【授業の目的】
巨大な「神殿」と呼ばれる建築は、なぜ、どのようにして出現したのか?神官や王といった権力者は、神殿とどのように関わったのか?この授業では、アンデスを例にとり、他地域(特に西アジア)と比較考察することで、神殿が文明の形成に対して果たしたユニークな役割を考察する。また、古代文明の神殿という文化遺産が、現代社会とどのように関わるかという問題に関しても権力をキーワードとして考察を深める。神殿と権力をキーワードとして過去と現代社会を分析することで、人間社会を多様性と普遍性の両面から理解する力を養う。
【授業の到達目標】
アンデス考古学の基礎を学ぶことを通じて、人類学と考古学の基礎的な考え方を身に着けることができる。異なる文明を比較する視座を獲得し、人間社会を多様性と普遍性の両面から考えることができるようになる。
【授業概要(キーワード)】
古代文明、神殿、権力、考古学、人類学、文化遺産、学生主体型授業
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、様々な過去の社会を考察することで人間社会の多様性について学習し、他者(あるいは他者を通じて自己)を理解するための視点や手がかりを習得するものである。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう 12.つくる責任つかう責任
【授業計画】
・授業の方法
パワーポイントを用いた講義によって概略を理解したのち、それぞれのテーマについてのグループごとにディスカッションを行い、発表をしてもらいます。
・日程
全15回の授業で以下の内容を扱う。 グループディスカッションなどを行うため、1つのテーマにつき複数回の授業を実施する。
1.ガイダンス 2.古代文明とはなにか アンデスと西アジア 3.神殿と権力 4.西アジアにおける神殿の出現:新石器時代の神殿 5.アンデスにおける神殿の発生 6.神殿における儀礼行為 7.古代文明と現代社会 8.まとめ:人間社会とモニュメント
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
漠然と講義を受けるだけでなく、常に因果関係を理解することを心がけてください。各テーマで行うグループディスカッションとその後の全体での質疑応答には積極的に参加してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
配布するプリントを復習すると同時に、参考書の対応する章を読むことをお勧めします。毎回、次週で扱う範囲を指定しますので、読んでおくと理解が深まるでしょう。
【成績の評価】
・基準
アンデス考古学の基礎を理解できているかどうか、比較の視座の重要性を理解しているかどうか、授業後の小レポート、期末レポートによって判断します。
・方法
各回のディスカッションに基づく小レポート(合計50%)、及び期末レポート(50%)で評価します。授業への積極的な参加によって加点することがあります。
【テキスト・参考書】
参考書 関雄二 編 2015『古代文明アンデスと西アジア 神殿と権力の生成』朝日選書 大貫 良夫, 加藤 泰建, 関 雄二 編『古代アンデス 神殿から始まる文明』朝日選書 関雄二 2006 『古代アンデス権力の考古学』京都大学学術出版会 加藤泰建・関雄二 編 1998『文明の創造力―古代アンデスの神殿と社会』角川書店
【その他】
・学生へのメッセージ
文明の成り立ち、異なる文明の比較という大きな話から、現代社会における文化遺産の問題まで、マクロな視点とミクロな視点の両方から考察します。我々が古代文明を学ぶ意味を一緒に考えてみましょう。
・オフィス・アワー
水曜日12:50~14:30 人文2号館4階 松本雄一研究室 オフィス・アワー以外の時間帯での面談を希望する場合はメールで連絡してください。
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