【授業の目的】
日本人の季節観や美意識は、古今和歌集の和歌表現から形成された部分が大きい。その古今和歌集を丁寧に読み進め、日本文化の伝統的な視点や言語遊戯について考察していく。
【授業の到達目標】
・古今和歌集の表現技巧や歌言葉についての理解を深めることができる。 ・古今和歌集の特徴を理解し、和歌の知識を深めることができる。 ・日本人の美意識の一部を理解し、身につけることができる。
【授業概要(キーワード)】
古今和歌集 古今歌風 平安和歌 和歌修辞 紀貫之 凡河内躬恒 紀友則 壬生忠岑 伊勢 読み人知らず 仮名序 六歌仙 季節観 人生観 無常観
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25% B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、日本文学や日本文化について様々な視点から考察することで、完全な批判精神に裏打ちされた幅広い知識を習得するものである。
【授業計画】
・授業の方法
ほぼ講義形式とします。毎回『古今和歌集』の和歌を読み進めます。ただし、ほぼ毎回、学生の質問や意見、感想を提出してもらい、その中から全員に考えてほしい問題を採り上げて、考えを深めていこうと思います。
・日程
第1回 ガイダンス 授業の進め方と『古今集』入門(万葉から古今へ)。 第2回 古今集の成立と時代区分、古今歌風について 第3回 古今集仮名序を読む(1) 第4回 古今集仮名序を読む(2) 第5回 古今集の修辞と美意識 第6回 読み人知らずの和歌 第7回 六歌仙の和歌(1) 第8回 六歌仙の和歌(2) 第9回 短歌創作と添削 第10回 撰者時代の和歌(1) 第11回 撰者時代の和歌(2) 第12回 撰者時代の和歌(3) 第13回 撰者時代の和歌(4) 第14回 撰者時代の時代背景 第15回 古今集のまとめと古今集以降の和歌文学
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
各回の授業において、予習をすることは当然ですが、課題に沿ってレポートをまとめてもらいます。そのレポートの内容によって、次の授業に反映させることがありますので、しっかりと取り組んでください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
ほぼ毎回、次の時間で行う活動について予告しますので、指定された箇所をしっかりと読んでから受講してください。なお、実際に短歌を創作して、古代人との感覚の違いを実感してもらいます。
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した古今和歌集の表現技巧や歌言葉、また古今和歌集の特徴を理解しているか、さらに日本人の美意識や人生観について考察できているかが観点となります。
・方法
毎回提出の用紙(5点×14)期末レポート(30点)
【テキスト・参考書】
テキスト:『古今和歌集』(ちくま学芸文庫・小町谷照彦訳注) 参考書:『古今和歌集全評釈(上・中・下)』(講談社・片桐洋一著・1998刊)など、注釈書・研究書は多いので、授業時にも紹介する。
【その他】
・学生へのメッセージ
古典文学は、文法事項と現代語訳で終始した経験が多いことと思う。実は一つ一つの作品がそれぞれいろいろな魅力を持っている。自分で触れて読解して、初めて見えてくるものが多いはずなので、まずは触れることから始めてほしい。。
・オフィス・アワー
オフィスアワーは水曜10:30~12:00ですが、火曜の午前も一応空けています。地教2号館5階540研究室です。
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