【授業の目的】
本講義の目的は、第一、に経済数学(a)で学んだ知識が、ミクロ経済学やマクロ経済学でどのように用いられているかを学ぶことである。第二に、「数学」を用いた説明によりミクロ経済学やマクロ経済学をより深く理解することである。
【授業の到達目標】
履修者は、 (1)数学を用いてミクロ経済学やマクロ経済学を理解できるようになる。【知識・理解】 (2)公務員試験といった各種試験の問題が解けるようになる。【技能】
【授業概要(キーワード)】
連立方程式、数列、微分、偏微分、ラグランジュ乗数法、行列
【科目の位置付け】
この授業は,経済学を学ぶ際に必要な数学的な知識を習得し,経済数学を用いて経済・社会問題の解決策を提案する力を身につけるために編成される科目である(人文社会科学部人文社会科学科のカリキュラム・ポリシー)。
【授業計画】
・授業の方法
参考文献に挙げたテキストや問題集を元に講義を行う。また、必要に応じて受講者に練習問題を解いてもらう。
・日程
1.イントロダクション:講義内容の紹介
経済学で使う数学の復習 2.微分・偏微分 3.最適化
ミクロ経済学の復習および演習 4.消費者理論 5.生産者理論 6.市場均衡 7.不完全競争
マクロ経済学の復習および演習 8.45度線分析 9.IS-LM分析 10.AD-AS分析
11.線形代数:行列、行列式、逆行列 11.線形代数:行列、行列式、逆行列(2) 13.線形代数の応用:産業連関分析 14.総復習(1) 15.総復習(2)
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
教員の説明を正確に理解すること。疑問点がある場合は講義終了後などに質問して、疑問点を持ち越さないこと。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
高校時代の数学の教科書や経済数学(a)で用いた講義資料の関係する部分を読んでおく。また、ミクロ経済学やマクロ経済学のテキストを読み直し、主要な概念の復習を行っておく。
【成績の評価】
・基準
主体的な参加の度合い・知識の習得の度合いについては小テストによって判定する。また、理解の度合い・汎用的技能の修得の度合いについては筆記試験により判定する。これらの合計点によって、本講義の成績を決定する。
・方法
中間課題(3回)と期末試験を中心に評価する。ただし、全講義回数の2/3以上の出席をすることが成績評価の条件である。
【テキスト・参考書】
本講義の性質上、特定のテキストを使用するわけではないが、手元に置いて受講することが望ましい参考書として、以下を挙げておく。 ・鈴木孝弘『高校数学からはじめるやさしい経済数学テキスト』(オーム社) ・川西 諭『経済学で使う微分入門』(新世社) ・尾山大輔, 安田洋祐『改訂版 経済学で出る数学』(日本評論社) 1番目の本は経済数学(a)のテキストである。これ以外にミクロ経済学やマクロ経済学で使用したテキストや講義資料が参考になるだろう。また、問題集としては例えば以下がある。 ・西村和雄, 八木尚志『経済学ベーシックゼミナール』(実務教育出版) ・白石俊輔『経済学で出る数学 ワークブックでじっくり攻める』(日本評論社) ・その他、ERE(経済学検定試験)や公務員試験・大学院入試の問題集
【その他】
・学生へのメッセージ
ミクロ経済学やマクロ経済学、計量経済学(統計学)など数理的手法を用いる科目をよく理解し現実の状況への応用を考えるときに経済数学は欠かせない科目である。また、この講義内容には経済数学(a)の復習が多く含まれる。そのため、受講者はこれらの科目をあらかじめ履修しておくことが望ましい。本講義を履修することは応用ミクロ・応用マクロやゲーム理論といった3年次に開講される数理的な科目の理解の手助けともなる。
・オフィス・アワー
授業時間外に学生の質問に答える「オフィス・アワー」を山口研究室(人文社会科学部2号館3階)において、水曜日の7・8校時に設けます。
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