ナノ結晶・ナノ構造物質の化学
 Chemistry of Nanocrystal and Nanostructured Materials
 担当教員:冨樫 貴成(TOGASHI Takanari)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年,3年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:地球共生圏科学専攻(博士後期課程)  科目区分:選択科目  
【授業の目的】
はじめにナノ結晶の特異な物性とサイズ・形状の関係について講義した後、ナノ粒子合成法について結晶成長論・熱力学に基づき講義を行う。特に、サイズの制御・単分散化について結晶成長速度論の視点から詳しく解説する。続いて、ナノ粒子表面での表面化学を講義した後、ナノ粒子配列法の紹介と熱力学的側面からナノ粒子の自己組織化法について講義する。最後にナノ結晶集合体固有の物性を解説する。

【授業の到達目標】
ナノ結晶の合成・集積法について、結晶成長速度論・配位化学・熱力学に基づく反応をデザインできる。 【知識・理解】

【科目の位置付け】
該当しない

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
当日の配布資料や板書に基づき講義を進める。必要に応じて、文献の解説など課題を与える。
・日程
第1回:ガイダンス 
第2回:ナノ結晶の光学特性
第3回:ナノ結晶の磁気的特性
第4回: コアシェル型ナノ結晶
第5回:核発生
第6回: 溶液内結晶成長
第7回: 表面配位化学(配位子の分類と特徴)
第8回: 表面配位化学(触媒反応)
第9回: (表面配位化学)結晶形状の制御
第10回:形状制御 (速度論と熱力学)
第12回:ナノ粒子合成法
第11回: 分散と凝集
第12回: 凝集力によるナノ粒子集積
第13回: 表面化学によるナノ粒子集積
第14回: ナノ粒子集合体の物性
第15回:まとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
核発生・結晶成長など頭の中でイメージすることが大切です。できない場合、その場でイメージできるようになるまで質問してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス


【成績の評価】
・基準
ナノ結晶合成・集積の反応デザインに必要な結晶成長論・熱力学・配位化学を理解しているか評価します。また、それをもとに、自身で反応をデザインできるかを基準にします。
・方法
平常点(40点)とレポート(60点)を合わせて100点満点とする。

【テキスト・参考書】
ナノの本質〜ナノサイエンスからナノテクノロジーまで〜 (T. Pradeep,共立出版)
結晶成長(朝倉書店)
溶液からの結晶成長(佐藤清隆編, 共立出版)、
分子間力と表面力(J.N. Israelachivili, 朝倉出版)、
人工格子入門(新庄輝也,内田老鶴圃)

【その他】
・学生へのメッセージ
金属、金属酸化物などの無機材料がナノメートルスケールまで微細化されたナノ結晶は、サイズ・形状に依存した触媒・光・磁気的物性を発現し、我々が日頃手にするバルク無機材料とは異なる新たな物質群として認識されています。これらナノ結晶を自在に合成するために必要な基礎原理を理解してほしいと思います。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問答える「オフィス・アワー」を理学部棟2号館1階104号室において平日 10:00〜17:00 の間に設けます。

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