【授業の目的】
酵素反応の熱力学的な考え方,酵素の触媒機構, DNAの複製,転写と転写の調節,タンパク質の翻訳,遺伝子工学・タンパク質工学技術の基礎を理解し,生命現象を化学反応として理解することを目的とする。
【授業の到達目標】
1)生体内酵素反応を熱力学的な考え方で説明できる。【知識・理解】 2)酵素の触媒機構について説明できる。【知識・理解】 3)酵素の反応速度論について説明できる。【知識・理解】 4)DNAの複製機構, DNAからRNAへの転写機構とその制御機構について説明できる。【知識・理解】 5)RNAからタンパク質への翻訳機構について説明できる。【知識・理解】 6)遺伝子やタンパク質を扱った実験技術について説明できる。【知識・理解】
【授業概要(キーワード)】
酵素,アロステリック制御,触媒,核酸,複製,転写,翻訳,遺伝子工学,学生主体型授業
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25% D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この授業は、生物化学の基礎知識を修得し、自己の中に体系化することにより、幅広い視野と探究心を身につけることを目的とする。(理学部ディプロマポリシー)
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を 09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
指定テキストと配布資料に沿い、酵素および核酸関連分野の基本的な概念を講義形式で教授する。講義開始時や終了時に,スマートフォンを使ったアンケート,ミニテストを行い,理解度を測りながら講義を進める。中間テスト,期末テストの2回のテストで理解度を評価する。
・日程
主な講義内容は以下の通りである。ただし,進行状況等により多少実施回が変わる場合がある。 第1回:ガイダンス,基礎生物化学等で学んだ基礎知識の確認 第2回:生化学と熱力学,活性運搬体分子 第3回:酵素の触媒機構 第4回:酵素の反応速度論的解析法 第5回:酵素活性の調節(タンパク質の修飾,アロステリック酵素) 第6回:DNAの複製機構1(原核生物) 第7回:DNAの複製機構2(真核生物) 第8回:これまでのまとめと中間テスト 第9回:DNAからRNAへの転写機構 第10回:転写の調節機構(オペロン構造) 第11回:RNAの成熟化機構(RNAの修飾とスプライシング) 第12回:タンパク質の合成機構1 第13回:遺伝子工学・タンパク質工学の技術 第14回:これまでのまとめと期末試験 第15回:中間,期末試験の解説と全体のまとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1) 配布されたテキストに講義前に目を通し,予習を行うこと。 2) 授業後には,テキスト中に用意されている確認問題を宿題として出すので,必ず次回の講義までにやってくること。 3) 確認問題でわからなかったことはそのままにせず,質問に来ること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
テキストに目を通し,学習内容をつかんでおくことが望ましい。 授業では重要な部分のみを解説するので,教科書の授業範囲を精読して理解に努める必要がある。授業中に言及した図表には必ず目を通すこと。
【成績の評価】
・基準
授業の到達目標で示した(1)から(6)の内容を正しく理解し,独力で説明できる能力を身に付けていること。
・方法
中間テスト(50点)と期末テスト(50点)の合計で評価する。出席点はないが,落第点ギリギリの場合は出席率を考慮することがある。
【テキスト・参考書】
ヴォート基礎生化学・第4版:田宮・村松・八木・遠藤 訳(東京化学同人) この他に随時資料を配布します。
【その他】
・学生へのメッセージ
生命科学の基礎となる核酸(DNA、RNA)、タンパク質についての化学的基礎を理解し,生命が無数の化学反応の集合であることを実感してください。 高校で生物を履修したことがない人、テキストを読んでも理解できない人は、生化学の初心者向けの教科書等に目を通してください。 講義の中で理解が難しかったことに関してはオフィスアワーを利用して質問してください。
・オフィス・アワー
授業時間外に質問に答えるオフィスアワーは,田村研究室(理学部1号館,324)において,月曜日の10-12時の間に設けます。出張等で不在にする場合もあるので,確実に面談したい場合は,事前にメール等で予約をを願いします。連絡先は研究室のホームページ(https://www.tamuralab.com/)を参照してください。
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