【授業の目的】
西洋美術史の方法論 19世紀以降、西洋の美術史学では様式論や図像学、イコノロジーなど美術作品に対するさまざまな分析手法が試みられてきました。この授業では、そうした方法論の提唱者と論説のうち代表的なものをいくつか取り上げ、美術研究の射程の広さと将来への展望を考えます。
【授業の到達目標】
美術作品を分析するさいのさまざまな視点と手法を身につけ、それぞれの目的と有効性(あるいは限界)を理解する。
【授業概要(キーワード)】
西洋美術史 方法論 様式論 図像学 イコノロジー 芸術の社会学
【科目の位置付け】
専門分野に関する知見を広め、さまざまな学問領域との連携にもとづいて自身の研究課題を発展させることができるようになる。
【授業計画】
・授業の方法
基本的に一回の講義につき、主要な方法論を一つ取り上げます。講義はスライドを見ながら話を進めます。
・日程
主に以下のテーマについて扱う予定です。
第1回 ガイダンス 第2回 芸術学前史 第2回 純粋視覚性 第3回 リーグルの様式論 第4回 ヴェルフリンの基礎概念 第5回 図像学の歴史 第6回 図像解釈学の成立:アビ・ヴァ―ルブルク(1) 第7回 図像解釈学の成立:アビ・ヴァ―ルブルク(2) 第8回 パノフスキーの図像解釈学 第9回 図像解釈の実践 第10回 芸術と心理学 第11回 新しい美術史学(ニュー・アート・ヒストリ―)の視点 第12回 美術批評の展開:ディドロとボードレール 第13回 鑑定と目利きの方法論 第14回 批評と現代美術 第15回 まとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
参考テキストが事前に配布された場合は、必ず必要箇所を読んでくるようにしてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
興味をもったテーマについては、授業で紹介する参考文献などを手がかりにさらに学習し、知見を広げることが望ましいです。
【成績の評価】
・基準
授業への取り組み(平常点)と期末レポートにより、知識の修得、理解の度合い、汎用的技能(論理的思考力、文章表現力)、参加の度合いを判定します。基準は、1) 主要な美術史の方法論について説明できる、2)自分なりの視点から方法論の発展性と問題点を指摘することができる、の二点です。
・方法
平常点を50%、レポートを50%をとして、内容の理解度と問題意識を総合的に評価します。
【テキスト・参考書】
とくに指定しません。毎回、参考資料を配布します。 参考書:ヴァーノン・ハイド・マイナー『美術史の歴史』北原恵他訳、ブリュッケ、2003年
【その他】
・学生へのメッセージ
さまざまな隣接学問分野に対し、関心や問題意識を持つ姿勢が重視されます。
・オフィス・アワー
金曜日16:20-17:50 (その他在室時随時)石澤研究室(1号館4階)
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