無機工業化学
 Industrial Inorganic Chemistry
 担当教員:立花 和宏(TACHIBANA Kazuhiro)、伊藤智博(ITO Tomohiro)
 担当教員の所属:工学部
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):立花 和宏: 大日本印刷(株)の製造現場においてディスプレイ、半導体、微細加工の研究開発の経験がある教員が,設計開発、ライン立ち上げ、クレーム対応などの経験を活かして、実践的なモノづくりの在り方について講義する。
 開講学年:3年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:化学・バイオ工学科  科目区分:専門教育科目・発展科目・○選択必修・☆教職免許(工業)選択 
【授業の目的】
応用化学、化学工学及びバイオ工学の基礎知識を応用し、資源から材料を生産し、環境にやさしく消費者に役立つ工業製品を開発する応用力や工業化学的センスを身ににつけることを目的とする。

【授業の到達目標】
工業製品としての無機材料について天然資源から製品まで製造プロセスを記述できる。【知識・理解】
工業製品が市場に出回るまでの天然資源から顧客の利用形態までのサプライチェーンと最終処分までを記述できる。【知識・理解】
市場における製品開発のための化学の応用と役割を記述できる。【知識・理解】
歴史上、工業製品の顧客ニーズがどのように生まれ、人とのかかわりの中でどのように製品化されてきたかを記述できる。【知識・理解】
実社会に流通している工業製品から進歩する科学技術の調査を実施できる。【態度・習慣】
啓発活動などを通じて持てる知識で社会と産業の発展に寄与できる。【態度・習慣】

【授業概要(キーワード)】
産業革命,天然資源,酸・アルカリ工業,ソーダ工業,製塩,電池,冶金,製鉄,鉄鋼業,非鉄金属工業,アルミニウム,軽金属,銅,貴金属,セラミックス,ガラス,窯業,パルプ,紙,繊維,織物,編物,資源,エネルギー,サプライチェーン,リサイクル,自動車,船舶,航空機,内燃機関,半導体,写真,フォトリソグラフィー,印刷,顔料,染料,接着剤,結着材,液晶ディスプレイ,ビール,醸造

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
この授業は、無機化学工業について技術者と顧客の観点から総合的に俯瞰し、持続可能な社会を実現する化学の在り方を提案する力を身につけるものである (工学部化学・バイオ工学科のカリキュラム・ポリシー)。 なお、本授業を受講する前に、無機化学や無機化学基礎を受講しておくことが望ましい。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
09.産業と技術革新の基盤をつくろう

【授業計画】
・授業の方法
授業は、複数教員担当方式で行う。

対面授業を原則とする。 毎回無機工業化学に関連したテーマを取り上げる。 テキストを参照しながら、講義する。質問は随時受け付ける。 少人数のグループでワークショップを行い協働で課題に取り組み、結果を口頭発表する。 グループ名、メンバー、メンバーの役割、発表内容などは、 期末の成績評価申請書に申告しもらうので、思い出せるようにしておくこと。
・日程
1.明治43年、旧米沢高等工業学校の設立―産業革命と化学工業の歴史―
2.1000気圧が生み出す肥料と食料―酸・アルカリ工業と水資源―
3.3ボルトが生み出す洗剤と水素―電気化学工業―
4.1500℃が作る東京スカイツリー―鉄鋼―
5.1000℃、4Vが作る新幹線―非鉄金属―
6.3000℃が作る航空部材―窯業―
7.ひとり毎日1キログラムの廃棄物―資源と環境とサプライチェーン―
8.太陽がくれた1キロワット毎平米―エネルギープラント―
9.トイレットペーパーがなくなったら?-パルプ、紙、繊維―
10.自動車がなくなったら―目指せカーボンニュートラル―
11.マンガ本がなくなったら―印刷技術と半導体―
12.スマホがなくなったら―インターネットと光と音―
13.電池がなくなったら―生活に役立つ工業製品を作ろう―
14.食べ物がなくなったら―環境、持続可能な社会に向けて―
15.ヒトはなぜモノを作らねばならないのか?-ひとりひとりの幸せを大切にするために-

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
本授業科目では、単位制度の実質化のため、原則として皆出席を求めます。 15回×1.5時間=22.5時間は、学修保証時間として算入されます。

テキスト(教科書)・受講ノート・教材・準備して授業に臨んでください。 テキストの貸し借りはトラブルの原因となるため極力避けてください。 ワークショップに使う付箋、サインペンなどを準備してください。 ネットによる調査ができるようスマホ、タブレット、PC、などの情報機器を準備してください。 必ず学生証を携帯し、学術情報センターのアカウントを確認し、WebClassにアクセスできるようにしてください。

着席して受講してください。 前の方の座席は、視力や聴力が弱い方に譲ってください。 障害について合理的な配慮が必要な場合、事前に申し出てください。 コロナ感染等を止むを得ない事情で、事前にリモート受講を申し出る場合は、授業を送信してくれる学友を予め選んでください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
本授業科目では,単位制度の実質化のため,授業時間外での以下の予習・復習、報告書に対する学習保証時間のエビデンスを求めます。

