【授業の目的】
電荷によって電場と磁束密度がどの様にできるのか、またその電場や磁束密度によって電荷がどの様な力を受けるのかをマックスウェル方程式とローレンツ力の式を通して統一的に理解する事が第一の目的である。第二の目的は線形回路の応答を理解する事である。そして第三の目的は物質の磁性がどの様な仕組みによって作られるのかを定性的に理解する事である。
【授業の到達目標】
1) オームの法則とジュールの法則を電子運動論を基礎にして説明できる。【知識・理解】 2) 磁束密度中を運動している電荷にかかるローレンツ力を計算できる。【知識・理解】 3) 定常電流により生成される磁束密度をアンペールの法則やビオ・サバールの法則を使って計算できる。【知識・理解】 4) ベクトルポテンシャルの概念を説明できる。【知識・理解】 5) 時間的に変動する電場が磁束密度を作り出し、時間的に変動する電場が磁束密度を作り出す事を理解し、定量的に計算できる。【知識・理解】 6) 抵抗、コンデンサ、コイルでできた線形回路の応答を計算できる。【知識・理解】 7) 分子電流と磁化の関係を説明できる。【知識・理解】 8) 電磁波に関して初歩的な事を理解し、真空での伝搬速度が光速であることを導ける。【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
ローレンツ力、ビオ・サバールの法則、マックスウェル方程式、学生主体型授業
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50% D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50% D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
選択したコースカリキュラムの専門的知識を身に付け、その分野の先端的な研究内容を理解し、説明できる能力を身に付けている。詳しくは理学部理学科ディプロマ・ポリシー参照。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
【授業計画】
・授業の方法
WebClassに掲載された問題を題材とし、その解き方を講義する。また適宜希望する学生には黒板の前で問題の解き方を講義してもらい、適宜教員がその解き方に関して質問を行う。
・日程
基本的には、電磁気学Iの進度に合わせて演習を行うが、主に行うテーマは以下の通りである。このテーマに沿って授業と演習を15回行う。 1. 電流 2. ローレンツ力 3. 電流と磁場の関係 4. ベクトルポテンシャル 5. 中間試験と解説 6. 電磁誘導 7. インダクタンス 8. 電気回路 9. 物質と磁場 10.マックスウェル方程式と電磁場 11.まとめと期末テスト
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業中に演習問題を解くので、その物理的意味をちゃんと吟味すること。予習の際に解けなかった問題があった場合には、なぜ自分は問題を解けなかったのかを確実に授業で理解する事。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
・事前に電磁気学の演習問題をWebClassに提示しておくので、授業前に必ず自分で解答を試みること。もし問題が解けなかった場合には、どの部分で自分はつまずいているのかを明確にすること。 ・授業後に解けなかった問題を自分で解答を見ないで解いてみること。 ・ビデオ学習教材があるため、この学習教材を授業前に見ておくと格段に理解度が高まる。 なお準備学習に必要な学習時間の目安は1週間で4時間程度です。
【成績の評価】
・基準
マクスウェル方程式をよく理解し、それをある程度使いこなし、電磁気学的現象を理解できていれば合格とする。
・方法
中間テスト(100点満点)、期末テスト(100点満点)、レポート(20点未満)、学生による授業中での演習問題の回答(20点未満)により、以下の基準に従って成績を決定する。 1)もし中間テストが期末テストよりも良い場合: 総合得点 = 中間テストの得点×0.3+期末テストの得点×0.7+レポートの得点+問題回答 もし総合得点が100点を超えた場合は、総合得点を100点とする 2)もし期末テストが中間テストよりも良い場合: 総合得点 = 期末テストの得点+レポートの得点+問題回答 もし総合得点が100点を超えた場合は、総合得点を100点とする
【テキスト・参考書】
授業で解く演習問題はWebClassに提示しておく。また教員が生協を通じて出版する電子書籍(電磁気学II)が基礎概念や問題を解く上で参考になる。
【その他】
・学生へのメッセージ
ある学問を修得するためには、自分で手を動かして問題を解くことは必要不可欠である。その意味で、まず自分で十分考えてから参考書等を見るようにして欲しい。また問題を解いた後、必ず問題の物理的な意味を十分吟味すること。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」は、郡司の居室(理学部3号館3階B302号室)かティーチングアシスタントの居室(理学部2号館1階107号室)において随時対応する。しかし会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は電子メールで事前にアポイントを取ること。なおメールアドレスは初回の授業で知らせる。
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