代数入門
 Introduction to Algebra
 担当教員:深澤 知(FUKASAWA Satoru)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年、 3年、 4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
代数の基礎概念である整数と多項式について、その基本的な操作方法を修得することを目的とする。更に、群・環・体という代数概念に慣れることを目的とする。

【授業の到達目標】
1) 整数と多項式について、ユークリッド互除法や合同式など、基本的な操作ができる。[技能]
2) 整数における剰余の概念を正確に述べることができる。[知識・理解]
3) 群・環・体という代数概念の存在を知り、具体的な代数計算ができる。[技能]

【授業概要(キーワード)】
割り算原理、ユークリッドの互除法、合同式、剰余、置換群

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は、理学部ディプロマ・ポリシー「選択したコースの専門的知識を身に付け、その分野の先端的な研究内容を理解し、説明できる能力を身に付けている。」に関連する。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
授業は次の3つから構成される。
(1) 資料: 講義一週間前にWebClassにて資料(その回に必要な定義や命題)を公開する。
(2) 解説: 授業時間中に用語や証明を解説する。
(3) 演習: 授業時間中に演習の時間を設ける。
・日程
次のように進める。但し、中間試験は受講生と都合を相談し、後ろ倒しにすることがある。
第1回:イントロダクション
第2回:数の集合(自然数、整数、有理数、実数)
第3回:割り算原理
第4回:ユークリッドの互除法
第5回:素因数分解
第6回:合同式
第7回:多項式環におけるユークリッドの互除法と応用
第8回:中間まとめと中間試験
第9回:群・環・体の定義と基本的性質
第10回:Z/nZ
第11回:フェルマーの小定理
第12回:中国式剰余定理
第13回:置換群の導入
第14回:置換群の基本性質
第15回:まとめと期末試験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
(1) (事前に予習した)資料の内容を確認しながら、授業中の解説を聴くこと。数学の内容は聞いてすぐに理解できないことが多くあるが、少なくともその内容をリストアップしておくこと。
(2) 授業中に演習に取り組む際は、(ミスした内容を含めて)自分の解答の記録を残し、実力を(冷静に)把握すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
(1) (予習:目安 75分) 一週間ほど前に公開される資料を読み、定義や用語、命題を授業前に必ず確認すること(授業ではそれらを既知とすることがある)。
(2) (復習 1:目安 60分) 授業中に解説された証明等でわからなかった内容についてよく考える。
(3) (復習 2:目安 60分) 授業中に解かなかった演習問題を解く。演習問題解答と比較を行い、できなかったところは復習する。
(4) 演習問題は後日解答を公開するので、自分の解答と模範解答の比較を行うこと。
(5) 中間試験はその時点での数学の論述力をチェックする意味もある。特に証明問題で減点されている場合は、自分にはどこが足りないのかきちんと整理すること。

【成績の評価】
・基準
整数と多項式について、ユークリッド互除法や合同式など、基本的な操作ができること。整数における剰余の概念をきちんと理解すること。具体的な代数計算ができること。
・方法
中間試験と期末試験で評価する(50%―50%)。但し、5回以上欠席した者には単位を認定しない。

【テキスト・参考書】
授業で提供するコンテンツをきちんと消化することが最も授業効果の高いものになると考えているため、テキストはない。予習復習をした上でなお、授業内容が難しいと感じる場合は「高校の教科書」を参考書とすると良いかもしれない。授業のコンテンツを消化した上でなお、物足りないという志の高い学生は「初等整数論」に関する書物と内容を比較すると良いと思う。「初等整数論」と名乗っているものならどれでもよい。

【その他】
・学生へのメッセージ
(1) 必ずWebClassでコース参加してください。
(2) 予習を必ず行うことが求められます。
(3) 演習と復習により、代数の基本的操作が身についているかどうかを確認していきましょう。
(4)基本操作ができるようになれば十分ではありますが、講義で出てくる定理や命題の「証明」にも興味をもってその内容を自分一人で証明できるレベルまで到達できたら、本当に良く勉強したと言えるでしょう。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を、理学部2号館5階508室において、月曜日16:20~17:00の間に設けます。

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