教職論[児童教育コース]
 Introduction to Teacher and Teaching Profession
 担当教員:吉田 誠(YOSHIDA Makoto)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:1年,2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:児童教育コース学生  科目区分:基礎科目 
【授業の目的】
本授業では小学校を中心に幼稚園~高等学校教師になることの意義や教員の役割、教育公務員としての身分と服務、職務内容に関する知識を得た上で、現在の教師に求められる資質能力とこれからの社会における教師の役割を踏まえながら、自らの教師としての適性や意欲についての省察を深めてもらう。その上で、各自の理想とする教師像を明確にし、その実現に向けた学習計画と将来設計を行ってもらうことにする。

【授業の到達目標】
1.教師に求められる資質能力とこれからの社会のあり方を踏まえた上で自らの理想とする教師像を明確に説明できる。
2.理想の教師を目指すために大学で学ぶべき内容、自身の課題・目標を明確にし、具体的な学習計画を立てることができる。
3.教職に就いた後のライフコースをイメージし、理想の教師を目指すためのキャリア設計を行うことができる。
4.1~3に関する自分の考えについて経験を踏まえて具体的にかつ説得力を持って他者にわかりやすく伝えたり、他者の考えを引き出したりすることができる。

【授業概要(キーワード)】
教員に求められる資質・能力、教員の地位・身分、教員の服務、教員の研修制度

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
本授業は、教員免許を取得するための必修科目であり、教師になることの意義や教員の役割、教育公務員としての身分と服務、職務内容に関する知識を習得し、教師としての使命感と情熱、問題意識をもって学び続ける力を身につけるための科目である。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに

【授業計画】
・授業の方法
この授業は前半を講義形式で後半を学び合い形式で行うが、毎回の授業の初めに考察課題を与え、授業内容と他者の意見を踏まえて自分の考えを深めてもらう。原則として2回の授業終了毎にウェブクラスから考察課題に対する回答を記入してもらう。
・日程
第1回:教師とはどのような職業か(教職の意義・職業的特徴・職務の全体像) 
第2回:教師に対する見方の移り変わり(教職観の変遷)
第3回:教師に求められる資質能力(教員の資質能力)
第4回:教師に求められる使命感と情熱(教員の資質)
第5回:教員養成カリキュラムが目指す教師像(教員の資質能力)
第6回:教師教育制度の移り変わり(1)教員養成制度の現状と課題、改革動向(養成制度)
第7回:教師教育制度の移り変わり(2)採用・研修制度の現状と課題、改革動向(採用・研修制度)
第8回:教員の不祥事防止に向けた擬似的な当事者研究(教育公務員としての身分と服務)
第9回:教師のライフコース(学び続ける必要性)
第10回:教師としてのキャリア設計(理想の教師像を考える:生徒指導上の資質能力)
第11回:教科指導と教師(学習指導上の資質能力)
第12回:現在の教師に求められるもの(学習指導要領の趣旨と今日求められる役割)
第13回:これからの教師に求められるもの(1)「チーム学校」におけるファシリテーターとしての教師の役割)
第14回:これからの教師に求められるもの(2)「持続可能な社会」の実現に向けて
第15回:総括及び試験(これまでの学習内容の確認及び理想の教師像と課題・目標の明確化)

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
まず、講義資料と板書やスライド、映像等を基に授業内容を理解する(約60分間)。次に学習課題について授業内容を踏まえて自分なりの考えをまとめた後、2人組になって互いにインタビューし、質問・アドバイスをし合う活動を通して自分の考えを深めたり広げたりする(約30分間)。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
学習課題について記述した内容をさらに深めたり、関連する事項等について自分なりに調べたりすること、また、テキストの該当ページを読んで授業内容を発展的に理解すること。

【成績の評価】
・基準
授業回数の2/3以上の出席を前提とし、提出課題については以下の①~④、最終試験については以下の①~⑤の観点から評価する。
①設問の要求を満たしているか。文章表現がわかりやすいか。書いている内容に矛盾がなく、論理的な整合性があるか。
②抽象的な言葉や比喩表現については具体例を示して説明しているか。学んだ内容を自分の経験と結びつけながら自分の言葉で表現しているか。自分が使っている言葉の意味内容を理解していることが文脈から読み取れるか。
③教師としての当事者意識を持って書いているか。授業内容を踏まえた適切な教師の視点で捉えているか。複数の視点を踏まえて書いているか。
④教育に関する課題意識(大切にしたいことや取り組みたい課題)が具体的か。課題意識は明確で実現可能か。
⑤反省的実践、ダイナミックマインドセット、共感の善悪観のいずれかの視点が明確に示されているか。適切に示されているか。
・方法
2回の授業毎に実施する提出課題の回答50%・最終試験50%により評価を行う。

【テキスト・参考書】
テキスト:新井保幸・江口勇治編著 『教職シリーズ1教職論』培風館 2017年
参考書:『幼稚園教育要領』平成29年、『小学校学習指導要領解説総則編』平成29年、『中学校学習指導要領解説総則編』平成29年、『高等学校学習指導要領解説総則編』平成30年、山形県教育委員会 教職員の不祥事防止に係る有識者会議「信頼される学校教育を推進するために~教職員の不祥事防止に係る提言~」平成27年8月25日

【その他】
・学生へのメッセージ
教員を目指す学生であることを前提に、将来教壇に立つ者としてふさわしい行動を求めますので、遅刻、講義中の私語などについて厳格に対応します。
・オフィス・アワー
オフィスアワーについては初回授業の際に指示します。質問や連絡等はEメールでも受け付けます。

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