【授業の目的】
博物館・美術館で展示される古典籍、床の間の掛け軸、蕎麦屋の暖簾―生活の中でくずし字を目にしながら、多くの現代人にとってそれは読めないのが当たり前になっている。もし、あなたがくずし字を読めたとしたら…。 本科目では、山形県内にどのような古典籍が所蔵されているか紹介し、それらをくずし字で読む方法を教授する。さらに、古典籍を解読した成果を社会に還元していくプロジェクトを紹介する。膨大な古典籍をどのように活用すべきか、一市民の立場から考えることを目的とする。
【授業の到達目標】
1. 基本的な変体仮名を解読することができる。【技能】 2. 古典籍の定義、くずし字のなりたちを説明できる。【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
くずし字,変体仮名,古典籍
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
本科目は、健全な批判精神に裏打ちされた幅広い知識とを身につけ,大学での学習及び生涯にわたる学習への基盤となる力を養うためのものである(基盤教育の基本方針)。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 12.つくる責任つかう責任
【授業計画】
・授業の方法
講義と演習を織り交ぜながら、古典籍とくずし字について学ぶ。くずし字解読演習ではテキストが必要となるので、原則購入すること。ゲストスピーカーの都合によって、授業日程を変更することがある。
・日程
第1回 イントロダクション(古典籍とは、くずし字とは) ※オンデマンド形式 第2回 『山形』の古典籍 ※小レポート1 第3回 くずし字を読む技術1(辞典とデーターベース) ※小レポート2 第4回 くずし字を読む技術2(KuLAとmiwo) ※小レポート3 第5回 くずし字解読演習1(テキスト) ※小テスト1 第6回 くずし字解読演習2(テキスト) ※小テスト2 第7回 【ゲストスピーカー講演1(タリン・カラーヌワット氏)】 ※小レポート4 第8回 くずし字解読演習3(最上義光歴史館) ※小テスト3 第9回 くずし字解読演習4(市立米沢図書館) ※小テスト4 第10回 くずし字解読演習5(酒田市立図書館) ※小テスト5 第11回 和書のさまざま 第12回 【ゲストスピーカー講演2(大谷大氏)】 ※小レポート5 第13回 古典籍を活用したプロジェクトの紹介 ※ボーナスレポート 第14回 くずし字解読演習6(実力問題) ※ボーナステスト 第15回 総括
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
くずし字解読の王道は反復練習である。テキストを忘れず、なるべく休まないこと。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
週1~2時間を目安とする。授業中に読めなかった字には印を付けておき、重点的に復習する。授業内で紹介する参考書やアプリも活用してほしい。
【成績の評価】
・基準
テキストを参照しながら基本的な変体仮名を解読できるか、古典籍の定義やくずし字のなりたちを理解し自分なりに説明できるかが、合格の基準となる。
・方法
小テスト(10点×5=50点)、小レポート(10点×5=50点)の合計をもって評点とする。ボーナステスト・ボーナスレポート(配点は履修者の状況をみて決定)を提出すると、上記の失点分を補うことができる。
【テキスト・参考書】
[テキスト]『字典かな 写本をよむ楽しみ 新装版』 笠間書院 2018 \780
【その他】
・学生へのメッセージ
くずし字が読める、というのはちょっとした特殊技能です。研究者を目指すのでもない限り、読めなくても決して困りませんが、読めたら一生の財産になるでしょう。
・オフィス・アワー
授業時間外の質問は、火曜16:20~17:50に研究室(人文社会科学部1号館4階406)で受け付けます。その他の時間に来たい場合は事前に連絡して下さい。
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