【授業の目的】
市民活動の現場を体験し、市民の担う公益活動の課題を知る。 学生もまた地域社会の一員であり、すでに多くの学生が住民として、消費者として、そしてアルバイトなどの労働者として地域に参加しています。そして企業を中心とした営利活動については、アルバイトはもちろんのこと「インターンシップ」として経験もする機会があります。しかし、社会とまちづくりに対する貢献の場はそれだけではありません。本演習では、障がい者支援、在住外国人支援や国際ドキュメンタリー映画祭(2年ごとの開催のため次の映画祭は今年(2023年)10月の開催)、若者・子どもの居場所づくり、環境保護関係のNPOや市民グループなど、公共の利益のために非営利活動をしている市民団体の活動に、自分なりの問題意識を持って参加してもらうことで、もう一つの貢献の仕方に気づいてもらいます。
【授業の到達目標】
1)地域における非営利の市民活動について基礎的な知識を得ることができます。 2)以上の知識を以下のような現場にて応用するための思考力を得ることができます。 (1)NPOやNGOなどで働いたり、ボランティアとして市民活動や町内会に参加するとき。 (2)会社員としてCSR(企業の社会的責任)活動に携わるとき。 (3)公務員として「市民との協働」をおこなうとき。
【授業概要(キーワード)】
まちづくり、非営利活動、公益活動、市民活動、学生主体型授業。
【学生主体型授業(アクティブラーニング)について】
B-1.学生同士の話し合いの中で互いの意見に触れる機会がある。:1~25% C-2.事前学習(下調べ、調査等含む)をした上で、プレゼンテーションを行い、互いに質疑応答や議論を行う機会がある。:1~25% C-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型学習を行い、その成果を発表し理解してもらえるようプレゼンテーション、質疑応答、リフレクションを行う機会がある。:51~75% D-3.習得した知識を活用する中で、学生自身がテーマや目的などを主体的に定めて課題探究型の演習、実習、実験等を行う機会がある。:51~75%
【科目の位置付け】
この授業は、学生が地域社会の現代的な課題の発見や解決に寄与できるように編成された実践科目の一つです(人文社会科学部のカリキュラム・ポリシー)。 また、人文社会科学部の学部共通科目>実践科目として、どのコースの学生でも履修できます(卒業単位の扱いはコースごとに異なります)。また本科目は、2016年度までの入学者向けの旧カリキュラムでの学部共通科目「地域づくり特別演習(二)」に相当します。
【SDGs(持続可能な開発目標)】
01.貧困をなくそう 02.飢餓をゼロに 03.すべての人に健康と福祉を 04.質の高い教育をみんなに 05.ジェンダー平等を実現しよう 06.安全な水とトイレを世界中に 07.エネルギーをみんなにそしてクリーンに 08.働きがいも経済成長も 10.人や国の不平等をなくそう 11.住み続けられるまちづくりを 12.つくる責任つかう責任 13.気候変動に具体的な対策を 15.陸の豊かさも守ろう 16.平和と公正をすべての人に 17.パートナーシップで目標を達成しよう
【授業計画】
・授業の方法
まず市民団体、NPOについての初歩的な説明、活動への参加時の留意点などを講義します。その後、各自の希望する団体への参加実習に入ります。 なお先生と受講生、受講生同士の情報共有のためにWebClassを活用します。 ただし履修指導の都合上、受講生は15人程度として、希望者が多数の場合、履修理由書による選考をおこないます。
・日程
4月~5月:説明会、市民活動についての講義を経て、希望調査のうえ、団体を決定します。6月~7月:受講生各自が団体で実習活動。月一回は各自が中間報告。7月末に個々人の活動内容報告のための期末発表会。 上記の活動と並行して、5月から7月にかけて4回ほど、市民団体一つずつをお招きして、活動紹介と交流会を開催します。また、7月末の「山形市コミュニティーファンド公開プレゼンテーション」にも審査員として応募、参加します。(これらについては成績評価対象外です。) そして夏休み明けの10月か11月に上記の活動報告会を学内にておこないます(授業自体は終了していますので、発表自体は任意です)。 なお、新型コロナ禍対策などにより2020年度と同様に対面授業や団体での実習が不可能になった場合、オンラインによる講義と下調べレポート提出をおこなったのち、各自が選定した団体を対象にレポート作成をおこなうこととします。
【学習の方法・準備学修に必要な学修時間の目安】
・受講のあり方
明確な問題意識を持ち、積極的・主体的に行動し、メモすることを心がけてください。特に団体での実習時には「人の話を聞く(聞き出す)技術とマナー」が重要になってきます。つまりは(1年次の)スタートアップセミナーで習得した技能の実践に努めてください。
・授業時間外学習(予習・復習)のアドバイス
単位制度の実質化のため,授業外における以下の予習・復習等の自主的な学修に取り組んでください。準備学修に必要な学習時間の目安は週あたり2時間です。 ・序盤の実習準備段階では、予習のためテキストや参考文献に目を通し、下調べをしてきてください。 ・実習先団体についての下調べのために、図書館やインターネットを活用して情報収集をおこなってください。 ・実習先で得られた知識(部外秘情報を除く)や分からなかった点、疑問点をノートに記し、重要事項は自分なりに調べたうえで団体での実習の際に質問していきましょう。 さらに、実習先の団体によっては事務作業のためインターネットやワープロ、表計算の技能が、期末発表の際にはパワーポイントの技能が必要になりますので、授業時間外に準備(練習)をする必要があります。なお、パワーポイントについては授業のときに情報処理実習室(人文棟2階)で講習をおこないます。
【成績の評価】
・基準
以下を合格の基準とします。 1)地域における非営利の市民活動について基礎的な知識を得ていること。 2)市民活動の現場で知識を応用するための思考力を得ていること。
・方法
事前講習時(事前調査)と経過報告の内容と質疑応答で70%、期末の発表会で30%を評定。
【テキスト・参考書】
・テキスト:『知っておきたいNPOのこと1【基本編】』(日本NPOセンター、500円)http://www.jnpoc.ne.jp/?p=13456 ・参考書:社会福祉法人大阪ボランティア協会編『テキスト市民活動論 第2版:ボランティア・NPOの実践から学ぶ』(社会福祉法人大阪ボランティア協会、2017年、1500円)。また、2021年度の履修生による活動報告書『NPO体験記 2021』(無料)も配布します(なお、今期は報告書は作成しません)。 ・参考書:森 靖雄『新版 やさしい調査のコツ』(大月書店、2005年、2000円)、坂本治也編『市民社会論』(法律文化社、2017年、3200円)。
【その他】
・学生へのメッセージ
上記の「参考書」には、スタートアップセミナー段階のテキストから一歩進んだ聞き取り調査についての参考書を例示しましたが、まず重視すべきことは、実際に体験すること、そして現場の方々から信頼されるよう努めることです。 文献調べやレポート作成の基礎的な技能が必要ですので「スタートアップセミナー」を履修していることが望ましい(必須ではない)。
・オフィス・アワー
松本邦彦研究室(人文社会科学部1号館3階):水曜日の11時~14時。 これ以外の時間帯の場合、在室時ならいつでも(短時間は)対応しますが、不在の場合もありますので事前にWebClassメッセージか電子メールにて予約してくれた方が確実です。 ※先生たち宛にメールやWebClassメッセージを送る前に一読をすすめます↓。 「松本宛(先生宛)のメールについてのお願い」 http://www-h.yamagata-u.ac.jp/~matumoto/mail.htm
|