ベンチャービジネス論
 Venture Business Basic Theory
 担当教員:白田 良晴(SHIRATA Yoshiharu)
 担当教員の所属:人文社会科学部非常勤講師
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):・企業継承、企業処理。
・企業立上げ(起業)、ベンチャーキャピタル資金導入、CEO、CFO。
・産学連携、イノベーション各賞受賞、大臣賞受賞。
・代表取締役社長歴 2社にて合計30年
 開講学年:3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
本講義では、アントレプレナー(以下起業家)の活動をベンチャー企業(以下VB)経営と事例を通じて実践的に学んでいく授業です。その理由として、VBの活動は起業家そのもといえるからです。身近な企業であるGoogle, Apple, Facebook, Amazon, Microsoft, GAFA +MもVBであり、このように急成長するVBは、経済活性化の担い手として期待されています。
これらのVBは、どのようにして生まれ、資金調達し、イノベーションを行い、財やサービスを提供しているのか、莫大な利益を上げている要因は何か、これらについて事例を通じて、多視角から学ぶのがこの授業になります。
本講義のポイントは、経営理論と実務の融合です。担当講師は、博士号(経営学)の研究者で、かつ企業経営歴30年超えます。企業の継承、倒産、再生、設立、VCC導入など、広い経験があります。よって、この授業を通じて経営学が実務でどのように活用されているのかが、具体的に学ぶことが出来ます。授業進行モットーは、「おもしろく、タメになる、役に立つ」です。

【授業の到達目標】
企業経営とVBに関することを中心に幅広く行います。ビジネスの理論と経営実践の重要なところを抽出して行います。VB論Ⅰ・Ⅱを知っていれば、将来社会人・経済人として世の中に出たときに、VB/SMEs(中小企業)経営実務のおよそ8割(Ⅰ・Ⅱでそれぞれ4割程度)が理解できるといえます。(もちろん基本は大企業経営も同じです)残り2割は、必要に応じて学ぶべきこと、経験値から学ぶべきことになります。こう考えると机上で8割学べるのですから、お得な授業ですね。
①VBの環境・経営の把握と課題の理解、および日米間VB企業背景の相違を理解できる。
②中小企業環境、中小企業経営の把握と課題を分析できる。
③VB/SMEs企業における企業経営のコア知識を習得できる。
④会社を起こして経営する基本知識が習得できる。
⑤企業の市場退出方法を理論的に習得できる。

【授業概要(キーワード)】
ベンチャー企業、ベンチャーキャピタル、アントレプレナー、中小企業、イノベーション、GAFA+M

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
専門基礎科目の経営学をベースとして、さらに経営実務を加味しつつ、最終的には実社会で役に立つ高度な経営理論の専門知を実践での対応能力を養うものです。(人文社会科学部のカリキュラムポリシー)

【SDGs(持続可能な開発目標)】
08.働きがいも経済成長も
09.産業と技術革新の基盤をつくろう
12.つくる責任つかう責任

【授業計画】
・授業の方法
講義の進行は、基本的にパワーポイントを用いたプレゼンテーション方式にて行います。授業の規模にもよりますが、進行に合わせ双方向で意見を交換しながらの授業を計画しています(一方的にならないように)。また、コロナ禍によるリモート授業になった場合も、基本的に同じ形態の授業進行を取ります。
・日程
1.ガイダンス及びVB論概論
2.VBとはどのような企業か?GAFA+Mに学ぶ 
3.VBのバックグラウンドを理解する-1 GAFA+Mの純利益推移の示すものと高利益率を支えるイノベーション(革新) とは
4.VBのバックグラウンドを理解する-3  日本企業と事例企業の利益率を比較すると…
5.なぜVBが期待されるのか? 経済活性化とVB
6.VBが目指す上場(IPO)について。上場のメリットとは
7.日米におけるVB定義の相違
8.VBの成長を支えるファンドとベンチャーキャピタルの理解
9.VBの種類
10.シュンペーターの定義する企業家とイノベーション
11.主なイノベーションとクリステンセンの破壊的イノベーション
12.ケーススタディ:イノベーションの企業事例
13.VBの創業期における資金調達 。明日が分からない企業に誰が「お金」を提供するのか?
14.ケーススタディ:現役ベンチャーキャピタリストから学ぶ投資の実務
15.VB論Ⅰ総括および理解度確認セッション
*企業経営や経済環境の変化によって、内容が変更される可能性もあります。

