民法基礎(不法行為法)
 Civil Law VI
 担当教員:神澤 真佑佳(KANZAWA Mayuka)

 担当教員の所属:人文社会科学部人文社会科学科総合法律コース
 担当教員の実務経験の有無:
 開講学年:2年,3年,4年  開講学期:後期  単位数:2単位  開講形態:講義
 開講対象:  科目区分: 
【授業の目的】
民法典のうち、不法行為(第3編第5章)に関する基礎的知識を獲得し、この領域における具体的事例について、基本的な事例であれば、法規定を当てはめ、法的結論を導けるようになることを目指します。

【授業の到達目標】
本講義を通じて、以下の各項目について、できるようになることを目指します。
① 本講義で扱う内容について、法律の条文を的確に参照することができる。【知識・理解】
② 法律用語を正しく用いて、本講義で扱う法制度の定義、および要件・効果を説明できる。【知識・理解】
③ 本講義で扱う内容の諸制度・諸規定について、趣旨を理解し、説明できる。【知識・理解】
④ 本講義で扱う判例について、基本的な最上級審の立場(判例)を理解し、説明できる。【知識・理解】
⑤ 不法行為における具体的事例について、基本的な事例であれば、法規定を当てはめ、法的結論を導くことができる。【知識・理解】

【授業概要(キーワード)】
民法、債権各論、法定債権

【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
A-1.ミニッツペーパー、リフレクションペーパー等によって、自分の考えや意見をまとめ、文章を記述し提出する機会がある。:1~25%

【科目の位置付け】
1)本講義の導入講義として、「私法入門」があります。
(2)民法の他の分野に関する講義を受講することで初めて、民法の全体像を理解することができます。
(3)本講義は、法律学分野の高度な「専門知」を獲得し、多様な場面で応用可能な法的知識とその運用能力を養うための科目です(人文社会科学部総合法律コースのカリキュラム・ポリシー)。

【SDGs(持続可能な開発目標)】
04.質の高い教育をみんなに
12.つくる責任つかう責任
16.平和と公正をすべての人に

【授業計画】
・授業の方法
レジュメを中心に講義を進め、テキスト、百選なども併用して授業を実施します。レジュメの配布方法は、ウェブクラスにアップロードする形で行います。
・日程
第1回:ガイダンスと導入
第2回:不法行為総論
第3回:一般不法行為の要件①:故意・過失
第4回:一般不法行為の要件②:権利・法益侵害
第5回:一般不法行為の要件③:損害
第6回:一般不法行為の要件④:因果関係/責任阻却事由
第7回:不法行為の効果①:損害賠償の請求主体と範囲
第8回:不法行為の効果②:損害賠償額の算定と減額
第9回:不法行為の効果③:損害賠償請求の行使/金銭支払い以外の被害者救済方法
第10回:他人の行為についての責任①:監督義務者責任
第11回:他人の行為についての責任②:使用者責任
第12回:物の危険についての責任:土地工作物責任、動物占有者責任、製造物責任、運行供用者責任
第13回:複数の行為者の責任①:共同不法行為の制度趣旨、要件・効果
第14回:複数の行為者の責任②:被害者が不明である場合の共同不法行為の要件・効果
第15回:まとめ及び試験

【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
私語厳禁。
教科書やレジュメに基づいて講義を行うため、その内容を理解するよう努めてください。
講義を受講するにあたり、適宜、受講生自身が気づいたこと、あるいはわからなかったこと等をレジュメやノートにメモし、それらを授業後等に自ら調べるなどを通じて、知識を深めるよう努めてください。
疑問に思うことがあれば、オフィスアワー等を利用し積極的に質問してください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
事前学習:レジュメをDLし、各回の授業で扱う項目について、教科書の関係部分を通読し、そこでわからない言葉を法律用語辞典等で調べておいてください。
事後学習:講義ノート、教科書、レジュメを再読し、知識の定着を図ってください。

【成績の評価】
・基準
授業の到達目標に照らし、知識の習得、理解の度合い、汎用的技術(論理的思考力、文章表現力)を考慮し、それらの到達度に応じて評価します。

具体的には、① 本講義で扱う内容について、法律の条文を的確に参照することができているか、② 法律用語を正しく用いて、本講義で扱う法制度の定義、および要件・効果を説明できているか、③ 本講義で扱う内容の諸制度・諸規定について、趣旨を理解し、説明できているか、④ 本講義で扱う判例について、基本的な最上級審の立場(判例)を理解し、説明できているか、および⑤ 本講義で扱う内容について、基本的な事例であれば、法規定を当てはめ、法的結論を導くことができているかを考慮します。
・方法
筆記試験(100点満点)で評価します。
各問題は、授業の到達目標に対応したものであり、講義を聴いている限りにおいて、難問・奇問は出しません。その中で、「主体的な参加の度合い」、「知識の習得の度合い」、「理解の度合い」、および「汎用的技術の習得の度合い」を見ます。

【テキスト・参考書】
●テキスト
最新版の六法(媒体は問いません。スマホのアプリ、電子辞書も利用可能です。)
中原太郎ほか著『民法6事務管理・不当利得・不法行為(有斐閣ストゥディア)』山本敬三監修(有斐閣、2022年)

●参考書
潮見佳男『基本講義債権各論II不法行為法』(第4版、新世社、2021年)
中原太郎ほか著『民法④債権各論 判例30!』(有斐閣、2017年)
窪田充見=森田宏樹編『民法判例百選II(債権)』(第9版、有斐閣、2023年)

【その他】
・学生へのメッセージ
民法関連の他の講義も受けることで民法全体を理解できるようになります。ですので、卒業までに他の民法関連講義も受講することが望ましいです。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問等に対応するオフィス・アワーを、木曜日14時40分から16時10分まで研究室にて設けます。
ただし、会議や出張等で不在にすることもあるため、確実に面談希望の方は、事前に予約することをお勧めします。連絡先は、初回授業でお知らせします。

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