【授業の目的】
発生生物学は、組織・細胞間での誘導や、細胞分化など、胚の発生に伴って経時的、連鎖的、自律的に起こる発生現象と、それを制御する遺伝子発現制御のメカニズムを理解し、発生現象の普遍性の理解を目指す学問領域である。本授業では、脊椎動物を中心として、受精に始まる初期発生とそれに続く器官形成において起こる基本的な現象を理解し、その普遍的な特徴を学ぶことを目的とする。さらに、発生現象に関わる細胞間情報伝達と遺伝子発現制御機構の基礎を学習することを目的とする。
【授業の到達目標】
1) 脊椎動物の基本的な発生現象を時系列に沿って説明できる。(知識と技能) 2) 発生を制御する細胞間情報伝達と遺伝子発現制御機構の概要を理解し、説明できる。(知識と技能)
【授業概要(キーワード)】
配偶子形成,受精,初期発生,器官形成,学生主体型授業
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
生物学において、発生生物学分野の知識を習得する。(理学部理学科カリキュラム・ポリシー(2))。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を 14.海の豊かさを守ろう 15.陸の豊かさも守ろう
【授業計画】
・授業の方法
この授業は、発生生物学において、多細胞生物の個体発生を現象とメカニズムの両面から解説する講義である。
・日程
第1回. イントロダクション 第2-4回. 両生類の初期発生 第5、6回. 鳥類、ほ乳類の初期発生 第7-9回. 中枢神経系の発生 第10回. モルフォゲン説 第11回.四肢の発生 第12回.エピジェネシス 第13回. 幹細胞システム 第14回.精子ー卵相互作用 第15回.精子ー卵相互作用、試験
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
断片的な知識としてではなく、発生現象を一連のストーリーとして理解すること。必ずノートをとりながら受講すること。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本授業では以下の課題等を課します。授業外における予習・復習等の自主的な学修を心がけること。 1)準備学修時間の目安は4時間/週です。 2)基礎生物学Iの復習をして授業に臨むこと。参考書等で予習しておくことが望ましい。 3)受講後、ノートに目を通し、理解が不十分な内容については教科書等で理解を深めること。
【成績の評価】
・基準
1)脊椎動物の基本的な発生現象を時系列に沿って説明できること、2)発生を制御する細胞間情報伝達と遺伝子発現制御機構の概要を理解し、説明できることを合格の基準とします。
・方法
試験の成績を主とし、毎回出席することを前提とした授業への取り組み、授業に関連するテーマでリポートの内容を評価する。評価は、平常点 (5点)、リポート (5点)、定期試験 (90点)で行います。
【テキスト・参考書】
授業の資料はWeb classを通して事前に配布する。 参考書:ウィルト 発生生物学 東京科学同人 参考書:エッセンシャル発生生物学改訂第2版 羊土社 参考書:「発生生物学」(浅島 誠 編著 朝倉書店)
【その他】
・学生へのメッセージ
授業で学んだ知識を咀嚼して、自分の言葉で説明できるようになることを目標にして取り組んでください。
・オフィス・アワー
月曜日16:30-17:00 渡邉研究室(理学部2号館3階316室) 連絡先は初回の授業でお知らせします。
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