【授業の目的】
経済成長と環境保護が両立しないと考えられてきた。しかし、両立できなければ、持続的な社会を構築できない。そこで、本講義の目的は、経済学の視点から環境問題に対する政策を考える。具体的には、経済学の基本的な考え方を身に付けた後、環境問題に経済学の考え方を応用します。
【授業の到達目標】
経済学の基礎的な考え方を理解し、説明できるようになる。 環境問題を経済学的に捉えることができるようになる。 経済学の視点から必要とされる環境政策を理解・提案できるようになる。
【授業概要(キーワード)】
ミクロ経済学、環境政策、環境税、排出量取引、直接規制、市場メカニズム
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:76~100% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
この授業は、環境問題全般を経済学の視点から理論的に考察することによって、学問の実践に必要な基本的能力と健全な批判精神に裏打ちされた幅 広い知識の習得に資するものである。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう 11.住み続けられるまちづくりを 12.つくる責任つかう責任 13.気候変動に具体的な対策を 14.海の豊かさを守ろう 15.陸の豊かさも守ろう
【授業計画】
・授業の方法
テキストに基づいた講義を実施する。その際、パワーポイントで作成した資料をもとに進める。また、内容の理解度を深めるために、小テストを定期的に実施する。小テストを実施した次の講義では、小テストの解説を行い理解度を深める。
・日程
第1回 ガイダンス(環境問題を経済学的に考えるとは?) 第2回 経済学の基礎的な考え方を学ぶ①(需要) 第3回 経済学の基礎的な考え方を学ぶ②(供給) 第4回 経済学の基礎的な考え方を学ぶ③(市場とは) 第5回 経済学の基礎的な考え方を学ぶ④(市場はなぜいいのか) 第6回 経済学の基礎的な考え方を学ぶ⑤(3段階アプローチ) 第7回 経済学の基礎的な考え方を学ぶ⑥(市場は失敗するのか) 第8回 環境問題を経済学の視点で捉える①(外部性) 第9回 環境問題を経済学の視点で捉える②(公共財) 第10回 環境問題に対する対策①(直接規制による解決) 第11回 環境問題に対する対策②(税金・補助金による解決) 第12回 環境問題に対する対策③(交渉による解決) 第13回 環境問題に対する対策④(排出許可書による解決) 第14回 地球温暖化問題~経済学の視点~ 第15回 まとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義を中心に授業を進めるが、授業を聴くだけではなく、問題点や制度的な疑問点に注意しながら授業にのぞんでください。また、積極的に発言などを行い、授業に参加してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業前までには、指定されたテキスト・プリントを事前に読み、疑問点・問題点を見つけて授業にのぞんでください。また、授業の後半で扱う内容を事前に新聞などで情報を集めてください。授業中は、配布物を参照しながら、ノートを作成してください。毎回、コメントシートを配布しますので、授業中に質問できなかったことなどを記してください。授業を受けた後は、授業内で実施した小テストの問題を再度解いてください。また、解答が間違っていた場合、授業で解説された内容を見ながら問題を正しく解けるようにしてください。さらに、授業で取り扱う環境問題に対して必要となる環境政策について考えてください。
【成績の評価】
・基準
小テスト、期末試験を実施し、知識、文章表現力、学習意欲のそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて判定します。
・方法
期末試験(60%)、小テスト(30%)、学習意欲(10%)
【テキスト・参考書】
テキスト:日引聡・有村俊秀『入門 環境経済学』中公新書、2002年 780円+税
【その他】
・学生へのメッセージ
難しい数式を使わず、図表を中心に説明する予定である。より高い学習効果のため、事前(または同時)に入門的な経済学を履修することが望ましい。
・オフィス・アワー
火曜日 13時-14時30分 杉野研究室 その他時間については、メールにてアポを事前に取ってください。
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