樹木生理生態学特別演習(1年前期)
 Technical Seminar on Tree Physiolog(1st year summer semester)
 担当教員:森 茂太(MORI Shigeta)
 担当教員の所属:農学部
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):あおいもり森林組合組合員として森林所有し
植栽、育林を行ってきた。
 開講学年:1年,2年  開講学期:前期  単位数:1単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
樹木個体生理学、メタボリックエコロジーの意義を概説して、受講者の大学院研究に活かす。トップジャーナルの掲載された最新研究の意義なども紹介する予定です。

【授業の到達目標】
個体は生物界をミクロからマクロスケールにつなげる単位です。樹木個体は個体を単位に環境適応して子孫を残します。この点では個体は進化の単位であり、ミクロとマクロの双方を見渡す重要な研究対象です。しかし、森林には常に時間空間的な不均一環境があり、個体は柔軟に適応しています。こうした樹木の適応現象を個体を単位に理解することで森林全体の構造と機能を理解するのが目標です。また、個体生物学は社会科学などへも応用できる適応範囲の広い研究分野です。受講生の研究に個体の概念を生かせることも目標とします。 区分【知識・理解、技能、態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
個体生理学、メタボリックスケーリング、個体間差、進化、表現型可塑性、時間空間的不均一性、スケーリング、ネットワーク、多様性、持続性、生産性

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
専門演習をさらに深るために、幅の広い視点を持つことが狙いです。CP:(1)-(6), DP:(1)-(6)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
13.気候変動に具体的な対策を
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
各人のテーマを支援しつつ、講義、レビュー、野外観察などを行う予定です。 アクティブラーニングを十分に取り入れる。 アクティブラーニングを十分に取り入れる。
・日程
対面授業

以下の15回を予定しています。

1.はじめに
2.生物学の階層構造における個体の意義
3.進化における個体
4.地球環境変動と個体間差、個体の表現型可塑性
5.時間空間的な不均一環境
6.サンプリングの方法と問題点
7.森林生態系の時間的不均一環境
8.森林生態系の空間的不均一環境
9.森林生態系の持続性
10.森林生態系の多様性
11.メタボリックエコロジーから見た森林生態系
12.樹木の生長生理とメタボリックエコロジーの課題
13.自己組織化と進化
14.集団遺伝学とシステムバイオロジー個体生理と物理化学制御
15.まとめと討論

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
自由に楽しくレビューをします。特に他受講生とともに楽しく議論することが大切です。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
努力も大切ですが、これだけでは本当の成功にたどり着くには不十分です。自分なりの工夫が必要です。なによりも「遊び心」を忘れてはなりません。

【成績の評価】
・基準
自分なりの工夫を他受講生と共有できたかを評価します。平常点とレポートなどによる評価を行います。
・方法
平常点と口頭試問で評価します。授業の目標で示した【知識・理解、技能】の運用ができているかを合格の基準とします。

【テキスト・参考書】
(購入の必要はありません。)
「Metabolic Ecology」 海外の大学で広く使われている最新の教科書、担当教員の研究成果も紹介されています。生き物たちは3/4が好き」化学同人、「持続不可能性」文一総合出版

【その他】
・学生へのメッセージ
賢くなるより、バカになることも大切であり、実は難しいことを知って欲しい。本当のサイエンスは常に「遊び心」から生まれてきたことを知ってください。
・オフィス・アワー
いつでも気軽に研究室に「遊び」に来てください。研究、就職いろんな話をしましょう。

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