【授業の目的】
粉体は我々の身の回りにはもちろん,多くの工業で深く関わっている。しかし,粉体は単なる固体ではなく,固体でありながら流体としての性質をもつなど,極めて複雑な挙動を示す。これらの粉体に関する学問体系が粉体工学である。粉体工学の対象は,粒子が集合していることによって起こる物性と挙動である。また,粉体の挙動は単一粒子の挙動および粒子間の相互作用で規定され,粉体挙動は生産目的に応じた装置によって制御される。そこで本講義においては,その内容を“粒”(単一粒子)と“粉体”(集合体)とに大きく分けて整理し,粉体物性とその測定,粉体の製造プロセスについて理解を深めることが目的である。
【授業の到達目標】
1)粒子径や粒子形状など単一粒子物性を理解し計算できる。 2)粒子径分布が作図でき,比表面積や重点構造など粒子集合体の特性を理解し計算できる。 3)重力場での粒子の沈降特性を理解し計算できる。 4)粉砕法および成長法による粉体の製造プロセスを理解することができる。 5)粉砕操作に関する基礎知識を理解することができる。 6)分離・分級などの単位操作を理解し,設計の計算ができる。
【授業概要(キーワード)】
粒子径,粒子形状,粒子径分布,比表面積,空間率,粉砕速度論,析出,表面改質,沈降速度,分離・分級
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
【科目の位置付け】
この科目は、化学・バイオ工学科の専門分野における化学工学の発展科目に対応する。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに 09.産業と技術革新の基盤をつくろう
【授業計画】
・授業の方法
講義は概ねテキストにしたがって行うが,講義内容をより深く理解するために,各授業の終わり約15分程度で演習問題を行う。前半と後半で教員が変わる。
・日程
主要なテーマと順序は次のとおりですが,進行状況により内容を変更することがあります。 第1回 粉体工学とは,粒子径,粒子形状 第2回 粒子の密度,粒子の濡れ性,粒子径分布の測定 第3回 粒子径分布の表示 第4回 グラフの書き方,比表面積 第5回 粒子充填構造 第6回 重力場での粒子の沈降 第7回 中間試験とまとめ 第8回 粉体の生成 第9回 単一粒子の破砕 第10~11回 粒子集合体の粉砕 第12回 粉砕速度論 第13回 場を使った分離・分級操作 第14回 分離・分級操作の例 第15回 期末試験とまとめ
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
WebClassに資料があるので、教科書とともに授業前に目を通しておくこと。授業中は私語等他の受講生の迷惑にならないように心がけること。質問は授業後に受け付けるが、WebClassのメールを使っても良い。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
教科書をよく読むこと。 演習問題でできなかった問題は、その日のうちにもう一度取り組むこと。テキストの例題を実際に自分で解いてみること。
【成績の評価】
・基準
1)粒子径や粒子形状など単一粒子物性の理解。 2)粒子径分布,比表面積など粒子集合体の特性の理解。 3)重力場での粒子の沈降特性の理解。 4)粉砕法および成長法による粉体の製造プロセスの理解。 5)粉砕操作に関する基礎知識の理解。 6)分離・分級などの単位操作の理解。 1から6が達成できていることが合格の規準です。
・方法
前半の課題演習,中間試験,期末試験の結果を総合して合計100点で評価し,60点以上を合格とする。
【テキスト・参考書】
テキスト:椿淳一郎・鈴木道隆・神田良照,「入門 粒子・粉体工学 改訂第2版」,日刊工業新聞社 参考書:三輪茂雄,「粉体工学通論」,日刊工業新聞社:粉体工学会編「粉体工学叢書 第1巻 粉体の基礎物性」日刊工業新聞社:粉体工学会編「粉体工学叢書 第2巻 粉体の生成」日刊工業新聞社
【その他】
・学生へのメッセージ
化学数学を履修していることが望ましい。前半は毎週演習を行うため,関数電卓を用意すること。また,演習は自分で考えて解こうとする姿勢が大事であり,間違った問題はすぐに見直す習慣を身につけよう。 事前にWebClassの授業資料を読み,わからないことはあらかじめ調べておくこと。
・オフィス・アワー
質問がある場合は授業終了後に直接問い合わせるか、WebClassのメッセージ機能を活用して下さい。 木俣光正:毎週水曜16:00~17:00 (3号館3-1208室) 小竹直哉:毎週金曜16:00~17:00 (3号館3-1210室)
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