英語学特別演習
 Special Seminar on English Linguistics
 担当教員:富澤 直人(TOMIZAWA Naoto)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科グローバル・スタディーズコース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:演習
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
英語統語論の研究で意義深い論文を読み、人間の言語能力の解明を目的とする研究の流れの中での意義を、アイディア・着眼点・研究の転換等の観点から学ぶ。

【授業の到達目標】
英語統語論の研究で意義深い良質な論文(7編)を順次読み、論文を読む力、内容をまとめる力、意義を研究史上に位置付ける力を高めることによって、自ら問題を設定できる能力を身に付ける。

【授業概要(キーワード)】
英文法、統語論、意味論、生成文法

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:51~75%

【科目の位置付け】
本科目は社会文化システムコースの科目です。本科目と社会文化システムコースのカリキュラムポリシー、ディプロマポリシーとの関係については
履修の手引きを参照してください。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
 英語統語論の研究の流れで意義深い論文として、構造依存性、述部内主語仮説・受動化とA移動/外項化、空演算子構文のAバー移動、移動と再構築化現象との相互作用、例外的格付与構文とフェーズ概念等のトピックを扱った論文を輪読し、読む・要約する・評価する活動を行い、研究史上の位置づけと研究の流れを学ぶ。
・日程
 概ね下記の日程にしたがって進行する:
第1回:イントロ(授業概要:授業で取り上げる論文(7本)の概要紹介)
第2回:論文1の輪読と分析内容の確認(英文法の諸側面に見られる構造的依存性)
第3回:論文1の批判的評価と位置付けの議論
第4回:論文2の輪読と分析内容の確認(述部内主語仮説、A移動)
第5回:論文2の評価的評価と位置付けの議論
第6回:論文3の輪読と分析内容の確認(動詞的受身形と形容詞的受身形、A移動、外項化)
第7回:論文3の評価的評価と位置付けの議論
第8回:論文4の輪読と分析内容の確認(空演算子構文の派生、A’移動)
第9回:論文4の評価的評価と位置付けの議論
第10回:論文5の輪読と分析内容の確認(再構築化現象、項と非項、A移動とA’移動)
第11回:論文5の評価的評価と位置付けの議論
第12回:論文6の輪読と分析内容の確認(例外的格付与構文、目的語への移動、A移動)
第13回:論文6の評価的評価と位置付けの議論
第14回:論文7の輪読と分析内容の確認(例外的格付与構文、EPP、フェーズ)
第15回:論文7の評価的評価と位置付けの議論、まとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
 論文発表担当者は、担当論文の内容をまとめたハンドアウトを準備してレポートを行う。
 その他の受講者は、当該論文の内容について考察を行い評価を試みる。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
 当該の論文を事前に読み内容を把握するとともに、問題点や評価すべき(と思われる)点を整理する作業に十分な時間を充てる必要です。
 また、意図や論旨がはっきりしない点など理解できない箇所を明確にしておくことも大切です。

【成績の評価】
・基準
 授業で取り上げた論文内容に関連する分野の研究の流れを踏まえた上で、問題点を定義し、所定の分析手法でその問題点を解決する能力の程度を見る。
具体的には、「知識の修得」、「理解」、「汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)」、「授業への参加」の4項目に基づいて評価する。
・方法
 論文要旨の発表の内容(20点)、ディスカッションの内容(20点)、学期末レポート(60点)による。
 なお、出席が10回以下の場合、60点未満の成績となる。

【テキスト・参考書】
 輪読用の論文は事前に配付する。
 参考資料:
・Liliane Haegeman (1991) Introduction to Government and Binding Theory, Blackwell.
・Liliane Haegeman and Jacuqeline Gueron (1998) English Grammar: A Generative Perspective, Blackwell.
・Andrew Radford (2016) Analysing English Sentences, 2nd edition, Cambridge University Press.
・Randolph Quirk, Sidney Greenbaum, Geoffrey Leech, and Jan Svartvik (1985) A comprehensive grammar of the English language, Longman.
・原口庄輔・中村捷・金子義明(編)(2016)『増補版チョムスキー理論辞典』研究社.

【その他】
・学生へのメッセージ
 優れた論文を読むことによって、オリジナリティ溢れる知的分析の醍醐味に触れ、その刺激を自身の研究活動に活かしてください。
・オフィス・アワー
 年間を通して、火曜日16:20-17:50@富澤研究室(人文社会科学部1号館4階)

15011110-2021-26-15111