【授業の目的】
人間文化コースは5つのプログラムからなり、多種多様な学問分野を包摂しています。本講義では5つのプログラムについて、それぞれの学問の「美味しいところ」をオムニバス形式でアラカルト風に紹介します。
【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は: ① 人間文化コースの各学問領域の特色や全体像を理解できる。 ② 人間文化コースの学問体系を理解できる。
【授業概要(キーワード)】
人間文化、文化人類学、歴史学、認知情報科学、日本学、文化解釈学
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、人間文化コースの多様な教育分野の視点について学習する専門導入科目である。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 05.ジェンダー平等を実現しよう 09.産業と技術革新の基盤をつくろう 10.人や国の不平等をなくそう 16.平和と公正をすべての人に
【授業計画】
・授業の方法
5つのプログラムの担当教員が、それぞれの視点から独自のテーマを設定し、各プログラムの研究内容の一例を分かりやすく講義します。
・日程
【第1回】初回ガイダンス 【第2回】日本学/森岡卓司(題目:夏目漱石「こころ」からみる日本近代文学研究) 概要:高校までの「国語」の授業とは少し違うやり方で、日本近代文学の代表作を読んでみます。文学を研究することの広がりと深さを体験してみましょう。 【第3回】文化解釈学/清塚邦彦(題目:心の哲学をめぐって) 概要:自分や他人の心を理解するとはどういうことか、哲学の立場から考えてみます。 【第4回】認知情報科学/本多薫(題目:使いやすく快適な情報機器とは?) 概要:使いやすく快適な情報機器(パソコンやスマートフォンなど)を作るのにはどうしたらよいのかを解説します。 【第5回】文化人類学/坂井正人(題目:文化人類学のすすめ) 概要:異文化社会を研究する文化人類学は、我々が現代社会を生きる上で、どのように役立っているのかについて考えます。 【第6回】歴史学/中村篤志(題目:モンゴル遊牧社会の過去と現在:家族の「絆」と「近代化」をめぐって) 概要:モンゴル遊牧民の「家族」を例に、「伝統」とは何か、「近代化」とは 何かを考えます。 【第7回】日本学/生田慶穂(題目:連歌はなぜ中世に大流行したのか) 概要: 貴族・武士・庶民に至るまで中世の人々は連歌に夢中でした。その理由について講義します。 【第8回】認知情報科学/小林正法(題目:はじめての行動科学) 概要:人間の行動とその背景にある内的過程についての知見を紹介します。 【第9回】プログラム決定オリエンテーション 【第10回】文化解釈学/石澤靖典(題目:西洋美術のなかの日本) 概要:ヨーロッパにおける日本文化の受容について、さまざまな美術作品を通して考察します。 【第11回】歴史学/山﨑彰(題目:中世ヨーロッパと現代世界) 概要:20世紀のヨーロッパ現代史を振り返るとともに、中世ヨーロッパ世界に ついて学ぶ意義を考えます。 【第12回】日本学/中澤信幸(題目:おしょうしな―山形の方言から言葉について考えよう) 概要:方言というと地域に密着した感じがしますが、実は日本語そのものや世界の言語を考える上でも重要な要素です。山形の方言から言葉について考えていくことにしましょう。 【第13回】文化解釈学/柿並良佑(題目:表象とは何か?) 概要:私たちの身の回りのイメージ=表象をめぐって、どのように分析できるか、デモンストレーションします。 【第14回】認知情報科学/大杉尚之(題目:人間と文化の認知科学) 概要:人間の特性と文化の相互作用について紹介します。 【第15回】文化人類学/松本剛(題目:新大陸の古代文明) 概要:南米アンデス地域に栄えた先史文化について紹介します。 ※第15回目は、授業冒頭でレポート課題の説明あり。
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
自分の興味ある分野だけをつまみ食いするのではなく、講義全体を通して聴き、人間文化コースの多様さと多彩さを等しく知ってください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
興味のある分野については、参考文献を読んだり、何か調べてみたり、疑問を持ったりするような積極的姿勢が求められます。規定によるならば30時間の授業外時間の学習が必要とされていますが、それをはるかに上回る時間を、人文科学の学習にあてて下さい。
【成績の評価】
・基準
12名の担当教員が、学期の終わりにそれぞれ1つの課題を出します。受講者は、その課題の中から1つを選択し、それについてレポートを書くことになります。出席とリアクションペーパーによって(主体的な参加の度合いと知識の修得の度合い)、レポートの執筆によって講義で得た知識を活用して論文を執筆する能力(理解の度合いと汎用的技能の修得の度合い)を評価します。レポートの内容から「人間文化コースの各学問領域の特色や全体像を理解できる」、「人間文化コースの学問体系を理解できる。」という到達目標に達している場合に合格基準を満たします。成績評価は、3分の2以上の出席があることが前提です。
・方法
「主体的な参加の度合い」「知識の修得の度合い」「理解の度合い」「汎用的技能の修得の度合い(論理的思考力、文章表現力など)」から評価します。
【テキスト・参考書】
・テキスト:各講義で資料が配付されます。 ・参考書:それらの資料で参照される書籍や文献などを参考にしてください。
【その他】
・学生へのメッセージ
毎回の出欠確認は、カードリーダーによる出欠情報システムを利用して行います。学生証を忘れずに持参してください。 (実際に出席していたかを確認するために授業の最後に改めて出欠をとることがあります。出欠が一致しない学生には厳正に対処します。)
・オフィス・アワー
担当教員それぞれのオフィス・アワーについては、それぞれの教員が開講している他の授業のオフィス・アワーの時間帯・場所を参照してください。
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