移動現象特論
 Transport Phenomena
 担当教員:宍戸 昌広(SHISHIDO Masahiro)
門叶 秀樹(TOKANAI Hideki)
 担当教員の所属:大学院理工学研究科(工学系)
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):講義の一部は,石油精製販売企業の運転部門および運転管理部門で勤務経験がある教員が担当する。その教員は,運転部門では流体輸送・熱移動を伴う各種装置の運転を,また運転管理部門ではプラントの工程管理や最適運転条件の検討などを経験した。その経験を活かして,「流動」「伝熱」に関する基礎事項と各種計算法を講義する。
 開講学年:1年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
 流れがあると運動量の移動が,温度差があると熱の移動が,そして濃度差があると物質の移動が発生する。これら3つの物理量の移動は「流動」「伝熱」「物質移動」とも言われ,総じて「移動現象」と称される重要な学問分野の一つである。この講義では,移動現象を記述する方程式を導出し,その解法を説明する。また,これらの方程式を数値的に解く方法を説明する。

【授業の到達目標】
この講義では移動現象の基礎としての「流動」「伝熱」「物質移動」を講義する。到達目標は以下の通りである。
・運動量移動・熱移動・物質移動が説明できる。
・単純な系において、各種基礎方程式の導出と解法ができるようになる。


【授業概要(キーワード)】
運動量移動,熱移動,物質移動

【科目の位置付け】
主に化学・バイオ工学専攻の学習・教育目標の第一項にあたる。

【授業計画】
・授業の方法
基本的に講義を行い,講義終了時に演習課題を,数回に一回の割合で宿題を課す。前半に運動量移動と熱移動の基礎を学び,後半に熱移動と物質移動を学ぶ。
・日程
学部2,3年次に履修した「移動現象Ⅰ~Ⅲ」をベースとして発展を解説し,実際のプロセスでの移動現象の取り扱いについて説明する。
第1回:運動量移動,熱移動,物質移動の基礎 (担当:門叶)
第2回:流体の粘性 (担当:門叶)
第3回:移動現象と無次元数(プラントル数・シュミット数・ルイス数) (担当:門叶)
第4回:移動現象と無次元数(レイノルズ数・ペクレ数・ヌセルト数など)(担当:門叶)
第5回:運動量方程式 (担当:門叶)
第6回:熱移動の基礎 (担当:門叶)
第7回:熱伝導方程式 (担当:門叶)
第8回:境界層論 (担当:宍戸)
第9回:エネルギー方程式 (担当:宍戸)
第10回:アナロジー(摩擦係数と熱伝達係数) (担当:宍戸)
第11回:物質移動の基礎 (担当:宍戸)
第12回:濃度境界層と拡散係数 (担当:宍戸)
第13回:物質移動係数と物質輸送方程式 (担当:宍戸)
第14回:物質輸送方程式 (担当:宍戸)
第15回:演習とまとめ (担当:宍戸,門叶)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
私語、飲食、携帯電話,途中での教室への出入り,そのほか、他の受講生の迷惑となる行為は厳に慎むように。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
予習はすることが望ましいが,なかなか難しいかも知れない。むしろ,復習することを推奨する。その際に演習問題に取り組むことを強く推奨する。

【成績の評価】
・基準
運動量移動,熱移動,物質移動を理解でき,簡単な現象の基礎方程式を導出できること。また,それら基礎方程式に関して,簡単な系では解析解を,それ以外は数値解を得ることができること。
・方法
期間中に4回の課題を課して,それを提出してもらい,その結果から評価する。一回分が25点
で合計60点以上が合格とする。ただし,一回でも未提出があった場合には不合格。

【テキスト・参考書】
吉川史郎著 「ベーシック移動現象論」化学同人
杉山,佐野,永橋,加藤共著「はじめて学ぶ移動現象論」森北出版
その他,タイトルに「移動現象」とある参考書全て

【その他】
・学生へのメッセージ
勉強すること。とにかく,分かり辛い分野なので,参考書を何度も何度も読んで,イメージを作ること。
・オフィス・アワー
学生が部屋に来てくれて,教員が在室して,急ぎの用事がないの三条件が揃ったすべての時間

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