【授業の目的】
精神障害、精神科面接、精神科診断、治療について講義する。精神と行動の障害に対して児童・思春期から老年期のライフステージに応じた病態生理、診断、治療を理解し、良好な患者と医師の信頼関係に基づいた全人的医療を学ぶことを目的とする。
【授業の到達目標】
①精神障害に関する知識を修得するのみでなく、身体医学でも必要になる患者の心理、患者・医師関係について理解できる。 ②精神医学が人の心理と行動の異常を扱う「行動科学」の関連領域であることを理解できる。 ③正常な心理・行動と異常の違い、その機序について理解し説明できる。 ④国際的診断基準や世界的標準治療について学習し「国際社会への貢献」に向けた地盤を身につける。
【授業概要(キーワード)】
精神障害、精神科面接、精神科診断、治療
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
精神症状学、精神医学的な診断と治療について学ぶ。
<山形大学医学部医学科教育到達目標(コンピテンシー)の該当項目> 1.プロフェッショナリズム 2.医学知識と問題対応能力 3.診療技能と患者ケア 4.コミュニケーション能力 7.社会における医療の実践 8.科学的探究 9.生涯にわたって共に学ぶ姿勢 の内容を包含し、これらを充足することを目標とする。
<医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)の該当項目> C-5-1)人の行動 C-5-4)ストレス C-5-5)生涯発達 D-15-1)診断と検査の基本 D-15-2)症候 D-15-3)疾患・障害 の内容を包含し、これらを充足することを目標とする。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
【授業計画】
・授業の方法
スライド映写、資料配布、板書しながら、それぞれのテーマについて講義を行う。また提示した症例についてグループ内でディスカッションし、その内容を発表するケーススタディを行う。
・日程
統合失調症(鈴木昭仁) 児童・青年期精神障害(簡野宗明) アルコール関連障害・緩和ケア(小林良太) 認知症(小林良太・森岡大智・川勝忍) 気分障害(白田稔則) パーソナリティ障害(白田稔則) 心身症・摂食障害(高橋奈那) 器質性・症状性精神障害(森岡大智) 不安障害・解離性障害・身体表現性障害(網干岳) 統合失調感情障害・妄想性障害(大谷浩一) 睡眠障害(林博史) 臨床心理学(吉田夕佳) 精神保健福祉法・精神科リハビリテーション(荒井さつき)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業で習った内容に関連することを自ら図書館やインターネットで自分なりに調べて、理解を深める努力が不可欠である。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義項目について教科書に目を通し、自分なりに理解できる点・できない点を明確にしておく。理解が不十分なものを残したまま次の講義に臨まないようにする。
【成績の評価】
・基準
精神障害、精神科面接、精神科診断、治療の基本的な事項について適切に説明できることを合格の基準とする。
・方法
毎講義、出席をとる。 試験期間内に筆記試験を行う。試験成績が合格基準に満たない者に対しては再試験を1度だけ行い、学修態度を含め総合的に合否を決定する。
【テキスト・参考書】
大熊輝雄 「現代臨床精神医学」 改訂版第12版
【その他】
・学生へのメッセージ
能動的な態度で講義を受け、疑問に思った点については積極的に質問して欲しい。
・オフィス・アワー
<山形大学で教えていること> 分子精神医学、画像診断、精神病理について山形大学のデータを基にした最新の知見を講義に盛り込んでいる。
|