【授業の目的】
生涯にわたり病気と共に生きていくことを余儀なくされた成人期の人々は,どのように生活を再構築していくのか? この授業では,慢性疾患をもつ患者とその家族への看護について基礎的な知識と技術を理解していきます. さらに, 紙上事例から看護計画を立て,発表会を通して看護援助の方向性と具体策を試行することを目的とします.
【授業の到達目標】
1)代表的な慢性疾患とその患者の特徴・看護を理解し,適切に説明できるようになる. 2)検査・治療を受ける患者への援助を理解し,適切に説明できるようになる. 3)セルフマネジメントに必要な看護を判断できるようになる. 4)看護過程を通して,病気と共存する対象の理解,課題発見・問題解決の方法を工夫できるようになる.
【授業概要(キーワード)】
慢性疾患,慢性期看護,生活の再構築,セルフマネジメント,がん,看護過程
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50% B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:26~50% C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50% D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25% A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50% B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50% D-2.事前学習(下調べ、調査等含む)で習得した知識等を踏まえて演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25% A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:51~75% B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:26~50% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:26~50% D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:26~50%
【科目の位置付け】
1)この授業は,成人看護学領域における専門的な看護の知識および援助の方法を学ぶものである.(医学部看護学科カリキュラム・ポリシーより) 2)「山形大学医学部Student Nurse」の認定ならびに看護師国家試験の受験資格を得るための必修科目である.
【SDGs(持続可能な開発目標)】
03.すべての人に健康と福祉を
【授業計画】
・授業の方法
面接授業と遠隔授業の併用 1)配布資料による講義の他に,教科書を活用したグループワークによって授業を進めていく. 2)グループワークでは,メンバー間で討議をして意見をまとめ,発表をすることで学習成果をクラスで共有する. 3)看護過程では,紙上事例の情報から必要な看護を判断して看護計画を立案し,役割を決めて指導項目を実演する.
・日程
4月5日~7月5日 水曜日1・2・3・4校時 (1)8:50~10:20, (2)10:30~12:00 第1回 4月 5日(1) ガイダンス, 慢性期看護の特徴(講義) 第2回 4月 5日(2) 慢性期疾患を有する人と家族の理解・看護の基本(講義) 第3回 4月12日(1) 慢性疾患の検査を受ける患者への看護:画像診断・内視鏡検査(グループワーク)(記述・討議) 第4回 4月12日(2) 慢性疾患の検査を受ける患者への看護:画像診断・内視鏡検査(ロールプレイ)(発表・討議) 第5回 4月19日(1) 高血圧・脂質異常症を有する患者・家族への看護(講義) 第6回 4月19日(2) 膵臓の炎症により膵機能が減退した患者・家族への看護(講義) 第7回 4月26日(1) 慢性疾患の主な治療法と治療を受ける患者への看護(グループワーク)(記述・討議) 第8回 4月26日(2) 慢性疾患の主な治療法と治療を受ける患者への看護(ロールプレイ)(発表・討議) 第9回 5月10日(1) 慢性腎症患者・家族への看護(講義) 第10回 5月10日(2)造血器がん患者・家族への看護(講義) 第11回 5月17日(1)関節リウマチ患者・家族への看護(講義) 第12回 5月17日(2)紙上事例紹介:肝硬変・潰瘍性大腸炎・慢性閉塞性肺疾患・肺がん・バセドウ病・パーキンソン病(講義) 第13・14回 5月24日 授業のまとめ(1)(試験を含む) 第15回 5月31日(1)糖尿病患者への看護,フットケア(講義) ・・・ 結城 千恵 第16回 5月31日(2)慢性心不全患者への看護 (講義) ・・・・・・・ 田中 那央子 第17回 6月7日(1) 化学療法を受ける患者への看護 (講義) ・・・・ 小澤 千佳 第18回 6月7日(2) 放射線療法を受ける患者への看護 (講義) ・・・ 天野 緑 第19・20回 6月14日 授業のまとめ(2)(試験を含む) 第21・21回 6月21日 紙上事例による看護過程(グループワーク)(記述・討議) 第22・23回 6月28日 紙上事例の看護問題とその根拠・看護計画についての発表会(発表・討議) 第24・25回 7月5日 慢性疾患・がんと共に生きる人への精神的ケア(講義・発表・討議) ・・・ 齋藤 朝子
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
1)テキストを購入し,講義や課題で提示された章・項目・ページをよく読み,参考となるポイントをチェックする. 2)グループワークでは,課題に沿ってグループで検討して内容をまとめ,発表する. 3)紙上事例の看護過程はフォーマットに沿って作成し,立案した看護計画の指導項目の中から1つを選び,患者・家族・看護師等を想定して具体策を実演する. 4)実演内容を振り返り,改善策を検討する.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本授業科目では,以下の課題を課します.単位制度の実質化のため,授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください. 1)準備学修に必要な学修時間の目安は次の通りです. 3時間/週 (注)大学院設置基準で,1単位の授業科目は45時間の学習を必要とする内容をもって構成することが標準と定められています. 2)主な慢性疾患について,2年次に履修した人体(解剖)・疾病の講義資料・教科書等で復習しておきましょう. 3)紙上事例の看護過程は,グループで1式にまとめ,6月26日(月)16:30迄に提出してください. 4)担当以外の紙上事例に関する看護過程をWeb Classにアップするので,発表会までに一読しておきましょう. 5)Web Classの演習問題に解答し,予習復習および看護師国家試験対策として活用しましょう.
【成績の評価】
・基準
医学的な基礎知識・看護の専門知識に基づいて看護方法を判断できるかどうか.合格基準は60点以上. 1)代表的な慢性疾患を有する患者・家族の全人的な特徴と求められる看護を理解し,適切に選択・説明ができる. 2)検査・治療を受ける慢性疾患患者に必要な援助を理解し,適切に選択・説明ができる.
・方法
筆記試験(50点×2回=100点)により判定する。 再試験は全範囲から出題し,1度のみ実施する.
【テキスト・参考書】
・テキスト 鈴木久美,旗持知恵子,佐藤直美 編「成人看護学 慢性期看護」(南江堂) 野崎真奈美,林直子,佐藤まゆみ 編「成人看護学 成人看護技術」(南江堂)
【その他】
・学生へのメッセージ
グループワークや発表会では,全メンバーが情報を共有して意思決定を進めていく場となります.これは,医療現場でのチームカンファレンスにもつながりますので,根拠となる情報や各自の意見を発言していきましょう.
・オフィス・アワー
1)授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を武田研究室(看護学科棟3階)において,月曜日〜木曜日の16:00~17:00に設けます. 2)会議や出張等で不在にすることもあるため,確実に面談したい場合は事前に予約をお願いします.連絡先は初回の講義でお知らせします.
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