ベンチャービジネス論
 Venture Business Management
 担当教員:小野 浩幸(ONO Hiroyuki)
 担当教員の所属:学術研究院(理工学研究科担当)
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):産業振興政策、企業診断、研究開発企画支援等
 開講学年:2年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:工学部  科目区分:専門教育科目・選択科目 
【授業の目的】
地域中小企業の実際の商品や山形大学保有特許を素材としPBL(Project Based Learning)手法を用いて,アイディアを自らの力でコントロールして事業に結び付けていくというプロセスについて学ぶ.具体的には,地域中小企業の実例を踏まえながら自らビジネスプランづくりを体験する. プランニングの過程で重要となる起業家精神,セグメント理論を中心としたマーケティングの基礎,マーケティングリサーチ分析手法,プランニングの基礎を体系的に学ぶ. さらには,必要に応じて,技術系の企画開発に際して必要不可欠な知的財産権に関する基礎知識についても触れる.

【授業の到達目標】
自ら事業を起こそうとする人はもちろん,一般企業における企画立案に携わる職種や,新しい事業に投資や融資を行う金融機関,ベンチャーキャピタル(ベンチャー企業への投資会社)や地域振興に携わる仕事にも有効な基礎知識を取得しつつ、新規事業を企画できるようにする.
自己責任と自己実現という起業家のマインドに学び,技術を分析し,自らのアイディアを具体化していく「ビジネスプラン」の企画・立案,プレゼンテーションができるようにする.

【授業概要(キーワード)】
アントレプレナーシップ,ビジネスプランニング,マーケティング,知的財産

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:26~50%
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:26~50%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:26~50%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:26~50%
C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:26~50%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:26~50%
B-3.習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。:26~50%
C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:26~50%

【科目の位置付け】
この授業は,新規事業の計画を立案することができる能力を養うものである.

【SDGs(持続可能な開発目標)】
08.働きがいも経済成長も
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
受講生自らが自分のアイディアでビジネスプランを作成し,プレゼンテーションを行い,投資家や融資者に評価してもらうという一連のプロセスを経験する.その過程で,欧米での研究等を基礎にしたプランニングの基礎,マーケティングにおける市場セグメント理論,セグメンテーションをベースとしたマーケティングリサーチ分析手法を体系的に学ぶ.また,必要に応じて特許等の知的財産権に関する基礎的知識や資力やマンパワーが不足しがちな中小ベンチャーの知恵などをひも解く.
・日程
概ね以下のような内容で全15講で進める.プランニングの素材に応じて内容が前後することがある.
1.ベンチャービジネス序論
2.ベンチャー事例に学ぶ
3.アントレプレナーシップ
4.ベンチャービジネスの要諦
5.マーケティング基礎理論
6.マーケティング・リサーチ分析
7.中小ベンチャーの知的財産マネジメント
8.イノベーション発想法(1)
9.コンセプトメイキング
10.ビジネスプランニング序論
11~15.ビジネスプランニング演習

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
実際に企業経営を行い社会で活躍している多忙な方をゲストとして招くことがあるので,授業中の私語は厳につつしむこと.自らが積極的に参加するという意欲ある人の受講を期待する.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
講義の中で課題を出すことがある.
講義の最後には自らが作成したプランの発表を予定している.習得した基礎知識をもとに実際のプランニングに挑戦すること.

【成績の評価】
・基準
授業への参加態度に加えて,ビジネスプランの独創性,プラン全体の論理性,ビジネスとしての現実性,プレゼンテーションスキル等を判断基準として総合的に評価する.
・方法
授業中に課すレポート、グループプランとその貢献度、各自が作成したプランとプレゼンテーションの内容を基本に,平常点(出席、授業での態度や発言など)で評価する.筆記試験は行わない.

【テキスト・参考書】
講義用に教員が準備する資料をテキストとして使用する.必要に応じて参考図書は授業のなかで紹介する.

【その他】
・学生へのメッセージ
新しいアイディアを考案することなど,前向きな挑戦する気持を持っての参加を期待する.
・オフィス・アワー
原則火曜日と木曜日9:00~17:00は米沢キャンパスの研究室にいる.ただし,出張等で不在のことも多いので事前にメール等で連絡のこと.

51000316-2023-05-52868