なぜヒトは共生を考えるのか?(共生を考える)
 Why do humans consider the meaning of symbiosis? (Living with Diversity)
 担当教員:玉手英利(TAMATE Hidetoshi), 泡渕栄人(AWABUCHI Hidehito), 横山 潤(YOKOYAMA Jun)
 担当教員の所属:法人本部、理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):講義の一部で、行政機関での実務経験のある教員が、その経験を活かして人間社会における共生・協力に関する講義・グループワークを行う。
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
現代社会をともに生きるために必要となる多様なものの見方を自ら作り上げる力を養うために、自己とは利害を異にする他者との「共生」が生じる仕組みのもとになる「協力行動」に関する考え方を身につけることを目的とします。

【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は、
1)自然界と人間社会における「共生」の具体的事例を述べることができる。
2)「共生」と「協力行動」がなぜ生じるのかを自然科学の視点から説明できる。
3)「共生」と「協力行動」に関する科学論文を文献データベースで検索することができる。
4)「共生」の必要性の有無について討議することができる。

【授業概要(キーワード)】
学生主体型授業、 協力行動、進化生物学、ただ乗り行為者

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は、共生に関する多様な視点を学ぶことで、学位授与方針に掲げる豊かな人間性および社会性と基盤共通教育基本方針に掲げる「多文化共生」を実現するために必要となる知識と態度を、身につけるものです。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
05.ジェンダー平等を実現しよう
10.人や国の不平等をなくそう
12.つくる責任つかう責任
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
1)初めに共生を理解するための基礎知識として進化生物学の理論と事例を学びます。
2)グループワークでさらに書籍や学術論文などを調べて、共生と協力行動の具体的事例をまとめてプレゼンテーションを作成し、口頭で発表します。
3)プレゼンテーションについては、聴講者による相互評価を行います。
4)グループワークについては、グループメンバーによる相互評価を行います。
5)相互評価の結果について考察することで、共生に関する自分の知識・理解、技能、態度・習慣の向上を図ります。
・日程
主要なテーマと順序は次のとおりです。
第1回目 講義のすすめ方とガイダンス
第2回目 信頼できる情報の集め方:学術情報サービスの使い方 ☆
第3回目 グループワークA1:自分が調べた結果の発表と討論
第4回目 グループワークA2:調査結果のまとめ
第5回目 グループワークA3:調査結果の発表
第6回目 協力行動はなぜ生じるのか:ダーウィンが考えた謎
第7回目 協力行動はなぜ生じるのか:ハミルトンが考えた説明
第8回目 協力行動はなぜ生じるのか:友達の数は何人?
第9回目 社会での「共生」「協力行動」:経験も価値観も異なる人たちとどう向き合うか①
第10回目 社会での「共生」「協力行動」:経験も価値観も異なる人たちとどう向き合うか②
第11回目 社会での「共生」「協力行動」:グループワークと発表
第12回目 生物学的な「共生」:さまざまな共生
第13回目 生物学的な「共生」:共生と搾取の間
第14回目 生物学的な「共生」:グループワークと発表
第15回目 ヒトはなぜ共生を考えるのか?:集団討論とまとめ
休講などにより補講を行う場合があります。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)パワーポイントで示される講義内容をノートに書いて内容の理解に努める。
2)参考資料の要点を整理して数行の文章にまとめる。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)予習では、毎回の授業で宿題として課す課題についてレポート用紙1枚にまとめてください。レポートは翌週に提出してください。自主的な学習時間の目安は、1回あたり2時間です。
2)復習では授業で学んだ事項について図書館やインターネットを利用して、さらに情報を集めて、自分の考えをまとめてください。自主的な学習時間の目安は、1回あたり2時間です。

【成績の評価】
・基準
到達目標1)については、具体的事例を挙げて説明できることを合格の基準とします。
到達目標2)については、関連する理論について説明できることを合格の基準とします。
到達目標3)については、作成するレポートで調べた情報を記述できることを合格の基準とします。
到達目標4)については、根拠を示して自分の考えを記述できることを合格の基準とします。
・方法
1)毎回実施する小テストの評点 65%
2)グループワークの評点 20%
3)レポートの評点 15%

【テキスト・参考書】
参考書として
1)生態学入門第2版 生態学会編 東京化学同人 自然界での個体間相互作用(共生もその一部となる)に関する基礎的知識を学ぶための参考となります。
2)進化と人間行動 長谷川寿一・長谷川真理子著 東京大学出版会 人間の協力行動の進化的意義を学ぶための参考となります。

【その他】
・学生へのメッセージ
グループワークが中心の授業です。グループワークでの「ただ乗り行為」を無くすために協力行動の相互評価を行うので、積極的な参加姿勢を求めます。毎回、小テストを行うので、予習と復習を欠かさず行ってください。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」の場所や時間は初回授業で周知します。会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします。

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