【授業の目的】
この授業の目的は、「学力」を捉える複数の視点を学習することによって、各々の長所短所を理解するとともに、おもに戦後日本で実施された「学力調査」を実際に解きながら、各時代の学力観学力を社会変化とかかわらせて捉え、将来的展望を検討することにある。
【授業の到達目標】
①「学力」について、学生同士の議論や文献による検討を通して、各自の「学力観」を相対化できる。
②「学力」の定義によって測定方法や評価方法が違うことを調べ、それぞれの特徴を捉えることができる。
③具体的な教科を取り上げて、「学力観」「学力」がどう変わったか調べることができる。
④社会変化が学力観や学力に与える影響を検討し、将来展望を検討することができる。
【授業概要（キーワード）】
学力、社会変化、TIMSS、PISA、階層、学生主体型授業
【学生主体型授業（アクティブラーニング）について】
A-1．ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。：1～25％
B-1．学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。：1～25％
C-1．自分の意見をまとめて発表する機会がある。：1～25％
C-2．事前学習（下調べ、調査等含む）をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。：1～25％
B-3．習得した知識を活用する中で、学生グループがテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、互いの考えを理解し合う中から新たに独自の意見や考え方を創り出す機会がある。：1～25％
C-3．習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。：1～25％
【科目の位置付け】
この授業は児童教育コースの「発展科目」である。
教員の免許状取得のための選択科目（教職6欄大学が独自で設定する科目（幼・小・中・高））に該当する。
【SDGs（持続可能な開発目標）】
04.質の高い教育をみんなに
05.ジェンダー平等を実現しよう
10.人や国の不平等をなくそう
【授業計画】
・授業の方法
○「学力」の定義によって、測定方法や評価方法が違うことを調べ、それぞれの特徴を捉える。
○具体的な教科を取り上げて、「学力観」「学力」がどう変わったか調べる。
○30年後の「学力」について考える。
・日程
第１回：「学力」とはなにか（学生討論）
第２回：「学力」をめぐる議論の時系列的整理
第３回：「学力」をめぐる議論の論理的整理
第４回：1950年代日本の「学力調査」の問題分析（グループ）
第５回：1950年代日本の「学力調査」の問題分析結果の共有（グループ発表）
第６回：学習指導要領にみる「学力観」とその変遷：小中学校
第７回：学習指導要領にみる「学力観」とその変遷：具体的教科（グループで分析し、発表）
第８回：1950年代の学力格差（地域差・男女差）の検討
第９回：1980年代の学力調査の内容と結果分析（TIMSS）（グループ）
第１０回：1980年代の学力調査の内容と結果分析の共有（TIMSS）（グループ発表）
第１１回：2010年代の学力調査の国内・国際比較
第１２回：国際的学力テストの問題分析と「学力観」の検討（PISA)（グループ）
第１３回：国際的学力テストの問題分析と「学力観」の検討結果共有（PISA)（グループ発表）
第１４回：2040年代の学力について討論
第１５回：学力を育てる社会：３０年ごとの学力の振返りを踏まえて。
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
グループワークを中心に行うので、主体的に取り組む姿勢が重要。
・授業時間外学習（予習・復習）のアドバイス
グループワークを進めるために必要な準備や討議を授業前後に行っておくこと。
【成績の評価】
・基準
①「学力」について、学生同士の議論や文献の検討により、各自の「学力観」を相対化できることを合格基準とする。
②「学力」の定義による測定方法や評価方法の違いを調べが、それぞれの特徴を捉えることができることを合格基準とする。
③具体的な教科を取り上げて、「学力観」「学力」がどう変わったか調べることができることを合格の基準とする。
④社会変化が学力観や学力に与える影響を、将来を含めて検討することができることが合格基準である。
・方法
①グループワーク５０点、②個人発表５０点の１００点満点とする。
―①グループ内のメンバーで協力して、代表的な学力調査の問題の傾向を捉え、発表できる。
―②その時々の学力観を社会背景と関わらせて捉え、学校でできることを提案できる。
【テキスト・参考書】
テキストは指定しないが、国立教育政策研究所の＜TIMSS＞＜PISA＞に関する各回報告書を使用するので、各自で入手しておくこと（URL等は授業時に紹介する）。
参考書は授業時に紹介するが、下記は重要文献である。
・苅谷剛彦・志水宏吉編『学力の社会学；調査が示す学力の変化と学習の課題』岩波書店。
・苅谷剛彦『学力と階層』朝日新聞出版。
・須藤康介『学校の教育効果と階層；中学生の理数系学力の計量分析』東洋館出版。
【その他】
・学生へのメッセージ
学力を社会（通時的・共時的）とかかわらせて考え、複眼的な視点や多様なアプローチを試みてみよう。
・オフィス・アワー
WebClass のメッセージ機能でアポイントをとってください。詳細は授業時に連絡します。
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