文化人類学特殊講義b
 Topics on Cultural Anthropology b
 担当教員:坂井 正人(SAKAI Masato),山本 睦(YAMAMOTO Atsushi),松本 剛(MATSMOTO Go)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
異文化を学ぶために必要とされる物の見方・考え方を身につけるために、人類学における近年の理論的な展開を学ぶ。特に、アクターネットワーク理論、新唯物論、マルチスピーシーズ、ポストコロニアリズム、存在論的転換について扱う。その際に、民族誌だけでなく、歴史史料や考古学データを用いた議論にも注目する。

【授業の到達目標】
この講義を履修した学生は、アクターネットワーク理論、新唯物論、マルチスピーシーズ、ポストコロニアリズム、存在論的転換をめぐる人類学の議論について説明できる。また、これらの基礎概念を通じて、異文化を分析するための視座を得るとともに、これらの基礎概念を用いて人間と文化の多様性と普遍性について議論できる。

【授業概要(キーワード)】
アクターネットワーク理論、新唯物論、マルチスピーシーズ、ポストコロニアリズム、存在論的転換

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は、アクターネットワーク理論、新唯物論、マルチスピーシーズ、ポストコロニアリズム、存在論的転換に関する人類学の議論を手がかりに、現実社会に関する理解を深め、現代社会で活躍するために必要な知識と教養を身に付け、他者や異文化への柔軟な理解力を養成するために編成される科目である。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
10.人や国の不平等をなくそう

【授業計画】
・授業の方法
人類学における近年の理論的な展開に関して、パワーポイント、配布資料などを使って解説します。受講者の理解度を確かめるために、質疑応答を行うことがあります。
・日程
第1回  ガイダンス
第2回  問題の所在
第3回  アクターネットワーク理論(1)
第4回  アクターネットワーク理論(2)
第5回  新唯物論(1)
第6回  新唯物論(2)
第7回  マルチスピーシーズ(1)
第8回  マルチスピーシーズ(2)
第9回  マルチスピーシーズ(3)
第10回 ポストコロニアリズム(1)
第11回 ポストコロニアリズム(2)
第12回 存在論的転換(1)
第13回 存在論的転換(2)
第14回 まとめと補足説明(1) 
第15回 まとめと補足説明(2)
※日程と内容は、受講生の理解度によって変更する場合があります。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
漠然と講義を受けるのではなく、授業で扱われた事例を自分の日常生活に照らし合わせて考えてみる。また、質疑応答には積極的に参加する。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
<予習>授業で扱うテーマについて、必要に応じて参考書を目を通すとともに、疑問点をまとめておく。
<復習>授業の内容を思い浮かべながらノートを整理するとともに、参考書の理解を深める。

【成績の評価】
・基準
授業中の質疑応答、期末レポートによって、知識の修得、理解の度合い、論理的思考力、文章表現力、参加の度合いのそれぞれの項目について判定し、その合計点を用いて判定する。基準は(1)文化人類学における近年の理論的な展開について自分の言葉で説明できる。 (2)近年の理論的な展開をめぐる議論を用いて、人間と文化の多様性と普遍性について議論できる。
・方法
質疑応答(20パーセント)、期末レポート(80パーセント)

【テキスト・参考書】
参考書
ブルーノ・ラトゥール 2008 『虚構の「近代」』新評論
ティム・インゴルド 2014 『ラインズ 線の文化史』左右社
奥野克巳ほか(編)2021『モア・ザン・ヒューマン:マルチスピーシズ人類学と環境人文学』以文社
G.C.スピヴァク 1998 『サバルタンは語ることができるか 』みすずライブラリー
ヴィヴェロス・デ・カストロ 2015 『食人の形而上学』洛北出版

【その他】
・学生へのメッセージ
休講および補講を行う可能性があります。掲示に注意してください。
・オフィス・アワー
木曜日16:20~17:50、教員研究室
<sakai@human.kj.yamagata-u.ac.jp>

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