物質循環科学Ⅰ
 Earth Material Cycles I
 担当教員:鈴木 利孝(SUZUKI Toshitaka)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):日本南極地域観測隊隊員の実務経験を活かし指導する。
 開講学年:2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:理学部理学科  科目区分:選択必修 
【授業の目的】
私たちが住む地球表層の環境は、大気-海洋-大地における物質とエネルギーの循環によってコントロールされています。地球環境の保全や将来予測のためには、過去や現在の地球上の物質循環像を定量的に描き出す必要があります。この講義では、1)地球物質循環の基礎知識、2)地球化学的視点による地球の構造と動態、3)大気・雪氷圏の物質循環・気候変動研究について学びます。

【授業の到達目標】
1)地球物質循環の基礎を理解し,説明できる。
2)地球化学的視点による地球の構造と動態を理解し,説明できる。
3)大気・雪氷圏の物質循環・気候変動研究につき理解し,説明できる

【授業概要(キーワード)】
物質循環、気候変動、アイスコア、エアロゾル、大気、海洋、氷床、南極、北極、アクティブラーニング

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
理学部の教育課程編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)のCP2、CP3、CP4、CP5、CP6に、学位授与方針(ディプロマポリシー)のDP3、DP7、DP8、DP9、DP11に対応する理学共通科目(分野横断)です。地球科学コースカリキュラムの「太陽系の形成と構造に関する基本的知識と発展的事項」、「大気・海洋系の運動と相互作用に関する基本的知識と発展的事項」、「地球年代学と地球化学に関する基本的知識と発展的事項」に関与します。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
17.パートナーシップで目標を達成しよう

【授業計画】
・授業の方法
地球の物質、地球の構造、物質循環、アイスコアサイエンス、気候変動等の話題を順次取り上げます。板書を中心にプリント、ビデオ、プレゼンテーションソフト等を併用して授業を進めます。
・日程
主要なテーマと順序は以下のとおりです。
1.授業ガイダンス
2.地球物質の創生Ⅰ(原子核、原子核反応等)
3.地球物質の創生Ⅱ(放射能、放射壊変等)
4.元素誕生の謎にせまる(元素合成のまとめと応用)
5.大地の構造と組成(元素存在度、平均地殻組成等)
6.海洋の構造と組成(深層循環、一次生産等)
7.深層海流二千年の大航海(大地・海洋のまとめと応用)
8.中間まとめと達成度評価(含中間試験)
9.大気の構造と組成(大気循環、温室効果等)
10.エアロゾルと地球環境(放射強制力、大気汚染等)
11.北極大変動(大気、放射強制力のまとめと応用)
12.南極から探る地球環境(アイスコア、気候変動等)
13.物質循環と環境シグナル(箱モデル、トレーサー等)
14.気候大異変ー異常気象 地球シミュレータの警告ー(気候変動のまとめと応用)
15.期末まとめと達成度評価(含期末試験)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
板書はもちろん、提示資料や口頭での説明もノートに筆記して内容の理解に努めましょう。授業中、いつ質問してもらっても構いません。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
プリントは授業で配布しますがテーマごとにWebClassに置いてあるので当該テーマの前に目をとおして予習に役立ててください。専門書、新聞、雑誌、ウェブ情報等を積極的に利用して授業で取り上げた内容に関連することを自分で調べてみてください。小テストや宿題を課すことがあります。復習には授業ノートを活用して下さい。

【成績の評価】
・基準
(1)地球物質循環の基礎知識を修得して説明できるようになること、(2)地球化学的視点による地球の構造と動態を理解して説明できるようになること、(3)大気・雪氷圏の物質循環・気候変動研究につき理解して説明できるできるようになることが合格の基準です。(1)~(3)の評価割合は全て同じです。
・方法
中間試験の得点を50点、期末試験の得点を50点とした100点満点で評価します。単位取得には中間試験、期末試験の両方を受験することが必要です。

【テキスト・参考書】
参考書:J.アンドリューズ他著、渡辺正訳、「地球環境化学入門」、シュプリンガーフェアラーク東京

【その他】
・学生へのメッセージ
気候変動、地球温暖化、大気汚染、氷期-間氷期サイクル等、地球表層の物質循環と環境メカニズムを理解するための勉強をします。 地球には人間が持つ時空間スケールでは意識しにくい様々な息遣いがあることを認識してもらえれば幸いです。
・オフィス・アワー
「オフィス・アワー」とは授業時間外に学生の質問に答えるために設定する日時のことです。金曜日3・4校時が好都合ですが、これに限らず在室している時はいつでも対応します。研究室は理学部4号館5階C503です。

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