無機化学Ⅰ
 Inorganic Chemistry I
 担当教員:金井塚 勝彦(KANAIZUKA Katsuhiko)、栗原 正人(KURIHARA Masato)
 担当教員の所属:理学部理学科
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年、3年、4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
無機化合物とウェルナー型金属錯体について総合的に説明できるようになるため、元素の性質、分子結合、金属錯体の構造と性質について、体系的・理論的に学習します。更に、原子・分子軌道理論にも触れることで、その電子構造や化学結合についても学習します。

【授業の到達目標】
1)典型金属の性質と反応性について説明できる。【知識・理解】
2)非金属の性質と反応性について説明できる。【知識・理解】
3)ウェルナー型金属錯体の命名法と構造について説明できる。【知識・理解】
4)ウェルナー型金属錯体の電子構造について結晶場と配位子場理論により説明できる。【知識・理解】
5)ウェルナー型金属錯体の電子スペクトルについて説明できる。【知識・理解】

【授業概要(キーワード)】
s-,p-,d-,f-ブロック元素,HSAB理論,バンド,配位化合物,d電子,d軌道,錯体

【科目の位置付け】
化学の専門的知識を身に付け、その分野の先端的な研究内容を理解・説明できる能力を身に付け(理学部ディプロマ・ポリシー)、また、その専門的知識を自己の中に体系化し、幅広い視野と探究心を身に付けるため、基礎元素化学、無機化学II、無機化学演習、無機化学実験と相互に連携した総合的な授業の位置付けです。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
テキストの精読を中心に講義を進めます。補足のプリントを配布して説明します。教員からの一方通行の授業でなく、適宜、質疑応答を含めて授業を進めます。
・日程
第1回:ガイダンスと基礎元素化学の復習
第2回:典型金属の化学1(s-ブロック元素)
第3回:典型金属の化学2(p-ブロック元素)
第4回:典型金属の化学3(12族元素)
第5回:非金属の化学1(主に水素)
第6回:非金属の化学2(主にホウ素、窒素)
第7回:非金属の化学3(主に酸素、ハロゲン)
第8回:第1回~7回までの授業のまとめ(到達度試験を含む)
第9回: 金属錯体の配位数、構造、命名法
第10回:金属錯体の異性現象
第11回:結晶場の理論
第12回:結晶場安定化エネルギー
第13回:アービング‐ウィリアムズの安定度系列とヤーン‐テラー効果
第14回:正八面体構造の歪みと平面四配位構造
第15回: 第9回~14回までの授業のまとめ(到達度試験を含む)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
教科書を購入し、本文に線を引くなどして活用する。プロジェクターでの説明や板書した内容を整理してノートに筆記し、その理解に努める。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
回を重ねるごとに知識の連携が必要になります。教科書の該当箇所を自分で探して関連づけることを勧めます。無機化学実験と本授業内容にいても自分で関連づけることを勧めます。適宜、予習・復習のための宿題を提示します。

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した金属錯体の電子構造や化学結合、及び、その緒性質・反応性について、原子・分子軌道を交えて、体系的・理論的に説明できることを合格の基準とします。
・方法
授業計画に示したように、2回の到達度試験を実施し、それぞれ50点(合計100点)で評価します。

【テキスト・参考書】
「基本無機化学」(第3版、荻野・飛田・岡崎著、東京化学同人)を使って、授業を進めます。webclassに、適宜、プロジェクター説明資料をアップロードします。授業進度や学生の理解に合わせて、適宜、プリントを配布します。また、その他の参考書についても、適宜、紹介します。

【その他】
・学生へのメッセージ
講義と無機化学実験を通じて、無機化合物・配位化合物への一層の理解が深まることを期待しています。
・オフィス・アワー
栗原:授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」は、栗原研究室(理学部2号館2階205室)において、原則、昼休み(12時~13時)としますが、これに限らず在室している時は随時対応します。
金井塚:授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」は、金井塚研究室(理学部2号館2階201室)において、金曜日の13時~17時の間に設けます。

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