に関連する現代社会の課題について理解すること
3、法が差別や平等にどのように関わっているかを理解すること

【授業概要(キーワード)】
ジェンダー、セクシュアリティ、LGBTQ、SOGI、差別と平等、男女共同参画

【科目の位置付け】
この授業は人間の性と現代の法の関わりを考察することを通じて、健全な批判精神に裏打ちされた幅広い知識を習得するものである。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
05.ジェンダー平等を実現しよう

【授業計画】
・授業の方法
前半はテキストを精読する。後半は、受講生との協議によって選定した幾つかのトピックについてグループワークや調査発表を組み合わせて進んでいく。対面授業が実施できない等の事情によりグループワークが困難な場合は、各自の調査発表に変更する可能性がある。
・日程
1、イントロダクション(授業の進め方について、ジェンダーとは、セクシュアリティとは)

2、J.S.ミル『女性の解放』(The Subjection of Women, 1869)について

3、各トピック毎にグループワークと教員からの補足を組み合わせて進行する。
・差別と性
・暴力と性
・性自認と現代法
・性的指向と現代法
etc.
取り上げるトピックは受講生と協議の上選定する。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義内容をノートにまとめ、課題に対して事実をもとに想像力を働かせながら考えをまとめる。グループワークに実質的に参画し、自他のプライバシーに配慮しながら積極的に意見交換を行う。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
準備学修に必要な学修時間については大学生として各自自律的に判断されたし。授業時間外学習にあたっては、参考文献に積極的に挑戦し、理解の深化につとめること。また、グループワークのために、図書館やインターネットを通じて情報収集と調査につとめること。

【成績の評価】
・基準
1、ジェンダーという概念について的確に理解しているか。
2、人間の「性」に関連して現代社会が抱える課題を的確に説明できるか。
3、法が差別や平等に対してどのような役割を果たしているか説明できるか。
・方法
コメントの提出 40%
グループワークへの積極的参加 20%
グループワークの成果物 40%
(対面授業が困難になり、グループワークを十分実質的に行うことができない場合は、レポート等の代替措置を講じる予定である)

【テキスト・参考書】
テキスト:J.S.ミル『女性の解放』(1957年、大内兵衛・大内節子訳、岩波文庫、720円+税)。少なくとも第2回目までには必ず入手の上、持参すること。

参考書:谷口洋幸他編『セクシュアリティと法』(2017年、法律文化社)、加藤秀一『はじめてのジェンダー論』(2017年、有斐閣)、(1957年、岩波文庫)、筒井淳也『仕事と家族』(2015年、中公新書)等。
この他適宜授業中に紹介する。

【その他】
・学生へのメッセージ
有益に意見交換したり、自己の立場を相対化したりするためには、古今のすぐれた文献を読むことが不可欠です。その作業を伴わない「アクティブさ」は非常に恐ろしいものです。
・オフィス・アワー
火曜日 10:30~12:00、人文2号館3階池田(弘)研究室
連絡先は、初回の授業でお知らせします。

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