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
担当教員の独自のテキスト「ベンチャービジネス論Ⅰ・Ⅱ VOL2改」を使用します。入手先は電子データ(PDF)にて各自ダウンロードしてください。ダウンロード先は適宜提示します。データが15MB程度あるので、十分なダウンロード環境にて行って下さい。また、ページ数がA4で140枚程度です。プリントアウトの際も同様に、十分な環境で行って下さい。
 テキストには重要事項が記載されていますが、VB論を十分に理解するには、パワーポイントを使用した授業での説明を積極的に理解する必要があります。また、事前に分からない用語を調べる、事例企業の経営内容を調べる、などが必要です。尚、パワーポイントをプリントアウトした資料は配布する予定はありません(半期で400枚以上となるため)。しっかりとノートを取って下さい。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
該当授業回のテキストの熟読と、事例企業がある場合はバックグラウンドや最新の業績を調査して下さい。また、大企業のみならず、自分の周囲にある企業は、どのような営業形態をとっているのか気に掛けてください。企業の調査が可能な場合は、企業概要を調査してビジネスモデル(儲ける仕組み)の成立ちを考えてください。
*テキストの最後に、参考・引用文献の記載があります。学習を深めたい人は、これらを参考ください。

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した5項目の中で、下記の2点について重点を置きます
①VBの環境・経営の把握と課題の理解、および日米間VB企業背景の相違を理解できる。
②VB/SMEs企業における企業経営のコア知識を習得できる。
以上の2点について理解し適切な説明をすることができることを合格の基準とする。
・方法
概ね理解度確認セッション70%、レポート30%程度の配分で評価を行います。授業規模や内容によって変更になることがあります。

【テキスト・参考書】
「ベンチャービジネス論Ⅰ・Ⅱ VOL2改」白田良晴。PDFデータにて配布します。配布先(ダウンロード先)は適宜指示します。

【その他】
・学生へのメッセージ
本講義の範囲は、テキスト「ベンチャービジネス論Ⅰ(VB1)」となります。本来的には実践編となる「ベンチャービジネス論Ⅱ(VB2)」を学ぶことにより、更に理解は深まります。重要なところはVB1でも取り上げますが、各自テキストにて自学自習することを望みます。参考のためVB2 の内容を記載します。

参考 ベンチャービジネス論Ⅱ 実践編
1.中小企業政策と基本法にみる中小企業。中小企業政策は大いに利用すべき
2.企業経営に戦略は必要なのか。戦略と戦術。臨機応変、成り行き経営ではダメなの?
3.企業経営における2大戦略理論。ポジショニングとリソース・ベースト・ビュー
4.ケーススダディ:特長的のある実在企業の強さに学ぶ。何が持続的競争優位を齎すのか
5.ケーススタディ:日本一BMWを売った男に学ぶ営業手法。伝説の営業マンは意外にも朴訥な人であった
6.会社の起こし方と仕組み-1 資本金1円で起業は可能なのか?商法上はOKだが…。
7.会社の起こし方と仕組み-2 会社設立にともなう付帯事項。会社設立にともなう付帯事項。雇用責任は重大だ!
8.価格、コスト構成と管理。損益分岐点とコストの関係
9.損益分岐点と企業経営。あと、どのくらい売れば利益に転換するのか
10.経営戦略が損益分岐点に与える影響について実証する
11.資金回収の勘所 ~モノを売ったままではダメ、回収して取引終了~
12.トータルクオリティマネジメント・クールジャパンを創り上げた品質管理とは
13.ビジネスプラン(事業計画)の作成方法 。VCCを通過した事例を通じて
14.市場退出の種類と方法。成功ばかりではない経済社会は、失敗による退出方法を知る
15. 企業論総括
以上 Ⅱは実践力が身に付く内容です。
・オフィス・アワー
授業に関する学生からの質問は、各界の授業終了後または開始前に受け付けます。

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