文化人類学とSDGs(人間を考える)
 Cultural Anthropology and the SDGs(Humankind)
 担当教員:坂井 正人(SAKAI Masato)
 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科人間文化コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
日本を含めた世界のさまざまな地域(オセアニア、アフリカ、ヨーロッパ、南米)における生活世界を、不浄・結婚・恋愛・呪術・贈与・生殖医療・地上絵に焦点をあてて、人間の多様性と類似性に関して考察します。その一方で、「持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)の基本的な考え方を整理した上で、文化人類学の中で行われてきたフェアトレード・生殖医療・文化遺産に関する研究を検討することで、SDGsと人類学の関係について理解を深めるとともに、文化人類学的なモノの見方・考え方を身につけることを目的とします。

【授業の到達目標】
(1)世界各地の人々との比較を通じて、同じ人間である我々に関する理解を深めることで、異文化および自文化を学ぶための基礎を身につける。
(2)SDGsの基本概念について理解して、適切に説明できるようになる。
(3)SDGsと文化人類学の関係について理解を深めることを通じて、文化人類学という学問の基礎を身につける

【授業概要(キーワード)】
浄・不浄、結婚・恋愛、呪術、贈与、フェアトレード、生殖医療、文化遺産、ナスカの地上絵

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業では、文化人類学的な視点から世界を見るとともに、SDGsに注目することによって、異文化および自文化を理解するために必要な幅広い知識を習得します。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう
03.すべての人に健康と福祉を
08.働きがいも経済成長も
10.人や国の不平等をなくそう
17.パートナーシップで目標を達成しよう

【授業計画】
・授業の方法
日本および世界各地の生活世界に関して、パワーポイント、配布資料などを使って解説します。受講者の理解度を確かめるために、質疑応答を行うことがあります。
・日程
第1回  文化人類学とは?
第2回  汚れと文化相対主義
第3回  恋愛と結婚(1)
第4回  恋愛と結婚(2)
第5回  アンデスの魔女と日本の呪術(1)
第6回  アンデスの魔女と日本の呪術(2)
第7回  贈り物(1)
第8回  贈り物(2)
第9回  SDGsとは?(1)
第10回 SDGsとは?(2)
第11回 フェアトレード再考
第12回 SDGsと生殖医療
第13回 文化遺産としてのナスカの地上絵(1) 
第14回 文化遺産としてのナスカの地上絵(2) 
第15回 まとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
授業で説明される世界各地の事例を、自分の日常世界と比較しながら受講してください。授業内容に意見や質問がある場合、講義中に発言してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
授業の進行状況にあわせて、参考書を読み進めてください。授業内容について理解が進みます。

【成績の評価】
・基準
(1)世界各地の人々との比較を通じて、同じ人間である我々に関する理解を深めることで、異文化および自文化を学ぶための基礎を身につけていることを合格の基準とします。
(2)SDGsの基本概念について理解して、適切に説明できることを合格の基準とします。
(3)SDGsと文化人類学の関係について理解を深めることを通じて、同じ人間である我々に関する理解を深めることで、異文化および自文化を学ぶための基礎を身につけていることを合格の基準とします。
・方法
期末レポート:80パーセント
発言・リフレクションペーパー:20パーセント

【テキスト・参考書】
参考書
山下晋司・船曳建夫(編著)『文化人類学キーワード(改訂版)』(有斐閣双書、2008年)
蟹江憲 『SDGs(持続可能な開発目標)』(中公新書、2020)
関根久雄 『持続可能な開発における文化の居場所:誰一人取り残さない開発への応答』(春風社、2021)

【その他】
・学生へのメッセージ
文化人類学は高校では授業科目になっていません。そこで皆さんが理解できるよう分かりやすい講義を心掛けますが、理解できない点は、適宜、ご質問ください。
・オフィス・アワー
木曜日16:20~17:50、教員研究室
sakai@human.kj.yamagata-u.ac.jp

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