成人慢性期看護学実習
 Chronic Nursing Practice in Adult Patients
 担当教員:武田 洋子(TAKEDA Yoko)、 西村 結花(NISHIMURA Yuka)
 担当教員の所属:医学部看護学科
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):看護師として実務経験のある教員が、その経験を活かし、慢性疾患の患者を対象とした健康課題と看護実践について講義・実習を行う。
 開講学年:3年  開講学期:後期  単位数:3単位  開講形態:実習
 開講対象:看護学科  科目区分:臨地実習・必修 
【授業の目的】
この実習では,慢性疾患で入院治療中の患者を受け持ち,患者の健康問題を解決する能力を身につけることを目的とする。

【授業の到達目標】
1)看護過程を用いて,患者に適切な看護援助を実施することができる。
2)患者-看護師関係を形成し,発展させるための基礎を身につけることができる。
3)看護技術の実践を通して,患者の自立,安全・安楽な方法とその根拠について説明することができる。
4)患者に行った看護実践から「看護とは何か」について深く考え,論述することができる。
5)看護専門職を目指す者としてふさわしい行動ができるようになる。

【授業概要(キーワード)】
成人期,慢性期看護,慢性疾患,自立,自己管理,生活の再構築,教育的支援,看護過程,看護技術,看護実践力

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:76~100%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:51~75%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:51~75%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:76~100%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:51~75%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:51~75%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:76~100%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:51~75%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:51~75%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:76~100%

【科目の位置付け】
この実習は,「山形大学医学部Student Nurse」の称号が付与された学生が,附属病院で療養生活の世話や診療の補助行為に関する多くの看護技術を体験し,看護実践能力の強化に努めるものである。(医学部看護学科カリキュラム・ポリシー3年次)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を

【授業計画】
・授業の方法
面接授業と遠隔授業の併用
1)病棟実習では慢性疾患の患者を1名受け持ち,情報収集・分析,看護診断(看護問題の抽出),看護計画立案,実施,評価というサイクル(看護過程)を用いて看護を実践する。
2)看護技術を身につけるために「Student Nurse実施要項」を活用して,看護師と共に看護技術を実際に経験する。
3)受け持ち患者に応じて,各検査室,放射線治療室,リハビリテーション室,外来を見学する。
4)病棟実習を効果的に進めるために事前学習や事後学習、カンファレンスを行う。
・日程
実習期間:9月~12月
1)事前学習(2日間)
オリエンテーションと課題学習(火曜日9:00~ 成人看護実習室)
受け持ち患者の決定,受け持ち患者の病気・治療・検査・標準的な看護計画等の自己学習(金曜日14:00~ )
2)病棟実習(2週間)
受け持ち患者を中心に看護援助を実施する。
病棟での実習時間は8:00~16:00。16時以降は学内で実習記録を完成させ,教員に報告し指導を受ける。
1週目の木曜日あるいは金曜日の中間カンファレンスでは,看護問題および看護計画を発表する。
2週目の木曜日の最終カンファレンスでは,看護サマリーおよび各自の学びをレポートにまとめ,発表する。
2週目の金曜日(最終日)は,学内で学生と教員で面談をして,目標の到達状況や各自の課題を明らかにする。また,自己をみつめる機会とする。
3)事後学習(2日間)
実習全体での学びや受け持ち患者の看護のポイントについてグループ討議をして共有する。自主学習としてWeb Classの演習問題を解く。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)臨地実習では,看護学生も医療チームの一員として医療に参画する。
2)各自の行動計画を立てて,看護師に許可を得てから患者に看護援助を実施する。
3)患者・家族,医療スタッフとの関係を形成するには,「挨拶をする、自分の考えをはっきり述べる,相手の話をしっかり聴く,不明な点を確認する」などを意識して行動する。
4)中間カンファレンス,最終カンファレンスでは,課題レポートを作成して説明できるようにしておく。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
1)医学的な知識は,テキストや参考書,信頼性の高い医療情報で確認・理解し,説明できるようにしておきましょう。
2)看護援助は根拠を理解して行うことが求められるので,教科書の該当箇所を自分で探し,関連づけておきましょう。
3)Web Classの演習問題を解答して,予習復習および看護師国家試験対策として活用しましょう。

【成績の評価】
・基準
1)「成人慢性期看護学実習評価表」を用いて,100点満点で成績を評価する。
2)「成人慢性期看護学実習評価表」は,到達目標1.看護過程を考え援助を実施することができるために必要とされる評価内容10項目,到達目標2.患者~看護師関係を形成するための2項目,到達目標3.看護技術を実践し根拠を理解するための2項目,到達目標4.看護とは何かを考えるための3項目,到達目標5.専門職としての行動するための3項目の全20項目から成り,それぞれの項目を5段階で評価する。
3)実習記録,課題レポートを実習最終日(2週目の金曜日)に提出していること。
・方法
1)「成人慢性期看護学実習評価表」は,学生が自己評価と自己PR欄を記述して,指導教員に提出する。
2)指導教員は「成人慢性期看護学実習評価表」に則って,目標の到達度,課題レポート(事前事後学習のレポートも含む)の内容,さらに学生の自己評価や出席状況,受け持ち患者や臨地実習指導者からの情報も加味しながら評価する。
3)正当な理由で実習を欠席し,出席日数を満たさなかった学生には追実習を行う。但し,追実習は1回のみとする。
4)実習内容・記録,課題レポートの内容が基準を満たしていない場合には,再実習あるいはレポートの再提出となる。但し,再実習,レポートの再提出は1回のみとする。

【テキスト・参考書】
鈴木久美、野澤明子、森一恵著「成人看護学 慢性期看護」(南江堂)
野崎真奈美,林直子他編「成人看護学 成人看護技術」(南江堂)
山形大学医学部付属病院看護部,山形医学医学部看護学科編「Student Nurse実習要項」「看護術チェックリスト」
参考書:実習病棟や受け持ち患者に応じて、紹介する。

【その他】
・学生へのメッセージ
健康管理をして体調を整えて実習をしましょう。
但し,発熱や下痢などの症状が出現した場合には担当教員に連絡し,教員の指示に従って医療機関等を受診してください。
・オフィス・アワー
月~金 16:00~18:00(看護学科棟3階;成人老人看護研究室,武田研究室)

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