生物学特別講義D
 Special Lecture of Biology D
 担当教員:伊川 正人(IKAWA Masahito),越智 陽城(OCHI Haruki),渡邉 明彦(WATANABE Akihiko)
 担当教員の所属:理学部非常勤講師,医学部,理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
生命科学の諸分野では、遺伝子ノックアウトマウスの作成やRNA干渉、PCRなど画期的な実験手法の開発が研究にパラダイムシフトを呼び起こすことがある。昨年ノーベル賞医学生理学賞の受賞対象となったゲノム編集はそのような手法の一つで、様々な分野の研究において新しく大きな推進力となっている。本講義ではゲノム編集を中心として、受精・配偶子形成から生殖医療や家畜生産までを内包する生殖生物学を取り上げて、最新の研究の知識を学習することを目的とする。

【授業の到達目標】
ゲノム編集の手法を説明できる。( 深化した専門的知識・技能と文理兼修による幅広い視野)
ゲノム編集が配偶子形成と受精の研究にどのような変化をもたらしたかを説明できる。( 深化した専門的知識・技能と文理兼修による幅広い視野)
ゲノム編集がゲノム機能の研究にどのような変化をもたらしたかを説明できる。( 深化した専門的知識・技能と文理兼修による幅広い視野)

【授業概要(キーワード)】
ゲノム編集,配偶子形成,受精,ゲノム機能,学生主体型授業

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
生物学において、生命科学研究の最新知識を習得する。(理工学研究科カリキュラム・ポリシー1ー(1))。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
この授業は、生命科学において、受精・配偶子形成とゲノム進化に関する最新の知見と研究手法を解説する講義である。
・日程
1.発生工学:トランスジェニックマウスの作製と応用
2.発生工学:ES細胞を用いたノックアウトマウスの作製と応用
3.発生工学:ウイルスベクターの利用
4.発生工学:ゲノム編集マウスの作製
5.生殖生物学:哺乳類受精研究の歴史
6.生殖生物学:遺伝子改変マウスを用いた精子形成研究
7.生殖生物学:遺伝子改変マウスを用いた精子機能研究
8.生殖生物学:遺伝子改変マウスを用いた受精研究
9. ゲノム機能学: ゲノムの構造と機能 1
10. ゲノム機能学: ゲノムの構造と機能 2
11. ゲノム機能学: 遺伝子機能を研究する方法の発展
12. ゲノム機能学: ゲノム編集を使って遺伝子の機能を知る
13. ゲノム機能学: ゲノム機能を研究するためのゲノム編集技術 1
14. ゲノム機能学: ゲノム機能を研究するためのゲノム編集技術 2
15. ゲノム機能学: まとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業は3回の集中講義で行います。1回目の授業で資料を配布するので、2回目以降は資料を元に準備学習(30分程度)を推奨します。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
学習内容は最新の研究内容を含んでいるため、受講に際して授業内容を資料などにメモし、授業後にノートにまとめ、疑問などについては次回の授業、あるいはオフィスタイムを利用して確認してください。授業時間外学習の目安は1テーマにつき約120分です。

【成績の評価】
・基準
ゲノム編集の方法、研究に及ぼした影響をそれぞれ適切に記載することができることを評価します。
・方法
レポート80点、受講への対応20点

【テキスト・参考書】
参考書:細胞の分子生物学第6版 NEWTON PRESS社
参考書:実験医学別冊 完全版 ゲノム編集実験スタンダード 山本 卓,佐久間哲史/編

【その他】
・学生へのメッセージ
本講義は、生殖生物学、ゲノム機能学の最新の研究に触れることができます。また、ノーベル賞の受賞を契機として、ゲノム編集の有用性を学ぶチャンスです。臆せず、むしろチャレンジ精神を持って受講してください。きっと新しい発見があります。
・オフィス・アワー
木曜日16:30-17:00 渡邉研究室(理学部2号館3階316室)
連絡先は初回の授業でお知らせします。

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