【授業の目的】
生体高分子の種類、構造、および機能に関する知識を修得することを目標とする。高分子化学および生物有機化学に関する基礎知識、例えば、生体高分子およびそれらの構成単位である糖やアミノ酸などの生体分子がキラルであること、およびそれらのキラリティーがどのような分子構造に由来するかなどといった知識についても修得することを目標とする。生体高分子のバイオマスとしての高度利用法、生体を模倣した機能性材料の合成法、生体分子をターゲティング素子として組み込んだ癌治療薬剤の分子設計などについて知識を修得し、将来の研究開発に役立てる。
【授業の到達目標】
生体高分子を構成する成分、特に単糖、オリゴ糖、アミノ酸を分類・列記できる。生体高分子の種類、構造、および機能を概説できる。プルランやセルロースフェニルカルバメート誘導体などの、実験室で重要な生体高分子について討議できる。生物学的機能を示す高分子や外部環境に応答する高分子の精密合成や応用について述べることができる。分子のキラリティーや、キラル高分子について概説できる。糖類や高分子の性質を応用した癌治療薬の開発研究について述べることができる。
【授業概要(キーワード)】
生体高分子 単糖 オリゴ糖 多糖 アミノ酸 キラリティー キラル高分子 刺激応答ポリマー バイオマス 生体模倣材料 光線力学療法(PDT)
【科目の位置付け】
生体機能材料における種類や構造、機能に関する専門知識を修得。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を 07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 12.つくる責任つかう責任
【授業計画】
・授業の方法
本講義は、板書およびプロジェクターを利用した講義形式とする。
・日程
第1回:単糖 第2回:オリゴ糖 第3回:グルコースを繰り返し単位とする多糖 第4回:さまざまな多糖 第5回:アミノ酸 第6回:タンパク質 第7回:実験室で重要な生体高分子 第8回:中間試験とまとめ 第9回:生体機能性高分子に関連する研究紹介 第10回:糖修飾高分子の精密合成と応用 第11回:糖質資源の高度利用 第12回:キラル高分子 第13回:光線力学療法 第14回:糖を機能素子とする癌治療薬剤に関連する研究紹介 第15回:期末試験とまとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
講義内容において、疑問点がある場合は積極的に質問してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義で扱った内容をベースとして、興味を持って周辺の情報・知識を収集・理解し、自己の糧とする。
【成績の評価】
・基準
当該科目おける成績評価基準認定は、60点以上で合格とします。
・方法
成績の評価方法は、中間試験、期末試験、および授業の出席状況で判断する。
【テキスト・参考書】
高分子化学 第5版、村橋俊介、小高忠男、蒲池幹治、則末尚志 編、共立出版 ¥3900 マクマリー有機化学 下 第9版、児玉 三明 ほか 訳、東京化学同人 ¥4500 その他、必要な資料やプリントを授業ごとに配布し、授業進度、学生の理解に合わせて、適宜、指定します。
【その他】
・学生へのメッセージ
高付加価値な材料を生み出すスペシャリストとして活躍するために多くの知識を修得してください。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」は鳴海研究室(2号館2階201室において、原則、木曜日の16:00~17:00としますが、これに限らず在室している時は随時対応します。会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談したい場合は事前にメールで予約をお願いします。連絡先は、学科のホームページを参照下さい。
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