システム創成技術者倫理(社会と倫理)
 Engineering Ethics (Society and Ethics)
 担当教員:木俣 光正(KIMATA Mitsumasa)
 担当教員の所属:工学部
 担当教員の実務経験の有無:
 担当教員の実務経験の内容(有の場合):新規商品に関わる研究開発を行った企業での実績から倫理問題について講義する。
 開講学年:2年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:システム創成工学科  科目区分:必修 
【授業の目的】
健全な価値観と倫理観を身に付けるため、技術者が関わる事故やトラブルの事例を紹介しながら、そこに至るまでの個人の問題、組織の問題、そして技術上の問題などを分析し、技術者としてどのように公益の利益を守っていくべきかを考えていく。また、倫理概念について整理し、技術者として社会貢献していくに際して、どのような倫理的視点が必要かについて講義する。

【授業の到達目標】
具体的な事例を参考にし、グループ討論を行いながら倫理学について考えていく。
到達目標は、
(1)技術者倫理の問題を技術・組織・専門職の問題に分類して争点を整理できる。
(2)様々な事故・事件を題材にして、倫理上の問題を3つ以上あげられる。
(3)功利主義、徳倫理学、義務倫理学について具体例を1つずつあげながらその特徴を説明できる。

【授業概要(キーワード)】
公衆の安全、公益通報、知的財産、コンプライアンス

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:26~50%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
B-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、他の学生の意見を尊重しつつグループとしての結論を出すために議論をする機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
健全な価値観と倫理観を身に付けるため、学問の多様性に気付き、知識の幅を広げていく必修科目

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
12.つくる責任つかう責任
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
講義とグループ討論を取り混ぜて行う。自分の意見を主張するだけでなく、他人の意見を聞きながらグループとしての意見をまとめる。講義後,演習課題を解く。
・日程
主要なテーマと順序は次のとおりですが、進行状況により内容を変更することがあります。
第1週;技術者倫理の誕生
第2~3週;チャレンジャー号事故と技術者倫理の内容
第4週;企業の社会的責任(フォード・ピント事件)
第5週;安全性と設計、事故調査
第6週;製造物責任
第7週;施工管理、工程管理、維持管理
第8週;内部告発、倫理規定、
第9週;施工管理、工程管理、維持管理
第9週;専門家の誇り、システム設計の難しさ
第10週;歴史と倫理
第11週;ハラスメント
第12~13週;知的財産権
第14週;技術者倫理の7原則と9義務
第15週;期末試験とまとめ

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
教科書とともにWebClassの資料に目を通し、グループ討論に備えて予習をすること。グループ討論では積極的に発言すること。他人の意見に反論するのではなく、多様な意見を受け入れながら、自分の考えを整理していくこと。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
教科書の相当する章を30分程度読んで予習をし、WebClassの資料に目を通すこと。工学や技術に関連した事故・不祥事に興味を持ち、自分ならばどうするか、何が足りなかったのか等の分析をケーススタディーしてみる。演習課題を必ず行い,わからないことは質問する。

【成績の評価】
・基準
(1)技術者倫理の問題を技術・組織・専門職の問題に分類できる。
(2)様々な事故・事件を題材にして、倫理上の問題を説明できる。
(3)功利主義、徳倫理学、義務倫理学について特徴を説明できる。
これらを演習課題と期末試験で評価する。
・方法
毎回の演習課題の回答内容と期末試験の点数から授業の内容理解度を合計100点満点で評価し、60点以上を合格とする。

【テキスト・参考書】
教科書;「はじめての工学倫理 第3版」、齋藤了文・坂下浩司、昭和堂
参考書;
(1)技術者倫理の世界(第3版)、藤本温、森北出版
(2)第五版 大学講義 技術者の倫理 入門、杉本泰治・高木重厚、丸善出版
(3)工学倫理・技術者倫理、梶谷剛、アグネ技術センター
(4)異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養、
エリン・メイヤー、英治出版
(5)パンセ、パスカル、中公文庫

【その他】
・学生へのメッセージ
普段から「知識・技術」だけでなく、「倫理・道徳」にも関心を持つこと。
受身の状態で講義を聴くのではなく、積極的に討論に参加して永続的に学ぶ姿勢を作りましょう。
・オフィス・アワー
質問等がある場合は授業終了後またはWebClassのメッセージを利用しましょう。オフィスアワーは水曜日16:00~17:00,工学部3号館1209号室

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