自然地理学概論
 Introduction to Physical Geography
 担当教員:八木 浩司(YAGI Hiroshi)
 担当教員の所属:地域教育文化学部地域教育文化学科児童教育コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:前期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
地形,気候,植生などをとおして自然景観を読み取ることをめざす.そして,人類が自然景観を如何に読み取りそれを生活に生かしてきたかを具体例とともに理解することをめざす.さらに,自然景観を読み取ることで災害を如何に回避するかを学ぶことで,持続可能で安全安心社会の形成に寄与できることを学ぶ .

【授業の到達目標】
1.地理学が目指す自然と人間活動の関係解明について,身近ではあるものの意識を持たなければ混沌としてその本質に迫れない自然景観をの構造を読み取るスキルを獲得できる.
2.自然景観を形成する因子,構成する諸要素に関する基礎知識を学び,要素ごとの景観的特徴を読み取り,さらにそれらを再統合してある地域の総観として自然景観の特徴と成立過程を学ぶスキルを得る.
3.自然景観の成立過程や自然景観の特性を如何に人類が読み取り,それらに対処して活動の場を形成してきたか,あるいは誤った景観分析が災害を引き起こしているかを学ぶことで,安全安心な社会形成にも貢献できる.

【授業概要(キーワード)】
自然景観,自然環境,地形,植生,気候,災害回避

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
C-1.自分の意見をまとめて発表する機会がある。:1~25%
D-1.演習、実習、実験等を行う機会がある。:1~25%
A-2.小レポート等により、事前学習(下調べ、調査等含む)が必要な知識の上に思考力を問う形での文章を記述する機会がある。:1~25%
A-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を記述する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
持続可能な社会形成に向けて学際的に広い視野を持つ人材養成が必要とされる現代,本授業を単に社会科の科目として位置づけするより,人間社会の存立する場所の理解のため,自然科学的要素をもつ境界領域に位置する科目として自然地理学があることを理解して欲しい.

【SDGs(持続可能な開発目標)】
11.住み続けられるまちづくりを
13.気候変動に具体的な対策を
15.陸の豊かさも守ろう

【授業計画】
・授業の方法
 本講義担当者は,非常勤講師であるため毎月1日土曜日に4コマずつ集中講義形式でおこなう.したがって,実施日程については注意すること.
 画像・映像資料を用いた講義を行ったのち,指示した地形用語について個人で実習形式で学習し,身近な場所の地形景観の成り立ちに関するプレゼンテーションをおこなう.
・日程
第Ⅰ日目
 第1回:地理学と何か,地理学は何を明らかにしてきたかを,特に自然地理学分野の研究動向から述べる.
 第2回:自然景観を形成する気候環境について基本的な大気大循環の概念を述べる.
 第3回:地球規模での気候変化が地形形成プロセスにも影響し自然景観が数千年から数万年の時間スケールで変化してきたことを論述する.
 第4回:自然景観の重要な構成要素としての植生,特に日本の植生帯について述べる.
第2日目
 第5回:自然景観の基層構造としての地形を地形図から読み取る.
 第6回:自然景観の基層構造としての地形を表現する地形図を実際に作る手法を演習形式で学ぶ.
 第7回:地形図を用いて日本の主要地域がどのような地形面から構成されているか,そしてそれらがどのようなプロセスで形成されたかを演習形式で理解する.
 第8回:地表を構成する地形面の定義や意味および地形面区分のための地形界線について述べる.
第3日目
 第9回:地形面区分のためのさまざまな地形界線抽出を演習形式で行うことで,地表がさまざまな地形面から構成されていることを理解する.
 第10回:地表を構成する地形種について形態的特徴ならびに形成プロセスを論述し,地表がさまざまな環境下で形成されてきたことを述べる.
 第11回:山形市内の街歩きと地形観察1 
 第12回:山形市内の街歩きと地形観察2
第4日目
 第13回:身近な地形景観についてのプレゼンテーション1
 第14回:身近な地形景観についてのプレゼンテーション2
 第15回:身近な地形景観についてのプレゼンテーション3

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
配付資料をWebClassからダウンロードしてパソコンやPad上に保存して持参すること.
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
地図を生活の中に持ち込んで地球環境問題などの発生場を抑えておくようにしてほしい.

【成績の評価】
・基準
・出席を前提として,出席が成績評価に連動することはないものとする.
・地形の形成と地形面の理解について演習形式の課題提出を通して判定し成績評価の一部とする.
・自然景観の読み取りに関する試験を行いその評点を主たる成績評価とする.
・方法
授業時の課題(20%)と定期テスト(80%)の評定を合算し,その得点率が60%を越えたものを合格とする.

【テキスト・参考書】
教科書は特に指定しない.授業ではパソコンやPad上で国土地理院・地理院地図を閲覧するので準備すること.資料はWebClassからダウンロードして印刷して持参.

【その他】
・学生へのメッセージ
高校で使った地図帳を用意して下さい.
・オフィス・アワー
担当者は月1回土曜日に来山するので,連絡はウェブクラスを通して行います.

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