あなたの知らない大学(人間を考える)
 The Secret of "Daigaku" (Humankind)
 担当教員:橋爪 孝夫(HASHIZUME Takao)
 担当教員の所属:教育企画部
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
「大学」について、あなたはどのくらいのことを知っていますか? 例えば世界最古の大学は一般にボローニャ大学だと言われていますが、ではこのボローニャ大学は何処にあり、いつ頃、どのようにして誕生したのでしょうか。そしてこの誕生当時の大学と現在私たちの目の前にある山形大学とは同じ「大学」と言えるのでしょうか。
大学はそれぞれの国、地域ごとの歴史に応じて誕生も在り方も果たしている役割も様々です。この授業は、大学を歴史資料に基づいて概観し、世界の大学についての理解を深める中で人と「知」の関わりについて考え、一人一人が自分なりの大学観を確立して行くことを目的としています。

【授業の到達目標】
(1)世界の大学について歴史学的興味を持ち、それぞれの歴史や構造についての基礎的知識を理解することができる。【知識・理解】
(2)史資料を根拠として自分なりの「大学観」を確立し、これからの大学のあり方について自分の考えを持ち発表したり文章に記述して他者に伝えることができる。【技能】
(3)あるテーマに対しグループ協働により課題を発見し、調査と議論を通じて課題を探求し理解を深め、結論を見出し共有していこうとすることができる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
学生主体型授業(アクティブラーニング),教育史,大学史,世界の大学の歴史,国際性,歴史観

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は基盤共通教育基幹科目「人間を考える」の一つとして、歴史学的手法に拠り健全な批判精神に裏打ちされた知的教養的態度と公共精神の養成を目指すものです。その課程で人類の知的営為について来し方行く末を見つめ直し、自らの将来像を描くための参考となるべく実施するものです。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
この授業はオンデマンド授業で実施する。
1)史資料に基づきグループ協働での課題発見・探究型学習を行い大学史の中のいくつかのトピックについて基礎的知識を養う。その成果をクラス内発表で共有する。
2)教員の講義により基礎的知識を補完するとともに省察によって課題探求を行い理解を深める。
3)トピックごとのミニレポートにより、史資料に基づいて自らの考えを論として記述する。
4)以上のような学びを複数回繰り返し、講義全体を通して人と知の関係について「大学」を軸として自分なりに論理立てて語る訓練をする。
・日程
第1回 ガイダンス 歴史について
第2-3回 学生発表・山形大学
第4回 講義:現代日本の大学
第5回 講義:古代の大学(?)
第6-7回 学生発表・中世ヨーロッパの大学
第8回 講義:中世ヨーロッパの大学
第9-10回 学生発表・近代の大学
第11回 講義:中世ヨーロッパの大学
第12-13回 学生発表・近代の大学
第13回 講義:近代の大学
第14回 期末試験
第15回 振り返り(以上は予定。授業の進捗、特に発表への習熟度に応じて変化)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
「大学」について自分なりのテーマを持って常に考え、課題を発見出来るよう心がけることが大切です。
授業で触れた新しい知識や自分とは異なる考え方についてメモを取り、自分の学びに生かすようにしましょう。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
資料を読む中で、或いは講義やグループ発表を聞く中で疑問に思ったことがあればチャンスです。そのままにしておくのではなく、図書館の史資料を活用し自分なりの答を見つけ、レポート作成や自らの大学論形成に生かすようにしましょう。
日頃から新聞等の現在の大学に関連する記事に目を通し、自分なりの観点・問題意識を養っておくと意見をまとめる際に役に立ちます。
様々な機会に家族や友人、その他の他者と「大学」について語り、他者の論を知ることで自らの論を深めることにつながります。

【成績の評価】
・基準
「講義内容を史資料に基づいて理解し、自らの言葉で理論立てて記述出来ること」が合格の基準となります。
・方法
1.毎回の課題により授業への自主的・主体的参加度を評価(20点)
2.複数回のミニレポート(30点)
3.期末試験(50点)

【テキスト・参考書】
大学の歴史は扱っている範囲が広く長いため、特定のテキスト一冊で済ませることは出来ません。百科事典などで良いので、信頼度の高い出版されている資料を複数参照できるよう環境を整えて下さい。
授業内でも入手しやすい資料を紹介します。

【その他】
・学生へのメッセージ
世の中の様々な物事を「当たり前」として思考停止せず「根本的批判」を行う訓練をしてみましょう。本講義では「歴史」という視覚からこの「当たり前」を問う機会を提供します。「当たり前」のことに自分なりの引っ掛かりを持ち、問い続ける精神を鍛えましょう。それは皆さんの今後の人生を豊かにするかもしれません。
・オフィス・アワー
新型コロナウィルスの影響に鑑み、直接対話する形のオフィスアワーは設けません。WebClassのメッセージ機能を用いて連絡してください。

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