(1)単位認定に最低必要な授業時間外の学修時間は各回0.5時間以上です。 (※)大学設置基準で,1単位の授業科目は45時間の学修を必要とする内容をもって構成することが標準と定められています。 学則で、講義科目は1単位15~30時間と定められています。2単位の最低学修保証時間は30時間です。 15回から構成されるので1回あたり2時間です。 ここから、1.5時間の授業時間差し引くと0.5時間となります。
(2)上記学修時間に加えて授業時間外の標準学修時間の目安は30時間です。 (※)学則で、講義科目は1単位15~30時間と定められています。2単位の標準学修保証時間は60時間です。 報告書は、予習報告書を含めて最大4件とし、標準学修保証時間から最低学修保証時間を差し引いた30時間を充ててもらいます。 よって1件あたりの予習報告書や課外報告書の授業時間外学修時間は8時間を目安とします。

報告書による授業時間外学習は、加点評価されますが、必須ではありません。 工場見学報告書、などWebClassにテーマが示されます。 授業の進捗に応じてテーマを提案することもできます。予習報告書の提出期限は、履修確定前まで、そのほかの課外報告書の提出期限は、学期末までです。

【成績の評価】
・基準
(1)天然資源、無機材料、工業プロセス、工業製品、などの無機工業化学のトピックについて、議論でき、小論文にまとめ、プレゼンテーションできることを合格の基準とする。
(2)継続的に無機工業雅楽に関する科学技術の調査し、啓発活動を通じて得られた知識を社会と産業の発展に寄与できることを合格の基準とする。
・方法
(1) 大学設置基準第二十一条ならびに 山形大学学部規則 第34条 に基づき 平常(4点/回)と報告書(10点/件)で成績を評価します。 各回の平常点および報告書は、学修保証時間に対応し、合格の基準に到達している場合、内容によらず一律加点され、部分点はありません。
(2)平常とは、授業時間内(1.5時間×15回)でのワークショップ(討論)への参加、意見発表(質疑応答)、実技実演の取り組み状況 ならびに 授業時間外(0.5時間×15回)の各回の授業の予習やWebClassへの 平常演習の提出を含む復習です。0.5時間が保証されれば、平常演習の提出は必須ではありません。
(3)報告書とは、授業時間外のに取り組んだ予習報告書、課外報告書のことです。 予習報告書の締め切りは、履修確定時までとします。 そのほかの課外報告書の締め切りは、最終回授業からおおむね一週間後です。 報告書の学習保証時間は、1件につき8時間とします。 報告書で盗用、捏造、改竄などの研究不正が発覚した場合、履修は取り消され、本学に通報され、評点は0となります。
(4)成績は、成績評価申請書の提出によります。 平常の取り組み状況ならびに報告書を 成績評価申請書として WebClassに提出してもらいます。
(5) 次の場合は、評点が0になります。
・出席が全体の2/3に満たなかった場合
・授業時間内での紙媒体による履修意志の確認ができなかった場合
・期限までに成績評価申請書が提出されなかった場合
・不正行為に該当した場合
(6) 欠席した場合、平常点は申請できません。報告書で挽回してください。 大幅な遅刻や早退をした場合は、平常点は申請できません。 公認欠席(公欠)も欠席なので、平常点は申請できません。 「内職」など実態として故意に講義に参加していない場合も、平常点は申請できません。 「ピ逃げ」「代返」に該当する行為は、欠席ではなく不正行為として扱います。発覚した時点で、本学に通報され、履修は取り消され、評点は0となります。 自己の責によらない欠席の場合、診断書や事故証明書などのエビデンスの提出を求めることがあります。 就活による欠席は、自己の責による欠席となります。

【テキスト・参考書】
テキスト:野村正勝・鈴鹿輝男, 最新工業化学―持続的社会に向けて―, 講談社サイエンティフィク, (2004).※エネルギー化学共通テキスト
テキスト:小沢昭弥、現代の電気化学,丸善,(2012).※エネルギー化学共通テキスト、生協にて取り扱い
テキスト:松林光男、渡辺弘, イラスト図解 工場のしくみ, 日本実業出版社, (2004).※情報処理概論、品質管理、技術者倫理の共通テキスト

【その他】
・学生へのメッセージ
この講義は、菅原陸郎先生が担当されていました。菅原先生のご退職に伴い、立花が引き継ぎました。その後、複数教員担当方式により伊藤と立花で当するに至りました。工業化学は工学部の応用化学であり、自然科学である理学部の化学とは、趣を異にするものです。工学部としての化学について、よりよい講義ができればと思います。よろしくお願いいたします。
・オフィス・アワー
WebClassをメッセージをご利用ください。質問や意見は、教室全体で共有したいので、できるだけ授業時間内にお願いします。講義内容に関する質問や意見は歓迎します。履修や評価に関する問い合わせは必要最小限でお願いします。 問い合わせ多数の場合、WebClassのメッセージには個別に対応できないことがあります。

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